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X'masSS『煌めき踊る聖夜の元で!!』

せっかくのクリスマスなので書きました。ショートストーリーです。

閑話的な物なので内容は今のところの流れとは関係ありません。

関係あるかもしれませんが。



「明日はクリスマスだね〜ベルちゃん」

「……そうだね」


いつも通りの無表情での短い対応ではあるが、言葉のテンションは分かり易すぎるくらいにルンルン気分であった。


「ベルちゃんの方はどう?」

「……順調。クリスマスまでにはオールグリーン」

「そっか。となると」

「……うん」


二人は真剣に頷きあい、防寒具を着込んで寮を出る。


--- --- --- ---


「うぅ……寒い……」

「……やっぱり冬だから。冬でもあったかい日はそんなにこないし」

「だよね〜。あ、もうそろそろだけど、ベルちゃん大丈夫?」

「……が、頑張る」


朗らかに会話をしているラギア魔法学院に通う女子生徒二人は、二年生。

常人では進級するのに何年とかかる酷しいその学院で、一年生時代を乗り越えし猛者である。


青色で固めた制服の上にモコモコの上着を羽織った白髪の少女が 小寺(こでら) 春花(はるか) 。通称 ハル 。

紫の特性ゴスロリ制服(お気に入り。魔力を流すことで防寒の効果あり)を着て、可愛らしい手袋とマフラーを装着している少女が 須部(もとべ) 瑠衣(るい) 。通称 ベル 。


二人仲良く、女の子同士の楽しい楽しいショッピング…………の、筈なのだが。


やはりというかなんというか。ベルは口を正三角形にし、ぷるぷる震えながら真っ青な顔でデフォキャラのようになっていた。


「……ま、周りの目が……目が……」


彼女自身、嫌な思い出があるため。人の視線や人ごみは苦手なのだ。

ベルは姿こそ幼いが、その幼さとは裏腹な幾つかの修羅場をくぐってきたかのような凛とした雰囲気があり。美少女と呼ぶにふさわしい少女である。

そんな少女に視線が集まるのは、仕方がないのではないだろうか。


「おーい。大丈夫かーい! ここでそんなんじゃお店回れないじゃんっ!?」


人の集まるところが得意ではない彼女が何故、お店を回るのかというと。


「ユウマのクリスマスプレゼント。一緒に考えるんでしょ」


…………とまぁ、そういうことである。


ハルとベルは、ユウマこと 荒杭(あらくい) 勇魔(ゆうま) へクリスマスに渡すプレゼントを探しにきたのだ。

二人は、ユウマとクリスマスパーティーを開くため、準備を進めてきた。

といっても、準備というほどやる事はなく。二人で集まってどうゆうことをやるか散々会議を開き(第一回〜第五十八回まで)、決まったらすぐにパーティー道具を購入、会場はユウマの部屋ということになった。


因みに、サプライズということでユウマ君はこのことを知らない。


「いくらでも忍び込めるのでいないときを見計らって会場準備すればいいや」というのは二人の意見である。


食べ物などの予約は完了。その日のうちに届くだろう。


そうなると残りにやる事は。


「……プレゼントだけ……ちゃんといいの、選ばなきゃ」

「あぁ〜〜もうっ!?」

「……うわ」


寒さではない震えにガタガタしてるベルの腕を急にハルが引っ張った。

その腕を組んで強引にベルを引きずって言う。


「そんなに怖がんないで? プレゼントもそうだけど、それ以前に楽しもう? 友達とショッピング、夢だったんだ〜。二人なら怖くなーい怖くなーい! ね?」

「……う、うん」


にっこりと満面の花が咲くような笑顔に、ベルの震えは宇宙圏の彼方へと吹き飛んでいった。


二人はしばらく、腕を組んだまま店へ向かって歩いていった。


◇◆◇


「……どれが、いい、かな?」

「わかんない……ユウマの好きな物ってなんだろう」


ちょっと高めのアクセサリーやペンダントがいっぱいあるけど……

ユウマってこうゆうのに興味示してなかったよね〜……


ユウマの好きなものといえば……ゲーム・ダラけられる物・食べ物(お菓子)


「はぁ……」


どれを渡しても喜ばれそうなんだけど……女の子としての贈り物としてどうかと思う。

でもイメージすればするほど、クリスマスっぽいもの渡すよりゲームとか渡している方が喜んでるんだよね……。

イメージの中とはいえ少しムッとする。


「う〜〜〜……ぅぅ〜〜〜……ぅぅ〜ん…………はぁ……ここもダメかぁ〜。次行ってみよう」

「……次はどこに行く?」

「えーっとぉ……」

「Hey。彼女達なにしてんの〜?」


うわぁっ!? え? なに? 私? ベルちゃん?

