魔法学院ではトラブルが日常のようです!!
「おい〜す。おはようー」
「うん、おはよ。ユウマ眠そうだね」
そりゃ眠いさ。
「昨日のドラゴンズとの特訓のせいで疲れがやべえっての。身体中が筋肉痛だよったく。おーいてて」
肩を掴んでぐるぐると回すとごきんごきんと音が鳴る。
腰を手をあて後ろに上体を反らすとぼきぼきと音が鳴る。
いてててて。
「で。今日ユウマを呼んだのは他でもありません」
「おお。急に佇まいを正してどうした」
若干たじろぐ俺を無視してハルは続けた。
「パーティーを結成しよう」
「めんどい」
「……」
「……」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!!」
あーなんか久しぶりだこの会話。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「やー、学院の中をこうやって探検するのは初めてだねぇ」
「探検じゃねぇだろ」
多分角を二個右に曲がってまっすぐ廊下を歩いてくとその横に登録する部屋があるはずだ。
「のりが悪いよユウマ」
「今日はゆっくりする予定だったんだって。何でパーティーの編成所に行かなきゃならん」
「登録しないと正式にパーティーに設定されないの。それに別にいいじゃん。学院の中のこと知っとくのもいつかはしなきゃいけないんだからさ」
「つまり、これは学院の探検デートってことか?」
「で、ででで、でデートなんかじゃないよ!」
そこまで言わんでも……
冗談なのに……
「へいへいそうかい。お、この辺りっと、あったあった。えー……なになに」
もうやってるっぽいな。
なら入ってもいいか。
取り敢えずノック
「失礼しまーす」
「ようこそいらっしゃい! 歓迎するよっ!?」
扉を開けると、ゴーグルを頭につけて白衣を着た ちみっこが声を張り上げた。
「えー、お嬢ちゃん? 受付の人とか何処にいるか、わかる?」
「うわー! バカにしてるー! 私がここ、パーティー編成・結成所の管理人、ククリ・エルベフよ! バカにしないで!」
ククリ・エルベフ? カタカナってことは。
「君、獣族? 魔族じゃ、ないよな?」
「勿論獣族だよ? ほら、しっぽ。耳は邪魔になるからゴーグルで抑えてるの」
ぉぉお……
獣族は初めて見た。
なんか、こう、感激だな。
何がって?
ずらされたゴーグルから覗く犬耳とか、いかにももふもふそうな犬尻尾とか!
「触ってもいいよ」
「いただきます」
遠慮なく尻尾に触れる。
毛並みがサラサラで素晴らしい。
わすわすと撫でてると尻尾が嬉しそうに揺れる。
あぁ……やばいこれ。
超クセになる。
ついでに頭を撫でる。
犬耳ももふもふ。
もふもふもふもふもふもふもふもふ。
「ロリコン……」
「ろろろろろロリコンじゃないからぁ! 違いますからぁ! これはペットを愛でる的なアレですからぁ!」
ハルのセリフでハッと我に帰る。
どうやら無意識に、また一心不乱に頭や尻尾や喉や耳を撫でまくっていたようで
ゴーグル少女改めケモミミ少女は、頰を上気させて目を細めていた。
そしてクワッと目が開く。
「うぉわ」
「ああいけない。あまりの撫でスキルの高さに仕事も忘れてすっかり堪能してしまいました」
パンパンと頰を叩いて気を取り直している姿が微笑ましい。
てゆーかここの責任者なのか。
小さいけど年齢は結構いってるのかな。
獣族って寿命がそれぞれ不確定とかで、姿は一定からあまり変わらないまま年を取っていくっていうし。
因みに名前がカタカナなのが特徴だ。
俺ら人族が漢字。
ハーフや亜人はそれぞれ父となった種族に伴って名前が付けられている。
父が人族ならその子供は漢字で。
逆に獣族ならその子供はカタカナで、そんな感じ。
エルフとかはひらがなで、しかも変な名前が多いらしい。
図書館の本で勉強したことである。
(そういや師匠はどうやって名前を?)
