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疲労と羞恥と学院と!!

ハルの髪色、真っ白でもよかったんですけどちょっと味気ないな〜と思ったので、赤みがかった白に変えました。

ほら、ほぼ白がベースみたいな?

まあ、真っ白も好きなんですがね。


「なぁ、ハルカ、だっけ?」

「んー? 何? 」

「バックれない?」

「ダメ!?」


デスヨネー。

ちっ!

クラスの真面目ちゃんかよ!

真面目ちゃんならメガネをかけろメガネをっ!?


「もうすぐ着くはずだから! ほら走って走って!」

「あのさあ。今俺が疲れてる理由、お前わかってるよなぁ!?」

「ほらレッツゴー! レッツゴー!」

「こちとらお前をおぶってるから、2倍疲れてんだぞ!?」

「だって疲れちゃったんだもん」


はっ倒すぞ!!!

どんだけ甘やかされてきたんだお前は。

もうこのまま地面に叩き落とすか?

泣かれたら面倒だ。


はぁ……。

途中からおぶってくれと言われておぶった俺も悪いとは思うけどさ。

そもそも会って数時間の男におぶってくれと催促するか? 普通。

おかしいでしょ!?


じゃあ何でまだおぶってるのかって?

それは男性ならば言わずもがなでしょう。

所詮はナイスなパラメーターに屈服する哀れな種族ですよ。


まぁそんな訳で俺的には損ばかりでもない。

ご馳走様です!!


「あ! あれじゃない? 良かったぁ。無事につけた」

「そうだな! 俺がいなかったら今頃お前路頭に迷ってるもんな!?」

「もう、何でそればっかり言うの!」


はぁ、実に馬鹿らしい。

魔法学院周辺の学院へ続く道に、魔法がかかっていたのだ。

地図の通りに進んでも、また元の場所に戻っちまう、みたいな?

しかも、その学院に入学しようとしている人間のみを対象に魔法が発動するようになっていた。


頭の悪い奴はまず学院にたどり着けないってか? 心底いやらしい仕掛けだよ。全く。


その魔法に気付いた奴は、その魔法の効力を受けなくなる。

という設定もされていたようで、何とか俺たちも学院につくことができたが。

本当に馬鹿らしい!

迷ってさえいれば学校に着く事もなかったというのにっ!?


でもまぁ、かなり歩いたことに変わりはなく、途中でハルカが「疲れたあ〜」と駄々をこねたのも取り敢えずは納得はできる。それが普通かどうかはさておき……





『ラギア魔法学院。2名の入学を許可します。お名前と未生徒ナンバーを』


おお。校門の前に立つとこういった感じに声が脳に送り込まれるわけだ。

流石魔法の学校。

良かったな。誰かが立ってたりしたら赤っ恥もんだぞ?


「『荒杭(あらくい) 勇魔(ゆうま)』。えー……No.09872」

「あ、えっと。『小寺 春花(こでらはるか)』!No.は10753です!!」

『No.09872『荒杭 勇魔』。No.10753『小寺春花』。確認が完了しました。これからはそのナンバーが貴方の生徒ナンバーです。また使う機会があるかもしれないので覚えておいてください。ようこそ!ラギア魔法学院へ!』



ギギギィイイ……



重ったるしく鈍い音を立てて自動で開いていく門!


渋い!


『これから脳内にここのマップを流します。赤いマークで指定された場所へ行ってください』


お! なるほどなるほど。ここに行けと。

え〜とここはぁ


「ユウマ君ありがと。その、もう下ろしてくれてもいいんだよ?」


ん?

何だ、急に恥ずかしくなってきたってか?

そう簡単にこの俺が羞恥から解放してやるわけがなかろう?

長々とおぶらされた恨み?もある訳ですしねー。


「いや、もうここまで来たら乗り掛かった船。最後までおぶって行かなきゃ、紳士の名が泣くってもんだ!」


キメ顔でそんな風にほざいてみる。


「ごめんなさい! 泣くことになるのは私なのです!! ここまでおぶらせたのは悪かったから! 謝るから!?」

「ん?なにを謝る必要がある? 俺は何も、怒ってなんかないですよ?」

「謝るからぁぁぁぁ! お願いしますぅう! もう許してぇええ!!」


ふふん!暴れても無駄だ。

がっちりホールドしてるからな。


「お許しくださいぃぃ、ユウマ様ぁぁぁぁ」



…………ん!?


何これ!?

急にスッゲー罪悪感!?

ザ・犯罪臭!?

急に俺がいけないことしてるみたいな雰囲気に!?

うーん……。

よし! 反省してるようだしそろそろ下ろしてやるか。

別に今ので怖くなったとかじゃないぞ!!

断じて違うんだからな!!!


「よっと」

「……む!」


おいおい、降ろした途端に睨むなよ

涙目だから迫力ねぇって。


「むむむむぅ……ユウマのエッチ! 変態!!」


うむ。

やはりこういう言葉はぶつけられるだろうな。

悪いとは思ってないが、甘んじて受けよう。


ってかポカポカ殴んな!! イラッとくるわ!!!


「ほれ。んな馬鹿なやり取りは御免だ。さっさと行くぞ」

「あ……! ちょっと! まだ話は終わってな………ちょっ……! 待ってよユウマぁぁ!」


後ろからすててっと俺についてくるハルカ。


いつの間にか『ユウマ君』から『ユウマ』と呼び方がグレードアップしているのだが。

まぁ、気づかないふりをしておこう


「あたっ!?」


あ、転んだ。


あ、動かなくなった。いや、微かにプルプル震えてんな。


この間俺に待てと?


それとも、手を差し出せと?


おそらくいま彼女の顔が、怒りと羞恥で真っ赤に染まっているだろうことが予測できるが故に、何をするのが正解なのかさっぱりわからん。

彼女いない歴=年齢の事実が悔やまれるぜ!


くそっ!取り敢えず怒ってるみたいだし、謝っとくか?



「……………はぁ」


その後、微かに震えながらこちらを睨む少女を宥めるのに、たっぷりと15分を必要とするのだった、


何故俺が、こんなことを?


この少年の、そんなこともわからんのか?と突っ込みたくなるような疑問に、答える声は勿論無い。


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