なにこの人達。


「ヒュー。近くで見たら超きゃわいいじゃん。ねぇねぇ今暇? ちょっと俺たちと遊ばない?」

「あ、あの、すみません。今忙しいので……」

「そんなに冷たくすんなよ? な? 名前なんての? ねぇ? な・ま・え」


この人達……なんか気持ち悪い……なんだろう……この人達の目、凄く嫌だ。


「……小寺…………春花……ですけど」

「はるかちゃんね? うわ超俺好み」

「ちょいちょ〜い。シズ君だけはずるいでショーー」

「おっほ? シズとサクバはその子け? 俺断然こっちの子〜」


気持ち悪すぎてだんだん怖くなってきた。

こんな時、ユウマがいてくれたら。


「そう冷たくしないでってば はるかちゃ〜ん。なんか長いし、はるかって呼んでいい?」


そう言われた瞬間、反射的に肩をつかもうとしていた男の人の腕を弾いていた。


「いっつ……てめえ……調子こいてんじゃねぇぞ? 女は黙ってケツ振ってりゃいいんだよ。わかってんのかあぁ?」

「調子こいてんのはお前だよ」


男の言葉にブワッと怒りが込み上げたが、次に聞こえてきた声で冷静になった。


「アァッ! なんだてめぇは! ぶっ殺すぞガキが!」

「チッ……あぁー、寝不足でイラついてっから叫ぶなよなー全く。響くんだよ」


すまほ片手に面倒そうにぽりぽりと頭を掻くのはユウマだった。


「じょ、上等だぁ! ぶっ殺―――」

「ハル。魔力借りる」

「へ? あ、う、うん」

「……『龍化』」


魔法で作っておいた魔力供給道で魔力が凄まじい勢いで吸われて行く。


ユウマの服装が『喧嘩上等』の服に変わり威圧感のようなものが地面を走る。


「……す? へ? あ、いや、その……」

「オーケー。そっちが殺す気ならそりゃあ殺される覚悟もできてるよな?」

「……いや、違……す、すみませ……―――」

「へ? 今なんか言った?」


男の人が宙に舞った…………


「い、いっや〜〜俺たちおぁー」

「はい次ぃ〜」

「ちょっ、待……」

「問答無用〜」


残り二人が続けて宙に舞った……

キラキラと何かが男の人たちのところで光ってた。


「よ。大丈夫だったか」

「う、うん。ありがと」

「……ありがと」

「はいよ。ところでお前らなんでこんなとこいんの?」


確かに今日は普通に平日だ。

自由登校とはいえ、私たちがいるのは不思議かもしれない。

でもそれは


「ユウマにも言えることだよね、なんで……ってまぁいいや。それより明日」

「あっ!? わ、悪い。ちょっと俺これから用事あるんだ。じゃな」

「わ! ちょ、ちょっとぉ!」

「わーるい! また今度なー……おいオメガ! いまどの辺に……――――」


行ってしまった。

パーティーがサプライズなのは、実はこれが理由だったりする。


今もすまほを見ながら走って行ってしまったように。

少し前からすまほしかしておらず、逃げるのだ。


ずーーーーーーーーーーっと、登校中に声をかけると集中してるのか凄く驚かれて逃げられるし、寮で話しかけても返事ないし。

さっき寝不足とか言ってたけど……もしかして寝ないでやっているのだろうか。


ちょっとよくわからない。

彼は一体何をしているんだろう。


「……ハルちゃん。今はユウユウのことよりプレゼント選ぼう」

「うーん。そうだね」

「……あそこの雑貨屋なんてどう?」


あ、いいかも。


「おしゃれなお店〜」

「……このウサギのコーヒーカップ、可愛い」


魔道具も売ってるんだ。

このフライパン高いなぁ〜〜……


あれ?


「ねぇねぇ、ベルちゃん。これって……」


◇◆◇


あっぶねぇぇぇぇえええええ!


ついつい見かけちまって、自分から突っ込んじまった。


ばしゅんと音を立てながら『龍化』が解除され速度がガクッと落ちる。

あ、反動の眠気が……やべぇ……龍化したから超反動(テイクバック)で身体中痛えし。


せっかくここまで頑張ってきたんだ。最後までやり遂げられなかったら泣くぞ俺。


《おーうユウマー。そろそろスタミナ切れるぞー……俺様ちゃんがんがんダンジョン回しとくぜ〜》

「あいよ。よろしく」

『主よ。あと少しじゃ。ほれ走らぬか』

「ほいほーい!」


えぇーっと。ボックス整理は終わってるよな?