『我の場合亜人に入るかのう。父や母といった関係はないが、龍族のしきたりとして王となった者にのみ名前が授けられるのじゃ』
ブリューゲルなんてカッコイイ名前を名付ける人か。
強そうな人だなぁ
(へー、その名前を授けてくれる人は?)
『龍族の中で、龍王から進化した龍神様だ。名前は『戦闘龍神・ブレイクスティンガー』』
(戦闘龍神……それって)
『うむ。我らが闘龍の初代龍王様でもある。今では龍神じゃがな』
(じゃあ他の炎龍とかはそれぞれの龍神様が名付けてくれるわけだ)
『そうじゃな。龍神に到達した者は寿命を喪失するため滅多なことでは死なぬしな。
今現在龍族の種族になっているものは皆その種族の龍神がおる。
昔はもっといたそうなのじゃが』
(へー……)
嫌なこと思い出させちまったかな。
「おーい! どしたー! 大丈夫ー!」
「うわぉお! ぉおお。ダイジョブダイジョブ」
おっと師匠と話しすぎて現実忘れてた。
「随分早い時間と共に変な時期に来たようだけど、君たちパーティー結成登録?」
「おう……はい。そういうこと……っす。ていうか! 今何歳よククリ……さん」
「私の歳? な・い・しょ♡」
「じゃタメでいいや」
このまま聞いていくと「いくつに見える?」とかいう面倒くさいことを言い出しそうだ。
「むむぅ、まぁいいや。そういう子達も多いし。もう諦めたわ」
「じゃあ登録お願いな。まだ俺とハルの二人しかいないけど」
「あいあい。んじゃ登録用紙とペンと決定印取ってくるからちょっと待って『き、君ははるかちゃんじゃないか!』て……」
あ?
「え?」
気がつくと一人の男がハルの手を握って叫んでいた。
また、その後ろから来た女性二人が絶叫をあげるなど、そんなことをしている。
「久しぶりじゃないかはるかちゃん。何年ぶりだい? そうだな。前あったのが丁度君の家に行った時だから、1年ぶりってところかな? なんだそんなに久しぶりなんかじゃないじゃないか。そんなことよりどうだい? はるかちゃん。今すぐ僕の行きつけのバーでも貸し切って、一緒に語りあわないかい? そして、ゆくゆくは二人で……」
あのー、話についてけないんすけど。
なに?
この勝手にぺちゃくちゃとまくしたててるやつ。
ハルの隣にいる俺が完全に目に入ってねぇ。
あと二人でなんだって?
どうでもいいがこいつの態度イラっとくんな。
無視すんなっての。
「どうしたんだいはるかちゃん? なんでなにも言ってくれないんだい? そうか、あまりの感動に声を失っているんだね? わかっているよ。僕も同じさ。でも感激が失う言葉をなくしてるんだ。さぁ、一緒に語らおう、はるかちゃん」
「あの……」
「うんうん。なんだい?」
おーい。おいてくなー。
ククリちゃんがすごい微妙な顔してるから。
「誰ですか?」
「……」
男がぴしりと固まり、その隙に掴まれた手を振り払い俺の後ろに隠れる。
…………ぷ
ぷぷっ……やべぇ、これはダメだ……
滑稽すぎる
つまりなんだ、これって。
「ぶははははははっ!! 忘れられてるよこいつ! ざまぁ!!!」
おっといかん。本音が。
口チャック口チャック。
「ふ、……ふふふふ……ど、どうしたんだいはるかちゃん。あははは、な、ななんなんだいそれは? あ、ああ、じょうだん、冗談なんだね? いやーいやいやいや、ちょっとそのジョークはセンスがないと僕は思うよ? ね? 真面目な話をしよう? ね?」
「ほ、本当に誰ですか貴方? ユウマ、早く行こう」
「お、おい。まだ登録が『誰だ貴様ぁ! いつの間に僕の、僕のはるかちゃんに触れてやがる! はるかちゃんに触れていいのは僕だけだぁ!」済んで……」
今気付いたみたいね。
さっき存在感出そうとできるだけ煽るように笑ったのに。
そんなにショックだったか?
