13話 戦闘後
アニマル島の話も今回で終わる予定…
次は新章ですよ!
とりあえず、13話をお読みください。
灼熱のような炎を纏い、腹の傷を手で抑えながら押さえるカイトは立っていた。
すべての力を出しつくし、体に纏っていた炎が消え、そのまま倒れていった。
カイトの火炎拳によって吹き飛ばされた神獣は、体が全く動かず、そのまま倒れていた。足も動くことはなく、そのまま倒れた状態だった。
だがしばらくすると、突然神獣が動き出す。
「グラァアアアアア!!」
神獣の叫びとともに、神獣の体から光が出てくる。
光はどんどん強くなり、そしてカイトを包み込んでいった。
その光は太陽の光のようだった。
□
目を開けると、カイトは大きな葉っぱの上で寝ていた。
頭を上げ、周りを見ると、数人の人間がいた。
肌は黒く、頭には鳥の羽などで作られた装飾品をつけていた。
服は動物の皮で作られた服を着ていた。
カイトが起きたことに気づいた一人の少年が、周りの人に声をかける。
「お兄ちゃん、起きたよ~。」
「おお、あなた大丈夫ですか?」
「おお、起きたか。」
たくさんの人から声をかけられ、驚くカイトだった。
どうやらここは集落の小さな家らしい。
体を起こそうとしたが、体に激しい激痛が来て、そのまま倒れこんでしまった。
すると、家に誰かが入ってくる。
それはリンとリーナの姿だった。
「おいカイト!テメェなんて無茶しやがる!!」
「もうバカ!あんまり心配かけないでよね!!」
カイトは手を挙げて、必死に謝っていた。
だが、カイトはあることに気づいた。
あの後、神獣がどこに行ったのか。
カイトは激痛が来る体を動かしながら、ヨロヨロと体を動かし家をでて、神獣を探しに行った。
□
傷口を手で押さえながら、ゆっくりと歩いて戦いの場所に着くと、狼とアスカがいた。
だが二人は下を見ていた。何かあったのかと、カイトは思いながら狼の所に歩いて行った。
そしてカイトがその二人が見ていたものを見て驚く。
それはあまりにも小さく可愛いらしい神獣の姿だった。
角は短く、尻尾もちいさくなってしまった神獣は寝ていた。
カイトは狼の方を見ながら、どういうことか聞こうとした。
だが答える前に狼が口を開く。
「こいつの名前はべヒーモス、ワシと一緒にこの島を守ってきた神獣だ。」
それを聞いて、カイトは少しキョトンとする。
狼の話では、ずっと昔からこの島を守り続けてきた神獣であり、悪い者に罰を与えるとして守り神としても言われてきたらしい。
べヒーモスはそもそも、珍獣とも言われ、数少ない種類の獣である。
だがある日、べヒーモスは何か光を浴びて、狂気とかしたらしい。
そして、人間たちを吸収して、自分のエネルギーとしてたくわえていたのだ。
「ワシはそれを止めることはできなかった。しかし、お前の活躍でこの島は救われた。感謝する。」
と言いなが煙をたてて、狼も小さくなっていった。
「お前も小さくなれるのか!?」
「まあな。それとワシの名前はシルバータイガーだ。今日は宴だ。ワシが贈ってってやろう。」
そしてカイトはアスカと一緒に狼の背中に乗って集落に向かっていった。
□
夜
「今夜はこの勇敢な少年、カイトのためにかんぱーい!!」
集落の村長が代表で前に出ながら、タルで出来たコップの中に入った酒をあげて言う。
それにつられて、集落の人間たちが手をあげて叫びだす。
酒を飲み、祝い、そして騒ぎまくった。
だがカイトはその中席を離れて、アスカと狼を集落から少し離れた場所に呼んだ。
カイトは狼に、
「アスカは一体何者なんだ?」
狼はそれを聞いて少し黙ってから、口を開いた。
「その子はこの島に流れてきた子なんだ。」
アスカは赤ん坊のまま、小さな木の船にのせられながら、このアニマル島に流れ着いたのである。
狼はその流れ着いたアスカを拾ったのである。
「この子は人間としての言葉はあまり話せない…。だが、お前に頼みたい。この子の、両親を探してきて欲しい。」
それを聞いてから、カイトはあっさりとこういった。
「いいぞ。俺のギルド人数すくねぇんだし、ありがたい。それにちゃんと両親探してやるから安心しろって。」
狼はそれを聞いて安心しながら宴の場所に戻っていった。
カイトはアスカを見ながらゆっくりと近づく。
手を差し出しながら、カイトはアスカに手を求める。
おそるおそる手を伸ばしながら、アスカはカイトの手を握る。
「あらためて、俺はカイト・フェリス。よろしく、アスカ」
「よ…よろし…く…」
少し照れながらアスカは両手でそのままカイトの手を握る。
次の日、カイトはアスカと一緒に、魔術学園に帰っていった。
アニマル島編が終了しました!
次の物語はリンが関わってくる!?
次は古代の遺跡での物語です!
では、ありがとうございました。(次回からここでキャラ紹介していきます。)