オメガがダンジョン回ってくれてるし。ポイントにもついた。

よし、俺は取り敢えず。


スマホを取り出し。『ガチャ』の画面を開く。

そこにはいつものガチャと、もう一つ。


【 期間限定 】『 X’masガチャ 』



一定期間だけ出現する『 X’masダンジョン 』でのみドロップする『 X’masメダル 』を使って回せる限定ガチャ。


新しく赤色で表示されたその画面を迷わずタップ。

宝箱がクリスマスプレゼントの箱に変わって次々に排出されるアイテムを凝視する。


「……………………」


…………はぁ……マジか……

いやいや! へこたれないでもう一丁!


「……………………」


…………くわぁ〜〜…………

クッソ! ワンモアッ!


「……………………」


………………あぁぁぁあはぁぁぁあ……

うぉぉぉぉお…………うぉぉぉおおおお……


『……何やっとるんじゃ」

《おーいユウマー。帰って来たぞ! 一旦画面写してメダル補充されたこと確認しておくれ〜〜そしたらスタミナ回復よろ》

「ぉぉお……お? あいよ」


ダンジョンをタップすると 《 警告:スタミナが足りません。スタミナを補充しますか? はい/いいえ 》の表示が出るので速攻『はい』をタップ。

本来なら貯めてある魔力を消費するスタミナ回復が、俺の周りの微細な魔力を吸収して回復した。

前にも話したかもしれないが。この国に残っている魔力のカスのようなものを吸収すると、スタミナの回復が図れるのだ。


《はいよー。んじゃイッテキマース》

『主よ。この近くで魔力残滓が多く残りやすい場所へ、ここから0.5キロの所じゃ。道は、ここから右へ行き……」

「あいよ右ね! んで、それから!」


よっしゃ行こうかぁっ!?


《あー! ユウマちょいタイムタイムゥ!! ボスモンポップ! ボスモンキタコレ! 俺様ちゃん負けちゃうッ! ヘルプミー!》

「ぬわぁあにぃぃぃい!! 【 夢を背負う聖夜の贈り神 】『サンタX』がポップしたってぇ!!」


勝ったらメダル30枚以上確定。勝利タイムボーナスで最速で50枚プラス。ダメージ判定時に高確率でメダルドロップ。勝利ボーナス【 贈り神の袋 】の中で時たまメダル500枚の、超ボーナスボスだよヒャッホーイ!


これでもしかしたら、集まるかも。


◇◆◇


「いよいよ今夜だね! ベルちゃん!」

「……準備大変だった」


主に会議が。


「ユウマは相変わらずいないけどね……。部屋には忍び込めるからいいんだけど」


それにしてもユウマの部屋って、何というか物が少ないよね。

散らかってるイメージがあるけど、なんかちゃんとキレイだし。

すまほの中にしまってあるのかな。


「ベルちゃんは何処に予約したの?」

「……学院の教員の一人の家族が経営してるお店。凄く人気なんだけど予約できた」


確か、6時に来るって話だった筈なんだけど……


現在時刻は6時半。

これぐらいはしょうがないのだろうか。


「……いや、人気の秘密は時間厳守っていう店だから。ちょっと、話聞きに行こう」

「う、うん」


ベルちゃんの表情が少し暗い。

不安でしょうがないって顔だ。

それもわかる。ベルちゃん、私以上に楽しみにしてたもん。

今まで友達とかいなかったからこうゆうの慣れてないって言ってたし。

初めて友達と楽しめるクリスマスパーティーなんだ。


どうか、神様。何事もありませんように……




「え? あー……ベル、さんですよね。ご予約は『明日』の6時になっておりますが……はい」


現実は非情だった。


「そ、そんな。どうにかならないんですか!」

「申し訳ございません。ご予約がない方でも、当店にいらしてくださった方には極力ご提供させていただいているのですが……なにぶん、食材が足りないものでして……」


もう予約している人たちの分で全部らしい。


私たちはそのままなにも言わずにお店を出た。


外は雪が降っていた。


いつもならそれではしゃいでいただろうと思う。でも今は、そんな気分じゃなかった。


モコモコに着重ねた防寒具が意味をなさないかのように、身体中が痺れるような寒さに襲われる。


「…………ごめ、ん……ハルちゃん……私が……間違えた……せいで」

「い、いや。そんなベルちゃんのせいじゃ」

「……私のせい。時間短縮とか言って、学院の通信プレートを使ったからこんなことになった。……こうゆうことを見越して、ちゃんとお店に行って、ちゃんと話してするべきだった……」