「はるかちゃん。そんな男から離れるんだ。それは君が触れるべきものじゃない」
おい。
露骨にもの扱いか。
「ユウマのこと馬鹿にしないで! ほんと貴方誰なんですか? 私の名前知ってるみたいですけど、名乗ってください」
「そ、そんな。君は本当に僕のことを忘れてしまったのかい……僕は、僕はずっと、君のことが……」
なんか見てて可哀想になってきた。
さっきは笑ってごめんよ。
「僕だよ! ソウだよ。軽沢 蒼! 昔一緒に遊んだろ?」
「えーと」
頼む。思い出してやってくれ。
「あ! もしかしておっちょこちょいのソウちゃん?」
「そ、そうそう! そのおっちょこちょいっていうのが気になるけど、そうだよ。君に蒼ちゃんと呼ばれ慕われていた僕さ」
あーよかった。
名乗った時点で「ごめん、誰ですか?」とかハルが言ったら目も当てられないところだ。
「で、そこのいかにもダサい男はなんなんだい?」
イラッ
「ユウマのことダサいとか言わないで! 私のパーティーメンバーです!」
「はるかちゃんのパーティーメンバーだって? おいおい、そんなことが許されるとでも思ってるのか? はるかちゃんは僕のパーティーに入るべきだ。そう、そうするべきなんだ。今日この時に君に会ったのも運命なんだ。ね? はるかちゃんもそう思うだろ?」
思わねえよアホか
「本当なんなんですか。運命とかなんとか言って。わけわかんないよ。もうユウマ行こうよ」
「いや、行こうったってまだ登録が」
「そんな、わけわかんない?……そんな。はるかちゃん、僕は、僕の、はるかちゃん、なんだ。
おい貴様、ユウマとか言ったな」
もう嫌になってきたなこいつと話すの。
それと後ろで絶叫してる二人をいい加減どうにかしろ。
やかましい。
「貴様! はるかちゃんに何をしたぁあ!」
もうヤダこいつと話すのぉ!
「純粋なはるかちゃんの心を弄んで! 許せない! 僕の手で成敗してくれる! 見ててはるかちゃん。今すぐ君を解放してみせるから」
「なぁ、あんた……」
段々ムカついてきたぞ。
最初は可哀想な奴かと思ったが、こうまで好き放題言われて黙ってられるほど俺もお人好しじゃない。
「ぺちゃくちゃと煩わしい。まとめて話せ、まとめて。お前とハルの関係はなんだ。一言でまとめろ」
「恋人! 将来を約束しあった仲! いや、もう僕たちは家族だ!」
「えぇぇぇ!」
「成る程、わかった」
「やめてユウマ! わからないで! ただの幼馴染だから! 昔一緒に遊んでた子達の一人ってだけだから! 特に仲がよかったわけでもないから!」
成る程成る程。
見る限りでは、この蒼とかいう男
初恋拗らせて妄想膨らましまくった挙句現実と空想の区別がつかなくなったただのバカか。
「お前と話すことはもうない。もう行こうぜ。登録はまた今度でいいや」
「そ、そうだね。そうしよ」
即効この場を離脱したいのだが
勿論この空気を作り出した本人であるバカは、空気を読めるような奴ではなく
「おい待て貴様! 誰の許可得てはるかちゃんの隣を歩いてんだ!」
「本人ですけど」
待ったをかけてくる。
超うぜぇ
「ユウマ! 貴様に決闘を申し込む! 僕が勝ったらはるかちゃんを解放しろ!」
こういう話を聞かない奴大っ嫌いだ。
本当滅びないかなこういう人種。
「断る」
「問答無用! 『信力』の魔導書よ! 僕に力を! 『強化』!」
蒼の耳にぶら下がっていた小さなイヤリングをとると
イヤリングが蒼の手の中で巨大な十字架となる。
十字架の側面から刃がせり出し、シャカッと音を鳴らし柄が飛び出し、一本の剣ができる。
その両手剣をこちらに向けダダダッっと駆け始めた。
「わが聖なる力で滅されるがいい! 喰らえ! ホーリーアターック!」
突っ込んでくる男を前に、無言でブリューゲルを引き抜く。
