10話 神獣
たった三ヶ月で10話まで続いた私がすごいと思っています(笑)
そんなにすごくないんですけどね…
そんなわけで今日も更新。
集落で狼と会ったカイトたちは、その後狼に連れられて、山の洞穴にいた。
山の高さはおよそ3000メートルはあるそこそこの山だった。
外から見ると上のほうは変な形をしている山である。
狼に連れられて洞穴着いて、カイトが起き上がった。
すると先ほどの狼から声が聞こえる。
よく見ると、口は開いてはなく、なにやら音か何かで伝えていることに気づく。
「お前たち、何の用でここにきたんだ。」
「俺たちは、ここの調査に来たんだ。だけどよ、なんでここの集落は誰もいないんだ?」
それを聞いていたアスカは、自分の耳を立てて、狼の毛に顔を隠した。
少し沈黙が続いてから狼がまた話し始めた。
「人間たちは神獣によって、飲み込まれた。」
少しビクッとしながら狼のほうをゆっくりと見る。
そのまま話を続ける狼だった。
「神獣はかつて、この島の守り神だった。だが、なぜか最近急に暴れだしたのだ。あの神獣はかつてのワシの友だ。」
「でもなんでその神獣が突然…」
「理由は分からん。だがこのままでは…」
だがその時、外からとてつもない雄叫びのような声が聞こえた。
それはまるで大地を揺らす地震かのような凄まじいものであった。
カイトたちは耳をふさいで何とか無事だった。
「今の…一体?」
「あれが神獣だ。」
カイトはリンと顔を見合わせながら驚く。
すると狼が突然立ち上がって、外に出て行った。
「ちょ!どこ行くんだよ!!」
「ってお前も行こうとすんなカイト!!」
カイトの足をつかみながらリンが止めようとする。
だが狼はそのまま声のした所に向かっていった。
□
山から数百メートル離れたところに立っていた狼は、目の前の獣と顔を見合わせていた。
一つの大きな角に、紫色の毛をまとった体、大きくあらゆるものを粉砕するかのような尻尾のもった獣。大きさにして3メートルはあった。
互いに一歩、二歩下がりながら様子を見ていた。
「貴様…どうした!なぜ集落を襲った!!!人間たちを解放しろ!!!」
その獣は狼の声を聞いても何も言わず、ただ狼を睨みつけていた。
尻尾を揺らし、木を倒していく紫色の獣。
次の瞬間、狼は紫色の獣に噛み付いていった。
だがそれはあっさりとかわされ、そのままその獣の尻尾によって吹き飛ばされた。
「グ…ォオオオオ!!!」
そのまま狼は吹き飛ばされ、岩に衝突した。
煙がたつ。その獣は攻撃を止めようとはせず、そのまま狼に突っ込んでいった。
一本のその鋭い角を前につきたて、突進して行った。
その角は狼の体を貫いた。だがその獣の突進は止まらなかった。
一直線に走りながら、その獣は上空を飛び、そのまま狼を刺した角を地面に向けながら高速で回転し、そのまま落下していった。
その衝撃によって地面はヒビだらけになっていた。
「グァアアアアアアア!!!!!!」
狼はそのまま声を上げて、倒れこんだ。
狼の体から角を抜いた獣は、口を開いた。
歯は鋼鉄のように硬く、鋭い歯だった。
噛まれれば骨ごと食われる歯を狼に向けた。
狼が諦めかけたその時だった。
山の方から赤い玉のような形をしたものが飛んできた。
その玉は獣の角へと当たっていった。
それによって、その獣は勢いによって吹き飛んだ。
赤い玉の正体はカイトだった。
カイトは自分の体に炎をまとい、そのまま山から飛んできたのだ。
かつてリーナを救出するときに覚醒したカイトは、その後から炎の魔法が使えるようになっていた。
狼はそれをみて驚いていた。炎をまとうのをやめて、地面に着地したカイトは急いで狼の所に向かっていった。
「大丈夫かオイ!」
「気をつけろ…あれではあいつを止めれるとおもうな…」
振り向くと、その獣は衝撃から起き上がっていた。
カイトは拳を握り、獣を睨みつける。
そして、ついに神獣との戦いが始まる。
なんか自分なりに面白くなってきたと思い込んでしまった。
そういえばリーナは今頃どこにいるんだろうか。
次回話はリーナに期待を…