ベルちゃんの声は震えてた。

それが寒さだけじゃないことはすぐにわかる。

声は震えているだけじゃなく、冷たく濡れていたから。


「そんなこと言ったら、全部ベルちゃんに押し付けてた私のせいで!」

「……ハルちゃんが私以上に、色々、頑張ってたの……知ってる……」


だからハルちゃんは悪くない……とベルちゃんは言う。

もうなにを言えばいいのか、わからなくなっちゃった。

雪が顔に落ちて……体が際限なく、どんどんどんどん冷えていくのが実感できる。

どんどんどんどん…………暗くなって…………



「…………頑張ったのに…………な……っ…………」



……………………――――――ハッ……ハッ……



「そんなの………ないよっ……」



……………………――――――フゥ……よいしょっと。



遠くから僅かに聞こえていた音が

少しずつ、私たちに近づいてきて

荒い息を吐きながら、止まった。



「…………ゆう、ま?」

「よ、よう。こんなところにいたのか。探したぞ? でもなんでこんなところに……ってぇ!! え! な、泣いてる! おお、おい! 待て! なんかあったのか! 大丈夫か!」


いつもの変なテンションで、冷たい心をあっためてくれる。

そんなユウマが、私たちの前に立っていた。


◇◆◇


『今ならバラしても良いかの』

(あ、し、ししょー。ヘルプー! なにがいけなかったんですかねー?)

『泣き言を言うでないわ。心配せんでも主のせいではない。ハルカにリンクを繋いでおいて知ったんじゃが、どうやら二人、主に内緒でサプライズパーティーを計画しておったらしいのじゃ』


え? うっそ!


『それになんかトラブルがあったらしいな。それで落ち込んどるというわけじゃ』

(そーだったんか……泣くほど楽しみにしてたのか……クリスマス)

『じゃか大丈夫じゃろう。なんせ主も、のう?」


ああ、その通りだ。

泣くほど楽しみだったんだろう? あんなに落ち込むほど楽しみだったんだろう?


「泣くなよ二人とも。さぁ、こんなところじゃ冷える。ささやかだが用意させてもらった会場へ、ご案内いたしますよ。お嬢様方」


涙目でこちらを見る二人の前で指パッチンを一つ。

すると


「うわわわ」

「……転移?」

「今夜限りの俺の魔法だ。『ジャンプ』!」


泣かなくていい。

ちゃんと俺が、お前らに最高のクリスマスパーティーを提供するサンタになってやる。


俺たちの周りを黄金の幕が包み込み。

その部分が丸ごと空間から断絶され、指定ワードにより転移を開始する。


○●○


『聖夜王ノ転送領域』


レア度:♢♢♢♢♢♢♢♦︎♦︎♦︎


道具

効果:聖夜王が誰にもバレることなく家に侵入するための移動手段として使われる能力。

半径5メートル以内に存在する指定した者を、マーキングしてある場所へと転送することができる。マーキング方法は、『サンタにお願いメッセージ』。

制限:特別な聖夜でのみ使用可能。


○●○


『トリック・プレゼント』


レア度:♢♢♢♢♢♢♢♢♦︎♦︎


能力

効果:『サンタブクロ』に設定してあるアイテムを『キーワード』を行うことで、いつどこで如何なる時でも出現・または発動することができる。

制限:特別な聖夜でのみ使用可能。


○●○


使用したのはこの二つのアイテム。

どちらも『 X’masガチャ 』でのみ排出される限定アイテムだ。


しかも使用できるのはクリスマスの夜のみ。

なら盛大に使わないと損ってもんだ。


転移した先は、寮の俺の部屋。

なんかパーティー会場になってるんですけど?

