12-1 守護精さんいらっしゃーい! (前編)
本日は早めの投稿でございます。もしかすると、明日は投稿出来ないかも知れないです。よりにもよって、前後編だというのに。
ディアside
お待ちかね、です! 実習のお時間になりました!!お昼ご飯美味しかったなーとか、プリンもらえてよかったなーとかは言ってられないのです!
しかも、二日目にして初の移動授業。初の守護精さんとのお目見え。初、初、初! 今日も新しい事がいっぱいです。
教室の皆さんと一緒に、教室の席通りに整列して先生を待ってます。
「おー、皆揃っとるのお」
なんと、実習授業の先生は、とっても優しいおじいちゃん先生! なんだか、ちょっと安心。
「それでは各々、必要なスペースを空けて守護精達を呼び出すように。皆もう出来るのう?」
先生がそう言うと、スペースを空けたり空けなかったりした後で、おいで、とか来い、とかそれぞれの言い方で守護精さん達を呼んでいた。ちなみに、カー兄は、ガーさーん、とか言ってるけど、それは名前かな?
『何だ主』
ぴゃっ!? カー兄の間延びした呼びかけの直後、前触れもなく、瞬きの後にいつの間にかその人? がいた。図鑑で見た事ある形をしてる。えっと、そう。ライオンさんだ。私と目線が同じくらいで、凄く大きい。色は、図鑑と全然違って、なんだか石みたい。
カー兄の守護精さんにびっくりしてる間に、他の守護精さん達も揃ったらしい。おじいちゃん先生に呼ばれて、お兄ちゃんと一緒に先生の所へ行った。
「ディアちゃんは今日が初めてだからの。生徒達には挨拶しておると思うが、改めて先輩守護精達に挨拶してくれるかの。」
ほっほっていいながらしわしわの手で優しく頭を撫でてくれる。お兄ちゃんの手とはちょっと違うけど、温かくてほっとする。
隣にお兄ちゃんが居てくれるし、大丈夫。もう、初めじゃないし、やれるよ。
「は、初めまして! アルヴィンお兄ちゃんの守護精のディアです。昨日出てきたばかりで分からないことがいっぱいありますが、よかったら仲良くしてください、お願いします」
やっぱり、今回も最初に声が裏返ってしまって、ちょっとしょんぼりした。よく言えたなって頭を撫でてくれるお兄ちゃんの手が無かったら、ちょっと立ち直れなかったかもしれない。
どうやってるのかわからないけど、教室の皆だけじゃなくて、守護精さん達もぱちぱち拍手してくれたり、よろしくなーって言ってくれたりしてる。
ふぁあああ!
こうやってみると、いっろんな守護精さんがいるんだなあって実感する。カー兄のガーさん? みたいに動物さんみたいな姿をしているのから、形がよく分からない守護精さん、それから私みたいに人間の形をしてる守護精さん。絵本に出てくるみたいな小さな妖精さんみたいな守護精さんもいた。
「よく出来たのう。元の場所に戻っていいぞい」
ぼーって守護精さん達に見蕩れてると、お兄ちゃんが肩をぽんぽんって叩く。心の叫び声と一緒に開いたお口がそのまま開きっぱなしなのに気付いて慌てて閉じた。それから、お兄ちゃんの言う通り、元の場所に戻る。
「では各々守護精達の魔法を直に目で見て学ぶぞ。以前調べたから魔法の適正は大まかに分かっておるな。
攻撃系魔法を行使する者は小さなドーム状の結界1つにつき1組だけ入るように。魔法を1度行使したら次の組と交代じゃぞ。
防御系魔法を持つものは、3人の先生が待機しておる。誰でも良いので先生の前で並ぶように。
サーチのような対物対人の魔法を持つ場合はターゲットとなるアイテムを貸し出すのでこの後わしの所へ来るように。
それぞれ他の者に迷惑をかけないよう周囲に注意を払った上で行う事が大前提じゃ。
今日の授業は遊びではない。自分なりに魔法の性質や範囲、効果的な利用方法、注意点をまとめて後日レポートとして提出してもらう為、しっかり目に焼き付けるように。なお、次回以降に制限回数を調べる授業を組んでいるので、それに関してはまだ考えなくて良い。ではわしが呼ぶまで解散じゃ」
そうして皆バラバラに分かれていった。あれ、私達はどうすれば?
「ディアちゃん達は、本来なら書物や守護精自身に聞いてその特性を学んだりするのじゃが、学長から色々聞いておる。今日は守護精とはどういうものなのか、魔法とはどういうものなのか、見学するのも良い勉強になるじゃろ。邪魔にならんように見学すると良い」
おじいちゃん先生はそう言い残して集まった生徒の皆さんに渡すアイテムを取りにその場を離れた。
「アルー、ディアー、良かったら俺とガーさん見ていかねー?ガーさんは攻撃系だからドーム越しになるけど、その代わり、絶対邪魔しないで見れるしさー。」
カー兄とガーさん? がこっちに来た。
「カーシー、出来れば並びながらで良いからお前の守護精の事を説明してやって欲しい」
うんうん、て私もお兄ちゃんに同意すると、そうだったって言いながら、カー兄が頭をぽりぽり掻いた。
『我が主は気が利くのか利かんのか、一体どっちなのやら。歩きながら話そう』
ガーさん? の方から声が響いてきた。落ち着いた、お父さんよりも年上の人の声。これは、ガーさん? の声らしい。頭に直接語りかけてるんだとか。精霊は、この方法でコミュニケーションをとることが多いらしい。声に出すと、ガーさん? の声はがああっ! って感じになっちゃうんだって。勉強になります。
『我の名はガール。我の種族がガーゴイルであるため、主に安易に付けられた。主は更に省略してガーさん等と呼んでいる』
「うお、ガーさん。今のジャブは地味に効いたぜ……」
ガーさん? の本当の名前はガールさんって言うらしい。大きくて強そうだし、凄く頭も良さそう。頼りになりそうだな。
「ガールさん、よろしくお願いします」
そう言ってお辞儀をすると、ガールさんは近寄ってきて私のほっぺたにおでこをすりすりしてきた。見た目程固くなさそうだけど、ちょっとごりごりして痛い。
『こちらこそ宜しく頼む』
見た目はちょっぴり怖いけど、凄く優しそう。
「ちょっガーさん、俺には擦り寄ったりしないくせに! 可愛くて小さいからって贔屓だ!」
『彼女は精霊だが、幼い子供のような匂いがする。紳士たるもの、女子供のには優しくあるべきだ。贔屓するべき生き物なのだ』
よく分からないけど、ガールさんは、カー兄のお父さんみたい。わちゃわちゃしてるけど、すごく仲が良さそうで、嬉しくなった。
そんなことを言ってると、いつの間にかドーム前の列に到着してた。ほとんど透明って言っていい色の大きいドーム。
私が横になって並んだらどれだけ入るんだろう。そう思ってると、お兄ちゃんが、大体7メートルくらいだって教えてくれた。私何個分か聞いたら、それを聞いてたカー兄が、7個分くらいかなーって教えてくれたけど、凄く笑ってる。何で笑ってるのかは分からなかったけど、お兄ちゃんを見たらお兄ちゃんは顔を逸らしてた。頭を撫でてくれてるんだけど、手から震えが伝わって来てる。そっぽ向いて隠してるみたいだけど笑ってるって私にばれちゃってるよ。ガールさんの方も見てみたけど、ガールさんも顔を逸らしてた。尻尾がちょっと震えてるよ、ガールさん。
何で皆が笑ってるのかは分からないけど、皆楽しそうだから、まぁいっかって思った。




