5ページ目 vs溶岩
ミュート・オンネス、18歳だ。
今日はスカーレットと模擬戦をした。
元々はクロノスとスカーレットが朝から訓練を兼ねてやっていたんだけどそこに寝過ごして寝起きだったボクが加わったのだ。
スカーレット相手の模擬戦は久しぶりだったけど、なんとか勝てた。
実はボクとスカーレットの得意魔法は相性が悪いのだ。彼女の得意魔法は炎魔法でボクは氷魔法。
ボクが氷の槍を発射すると当たる前に蒸発。
氷塊を投げても蒸発。
氷山を落としても蒸発。
仕方なしに辺り一帯を凍らせても1000度を超える炎で溶かされて蒸発させられた挙句地面まで溶かされて。簡単に凍らせられないようにさせられた。
地面を溶かし溶岩を作るほどの熱量の炎相手に今でもよく勝てたなと思う。
一応、今後スカーレットと模擬戦するときの為に勝った方法を書いておく。
ボクとスカーレットそして観戦のクロノスがまっすぐ一直線上に並ぶように立ち位置を変える。
次にスカーレットに炎魔法を自身の頭上へ使わせてボクは自分の頭上に氷魔法を使う。
するとスカーレット近くの空気は温められてボクの近くの空気は冷やされることとなり急激な温度差が生まれる。
温かい空気は上方へ冷たい空気は下方へ行く上昇気流と下降気流が発生する。
あとは気流によりスカーレットのスカートが捲れてクロノスの視界に入りそれに気づいたスカーレットが気をそらしたところに物理でチョップして終わりだ。
赤面クロノスの尊い犠牲の下に勝ち取った勝利だったよ。
書いててなんだが今後、スカーレットと模擬戦するのは何年も後だと思う。何故なら今、この日記を書いてる横で酔っ払ったクロノスがスカーレットの異名を話しているからだ。
溶岩地帯のスカーレット。
西国貴族のケルビン家1夫9妻2男21女33人家族の16女で放任主義の家だったので700人の1人と分かった時に家を出て火山で修行をしてボクらの住む街トヨトミまで女の身1つで来た猛者。
普段、一緒に仕事をするときはボクが主に周囲を凍らせるからそれだけで済むけど、たまにスカーレット1人で行くときに荒野をグツグツと煮える火口状態にしたことから付いたらしい。
ボクも大概だけどスカーレットも変わらないんじゃないかな?てか自分で直せない以上ボクより厄介でしょ。
溶岩地帯のスカーレット・ケルビン、恐るべし。
こんなこと書いてる内に気が付いたスカーレットが来たので今日はここまでとする。
緋「あーあ、負けちゃったしクロノスにパンツは見られるし散々だぜ。」
μ「作戦勝ちだよ。
それにクロノスなら安心して。酔わせて記憶消去中だったんだから。」
黒「うぅ〜、気持ち悪りぃ…。」
緋「作戦って…。まあ、クロノスの記憶が消えるならいっか。かんぱーい。」
μ「かんぱーい。」
鋏「お、何の乾杯だコレ?」
緋「おー、シーザー、模擬戦でミュートが私勝った乾杯だよ。」
鋏「そうなのか。
じゃあ、俺も乾杯。」
緋μ「かんぱーい。」
黒「ん?俺は今日、何を?確か朝からスカーレットと模擬戦してて……記憶が無ェ……。」