用意したとか言ってたけど、用意するのはこれからのつもりだったんだけど。


「も、もー! 急に転移なんかしたら、サプライズが台無しじゃなーい」

「……空気、読む」


二人とも悪態をつきながらだが、笑ってくれた。

それが嬉しくて。頑張ってよかったと心から思う。

勿論本番はここからだぜ。


「ワード入力『聖夜の家』」


スマホから虹色のオーロラが部屋に広がっていき、オーロラに触れた場所から次々に姿を変えて行く。

そしてオーロラが収まった時には狭かった俺の部屋から一転、それなりに大きなテーブルに大きなキッチン。ソファーにテレビ。そしてパーティー用にハルたちがしてくれたであろう飾り付けされた、立派な家のLDKだ。


「……凄い」

「驚くのはまだ早いかな」


再び指パッチン。

フォフォフォフォフォンッと大小様々なプレゼントボックスがテーブルの上に出現し、それらが一斉にリボンが解かれ中が明らかになる。


「色々と、テーブルの上におけるだけ出したけど、まだまだ全然あるからな」


ホカホカと湯気を立てるチキン数種類。シチューにピザ、パイやオレンジジュース、一切れずつ分けられたケーキ、ホールケーキ。

どれも高価そうな物ばかりで俺自身驚く。


○●○


『聖夜の家』


レア度:♢♢♢♢♢♢♦︎♦︎♦︎♦︎


家

効果:聖夜を過ごすのにぴったりな空間を作り出す。

制限:特別な聖夜のみ使用可能。


○●○


『プレゼントボックス』


レア度♢♢♢♢♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


道具

効果:アイテムを一つ収納することができる。収納されたアイテムは、プレゼントボックスが外に出ても解放されるまで劣化しない。使用後には自動的に消滅する。

制限:聖夜でのみ使用可能。

聖夜が過ぎた場合中に収納していたアイテムは自動的に解放される。


○●○


「ユウマ。これを用意するためにずっとすまほしてたの?」

「大っ正っ解! ホイこれ」

「……なにコレ?」

「クリスマスプレゼントと言う名の、パーティーグッズ(笑)」


ハルには女の子用の小さいサンタコート。ベルにはトナカイの角と金色のベルがついたカチューシャを渡す。


「メリークリスマス。ハル、ベル。お前らも考えていたように、俺もサプライズパーティーを考えてたんだ。どだ? びっくりした? その……なんつうか、こう言う日に泣くのってなんか似合わねえよ。だからさ。笑ってくれ。二人とも。そのために、今日まで俺、頑張ってきたんだからさ」


二人の前に手を伸ばし。

小さく三度指パッチン。

ぽむんっと可愛らしく飛び出してきた二つのプレゼントボックスを落とさないように確保する。


「んでコレが。本当のクリスマスプレゼント」


リボンが解かれ白い箱が消滅すると、俺の手には二つの黒い箱が残った。

ゆっくりと箱の蓋が自動的に開く。


「桜色の宝石『聖夜神之心』がついた指輪をハル。紫色の宝石『聖夜神之涙』がついた指輪をベルに。受け取ってくれ」


○●○


『聖夜神之心』


レア度:♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢++


???

効果:聖夜神の心からの思いが込められた宝石。

使用者の魔力消費を二分の一に減少させる力を持つ。

使用者が致命的なダメージを受けた場合のみ、この指輪が肩代わりする。(指輪はどんなダメージをくらい、粉々になろうとも『完全修復』スキルにより数日経てば元に戻る)

制限:使用者登録を行った者のみ使用可能。

使用者登録を行った者のみ聖夜以外にも使用可能。


○●○


『聖夜神之涙』


レア度:♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢++


???

効果:聖夜神の涙の祈りが込められた宝石。

使用者に『不屈』『涙之願望』スキルを与える。

使用者が致命的なダメージを受けた場合のみ、この指輪が肩代わりする。(指輪はどんなダメージをくらい、粉々になろうとも『完全修復』スキルにより数日経てば元に戻る)。

制限:使用者登録を行った者のみ使用可能。

使用者登録を行った者のみ聖夜以外にも使用可能。


○●○


どちらも、『 X’masガチャ 』で排出される物の中で最高レア度のもの。

その最高レア度のものを、二人にあった色の物を狙ってガチャを引き続けた。


当てるまで。おかげでこの数日間寝られなかったぜ。


「えっと……ユウマ」

「……なんて言えばいいのか……わからないんだけど……その」


言葉を選んでいるのか。迷うように首を傾げ。

難しいことは考えず、ただ思ったことを口にする。とまとまったようで。


「「(……)喜んで!」」


そう言ったのだった。

クリスマスプレゼントを受け取る時にその返事は如何なものかと思わざるを得ないが、まぁこんないい笑顔をして返事をしてくれたんだ。今は何も言わないとしよう。


「あ! そうだ私たちも!」

「……あ。すっかり忘れてた」


指輪をはめながら声を張り上げたハルがカバンの中から箱を取り出した。


「はいコレ」

「……私たちからの」

「「(……)クリスマスプレゼント!」」


うぉぉぉぉおおおお! その笑顔眩しいっスお二人さん!!