「対剣士用初級決闘流剣術・『辻斬』!」
いざ、俺の体に両手剣の切っ先が当たるかというところで
最短の動きで、相手の剣を刀の峰で半月を描くように滑らせ、それに相手が気がつかないスピードでその反動を利用して体を回転させる。
キン
軽く鈍い音がなり、真っ二つになり折れた両手剣の部分が地面に落ちた。
蒼は尻餅をつき、俺は首元に刀を突きつけた状態でその場に静寂が走る。
「終わりだな」
「な、そんな、バカな。まだ、2年に上がってきたばっかの奴に、そんな」
「てゆーかお前。魔導士なのになんで剣使ってんの? ばかなの? 死ぬの?」
よくもまぁ魔導士の非力な腕力でこんな重たそうな両手剣を使う気になったもんだ。
『強化』とかいう魔法がカバーしてたみたいだけど、無駄であることこの上ないな。
「う、うるさい! 僕は、 僕ははるかちゃんを守る騎士になるんだ!」
「なに? 転職すんの? このご時世に? 難儀なこって」
まぁ俺が言えた義理じゃないが。
「お前は! お前は一体はるかちゃんのなんなんだ!」
「俺? えーと、俺は……」
俺は、ハルのなんだ?
友達? まぁそうだな。
親友? ちょっと違うな。
うーん
「俺はハルのパーティーメンバーだ」
ふむ。
パーフェクトアンサー。
おっとハルさん、なんで殴るの。
「く、許さんぞ! お前のような奴は はるかちゃんにはふさわしくないんだ! パーティーっいうのはな、対等な者同士がなるものなんだ!
お前なんぞがはるかちゃんと同列なわけあるか! どうせはるかちゃんの足を引っ張るだけだ! やめろやめろ。
ただのお荷物なんだよ。助けてもらってばっかりじゃそんなのパーティーじゃないんだぞ?」
うるせぇなぁ。
決闘に負けたんだからもう少し自重しろよ。
「ま、決闘は俺の勝ちだ。俺が勝ったんだからそうだな。また今度考えとくから、お前その間絶対服従な」
「な!」
「よし。心残りは無い。さっさと登録して帰ろうぜ……って……え?」
ハルに向き直ってぎょっとする。
ハルの頰をつーっと涙が伝っていたからだ。
「お、おい、ハル……」
「え? あ、 いや、何これ……いや、待って、違うのユウマ、その……」
ハルが涙を拭っても拭っても、次から次へと涙は溢れ止まることは無い。
「き、き、き、貴様ぁ! はるかちゃんを、な、泣かせたなぁ! 大丈夫かいはるかちゃん。僕がついて、あ!」
俺を突き飛ばしてハルに駆け寄ったソウが、今度は泣いてるハルに突き飛ばされ
ハルは何も言わずに走ってその場から消えていった。
俺はそれを、ただ呆然と眺めることしかできなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『主よ。どうするつもりなのじゃ?』
(どうするつもりも何も。会って話を聞くために、こうやって追いかけてるんだろう?)
『どこに行ったのかわかっておるのか?』
(まったく)
でも、ほっとくわけにもいかないだろ。
学校全体回ってみるか!
『……我の方からもハルカにサーチをかけてみよう』
(いやーこういう時まじ助かるっすわー)
『では我は少々精神世界に落ちるでな』
(あいよー。いざって時は師匠使うけど、龍化はしないから)
返事は無い
どうやらもう落ちてしまったらしい。
「さて、って、ここどこだ!」
さっきまで廊下を走っていて、そんで師匠と話してて……
そうだ、どっかの教室に入ったんだ。
なんで教室の中が超高層ビルの並び立つコンクリートジャングルなんだ?
「入り口どこかわかんなくなったし……」
さっき自分が使ったはずの入り口もどこかに行ってしまっている。
しゃあねぇ。ここから出ることから始めるか。
「にしても、だーれもいないなっと」
ん?
お。あれは。
人影だ!
