17ページ目 未来の義姉
僕だ。
今日は兄に食事会に招待されたのでそこで夕食を食べた。
招待された時正装でパートナーを1人連れてくるように言われたので最初にスカーレットを誘ったのだが「お前馬鹿だろ」と、言われて断られた。解せぬ。次にクロノスを誘ったがヴィヴィとエイプリルに食い気味に断られた。解せぬ。仕方ないので次々、別の人を誘ったのだが皆断られた。
あのいつも寝てそうなギネスにも断られた。てか、もう旅立ってた。
誰も捕まらないので兄に食事会を断りに行くと秘書の人にパートナーを迎えに行って留守と言われて断れなかった。
困ったのでトコトコと歩いていると鍵万主に会った。あの野郎、大和族の美少女奴隷とデートしてやがった。少しイラついたけど鍵万主の固有スキルを思い出したので手は出なかった。
僕は交渉をして王都まで送ってもらった。
王都には僕の頼みを断らない奴がいたからだ。そいつにパートナーを頼むと一発OKで食事会に行った。
食事会で兄のパートナーは何時ぞやのデート相手の美女だった。この食事会は彼女を僕に紹介するためのものらしかった。
名前はセーラ・フェザー・ラドキン侯爵令嬢。
未来の最有力義姉候補は長い銀髪に少しつり目がちな意志の強そうな蒼眼で別名、雪の結晶と呼ばれる令嬢だった。
僕と相性が良さそうな別名だった。
食事会をしながら兄との出会いはセーラさんは元々公爵家子息の婚約者だったのだが国立学院の高等部2学年の時に婚約者から訳のわからない冤罪を言われて婚約破棄をされたらしい。で、自失呆然となっていたがこのままではダメだと思い一念発起。元婚約者への未練を絶つために今まで以上に勉強し、それまで興味を持たなかった分野も次々に学び国立大学の試験を首席で合格。そのまま国立大学へ進学して友人や従者と共に新たな友人知人を作っていき、その過程で兄と知り合ったみたいだ。
セーラさんに兄のどこに惚れたのか聞くとセーラさんが困った時相談するといつも助けてくれたらしい。確かに兄の情報網はドン引きするくらいに張り巡らされているからな。助けることくらい容易なのだろう。
因みに兄はセーラさんに一目惚れしたらしい。身内の一目惚れとか引くわー。
そろそろ僕のパートナーを王都に送り返さないといけないので今日はここまでとする。
兄嫁「ミュートちゃん、綺麗な子ね。」
兄「まあ、傾国の美女なんて称号持ってるからな。」
兄嫁「パートナーに連れて来てたのって国軍の中将だったけどどういう関係なの?」
兄「友達以上恋人未満の関係だ。しかもどちらも自覚無し。」
兄嫁「あらあら。」