心が浄化されそうっス!


「あ、あぁ。マジか。こんなに嬉しかったプレゼント未だかつてないぞ……超嬉しいです。ありがとう」

「そ、そこまで感謝される程の物じゃないよ?」

「……開けてみて」


中身は〜な〜っにっかな〜。


「板?」


箱の中に入っていたのは、円形の黒い板のような物だった。


「ただの板じゃないよ? それ、エンブレムプレートって言うんだ」

「エンブレムプレート?」

「……私達のパーティーエンブレムを設定してある。それに少量の魔力を流すと起動する」


いいタイミングでハルが魔力をスマホに流してくれるので、それを早速使ってみる。


「お、ほんとだ。俺たちのエンブレムが浮き上がってきた」

「それを発動してる状態でこんな風に物を触ると」


机のハルが触れた場所にエンブレムが刻まれた。


「エンブレムがついて、私達のパーティー以外は動かしたりとかできなくなるの」

「……エンブレムをつけられるのはあくまで自分のものだけだから。人のものとかにつけないよう気をつけてね」


するわけないだろそんなこと。


「でもこれ便利だな。ありがと。てゆうかハルも持ってんの?」

「えっへへ〜。ベルちゃんも。3個セットで買ったんだ〜。おそろ〜い」

「……ん」


ハルは青色、ベルは紫色のエンブレムプレートを持っていた。

貼り付けられるそうで、ハルはカバンにひっつけており。

ベルは魔法で袖の中にしまっているらしい。


「んじゃ俺は、胸当てみたく、心臓のあたりにでもつけとこ」


あ、そうだ。


「ハル。ベル。どうせだから俺が渡した指輪に、エンブレム刻んどいたらどうだ?」

「あ、それいいかも」

「……名案」


二人が魔力を流すと、指輪の宝石の奥にエンブレムが浮かび上がり、なんか、すごく綺麗になった。


「わはぁ……」

「……綺麗」

「これでますます指輪の専用度合いが増したな。エンブレムつけなくても誰も使えないわけだけど。さて、んじゃあそろそろ飯でも食うかね」

「あ! すかっり忘れてた! 早く食べないと冷めちゃう!」

「あぁ心配ねぇよ。『聖夜の家』の中だと聖夜限定アイテムは劣化しないから」


いや〜……友達とクリスマスパーティーとか初めてでドキドキすんなー。

今年一年色々あったよなぁ……受験から始まって、学園祭。その後も……


「ユウマー! ありがと〜〜!」

「グエッ! 首! 首締まってるから! あと離れろ!」

「……狼ちゃんは呼ばなくてよかったの」

「いや、なんかあいつ用事があるみたいで。それ以外は人と接してないから誘ってない。姫とかに誘われてたような気もしたけど、ゲームに夢中だったし」


それにしてもエースの奴。クリスマスに用事とか、彼女か?

よし。また今度聞き出そう。自白剤あったかな。


「わー、このお肉柔かーい」

「……もむもむ……甘い」

「あー! こら! それは俺が狙ってた奴だぞ!」

「いいじゃんいっぱいあるんでしょ?」

「あるけど! ランダム出現モードになってるから、次に何が出てくるかわかんないんだよ! つまりある時に食べる!」

「わー! 私それ食べたかったのにー!」

「……ユウユウ! このチョコケーキおかわりない?」


ぎゃー、ぎゃー…………――――――


今だけ、世界から切り離された空間の中で三人っきりの彼ら彼女らは。

誰に文句を言われるでもなく、好きに騒ぎ喚き、


そして笑いあい。


聖なる夜は更けて行くのだった……



皆さん、メリークリスマス。

終匠 竜からささやかなクリスマスプレゼント。

X'masSS を上げました。


今の学園祭の流れとは一切一致しません。

だいぶ未来の話です。


そんなわけでX'masSS如何でしたでしょうか。


今後おいついてから、この話がついてくるのか

それともここだけの話で終わるのか。

今のところ終匠 竜ですらわかりません。


クリスマスとは言え、ユウマかっこよく描きすぎましたねはい。

はー、俺も彼女欲しいなー……クリスマスも男友達とアニ○イトとかww


皆さんはクリスマスどうですか?

一年に一度の特別な日。皆さんにとって特別な何かがあらんことを。

良いクリスマスをお過ごしください。


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