「おーい! 聞こえますかー! ちょっと迷い込んじゃって、ちょいと出口を……」
こちらに振り向いたのは
こじんまりとした体に、腰まであるんじゃないかと思われる紫色の長髪。
そして紫がベースのゴシックロリータ風の制服。
その顔に貼り付けられた眠たそうに半開きにされた目が、その無表情さをよりいっそう強めている。
少女というか、完全見た目幼女である。
だが俺が驚いたのはそこではなく
「おい! あんた! 危ねぇぞ!」
幼女の頭上にビルのコンクリートやら鉄筋やらがわらわらと降ってきたからだ。
「えーと、こういう時はなんだっけ! えーっと!そだ! 『武器創造』発動!」
ばっと左手広げスキルを行使
師匠の教え
『主の能力は反復しだいで強化できる。考えなければならないという制限があるならば。事前から何百、何千と作るものを幾つか決めて何度も作る練習をすれば良い。体が覚えてしまえば、考えずに考えて創ることができるはずじゃ』
そう言われて、戦闘で使えそうなものを幾つかピックアップし、使用限界が来るまで練習し続けた。
俺のイメージ通りに、全長160センチくらいの先端がとんがったフォルム。
頭の部分にはつり上がった目とギザギザの口のデザインが施された
『ミサイル』がケツから火を吹かして荒ぶっていた。
「続けて『命名』発動! そうだな、お前の名前は、『当たって砕けろ』だ」
ステータスを確認する
○●○
武器名:当たって砕けろ
HP:―――/―――
ATK:300(+15)
DEF:3
AGI:490(+15)
INT:0
MP:0
○●○
「よっしゃぁ! 逝ってこぉーーーい」
どうやら名付けしてパワーとスピードに補正がかかったようで
バヒュゥゥゥゥゥ
と凄まじいスピードとその反動で吹っ飛びそうになる。
煙が尾を引きぐんぐん鉄筋+コンクリートに突っ込んでいき
ばかでかい音がした瞬間ブリューゲルを引き抜き疾駆する。
当たって砕けろでバラバラにされたがまだでかい鉄くずや、爆発から逃れた鉄に向かって跳躍し
『決闘流・体術×剣術・×魔術オリジナル上級混合闘術・『破滅昇龍』!」
刀からバチバチと放電し金色に輝く巨大な龍が出現し雄叫びをあげ、鉄くずへと突っ込み粉々に粉砕し飛び去っていく。
すぐに龍は消えてしまったが、食い残しはないようだ。
師匠がいろいろ見せてくれた奥義の一つ。
体術と剣術、両方の性質を合わせ持つ上級混合闘術『龍破』。
本来この技は、巨大な七匹のそれぞれの属性を持った龍が相手を粉微塵にするというもので
今の俺に使えるような代物ではないのだが。
それに魔術を追加して、俺の魔力でコーティングし、オリジナル化させたのだ。
まだ俺は一匹しか出せないうえ、その出せる一匹も師匠の出せる一匹の三分の一ぐらいの大きさだ。
悲しきことである。
ついでに名前は俺オリジナルである。
「ふぅ、ま、それはいいや。君、大丈夫だった?」
幼女は変わらぬ無表情で俺を見上げ
ゆっくりと右腕を上げ俺に向けた。
袖がものすごく大きく、手は全く見えずダボーンと直径30センチくらいのゴシックロリータのような袖の中は、
真っ黒で何も見えなかった。
「…………私に仕えし精霊よ・私の命に従い・かの者を拘束せよ『束縛』」
ポツリと幼女は呟くと
ジャラララララと真っ黒の袖口から何十本もの鎖がとてつもないスピードで放出され
俺の体をぐるぐる巻きに何重にも縛り上げ、如何にもゴツそうな錠がかけられた。
「な、なんだぁ!」
わけがわからず地面に転がる俺を、幼女は無表情のまま見下ろしていた。
刀から飛び出す雷の龍。
ドラゴンのようなフォルムではなく、東洋の龍のような蛇みたいなフォルムがイメージですね。




