19ページ目 4月をバカにする。
エイプリル・ワット。
クロノスの嫁。
ワット鉄道の社長令嬢。
国立大学技術学科卒業後、大陸研究院に入り世界に3人しかいない大陸総合技術職Ⅰ種を女性で初めて取得。
この資格は魔導機関車を自ら設計し、自ら作り、自ら運転して人を乗せることを許可される。機関車の全てに関してを自分の意思で行うことができる資格である。
人生の勝ち組の証の一つでもある。
今日はロッカク砂漠に採取依頼で来ていたのだが何を思ったのかエイプリルがボクを轢きに来た。
ガチである。
エイプリルの固有スキル、高速錬成術は金属精製、鉄鋼魔導、紋章術、空間把握などその他諸々を組み合わせからなる。
あの女、高速錬成術で試作品の機関車を作り前を見ずに走らせたのだ。ボクが正面にいるにもかかわらず目が合ったのにニコニコ顔でスピードを上げて轢きに来たのだ。
流石に直撃したら死ぬと思ったので辺り一帯ごと機関車を氷漬けにして止めてやった。
一緒にエイプリルも凍ったが気にしない。
どうせ、砂漠の日差しと自力で解凍してくるに違いないからだ。
高速錬成術は氷も水へと錬成するのである。
また轢きに来られても堪らないのでさっさと逃げて来たがボクはエイプリルに何かしただろうか?
心当たりは無くはないが多すぎて分からないな。
クロノスを水着で誘惑したことか?
エイプリルの秘蔵のプリンを食べたことか?
寝てる間に顔に落書きしたことか?
機関車の設計図を魔法で吹き飛ばしたことか?
ケーキをカチコチに凍らせたことか?
ふむ。分からん。
よって、今日はここまでとする。
μ「結局なんでボクは轢かれかけたの?」
4「あんた、私のケーキ凍らせたでしょ!」
μ「ああそれか。美味しかった?」
4「固すぎで顎を痛めたよ!」
μ「どんまい(笑)」
4「ウニャーー!!」