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狼の瞳にうつる世界(仮修正版)  作者: 蒼鈴六花
序章 転生した少年
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森の散策

やっと投稿できました。


朝になって目を覚ました僕は、洞窟入り口で座りながら、


(今日はちゃんと森を散策しよう。けれど相当広そうだし、時間をかけてゆっくり散策していくか)


僕は地面を蹴って森に向かって飛び降りた。


地面に着地して、


(空を飛べなくても降りられたな)


自分の身体能力に驚きながらも、次にする散策について少し考える。


(さて、森を散策するにしてもなにか目標あったほうが良いか……)



(そういえば、鏡とか無いから、ちゃんと自分の姿を見ていないな……泉とかがあれば良いんだけど、上から見た限りじゃ木しか見えないし、地道に探すしかないか……)


そう思ってから、


(どうやって泉を探そう?)


困っていたら答えるようにまた湧いてくる知識。


(まぁ知識通りに泉を探すか)


水の匂いを嗅ぎ分けて泉を探し始める。


(元人だった性か、この発想はなかった…水の匂いなんて知らなかったけど、なんか感覚で分かるし、知識のことといい便利な身体だな)


そういうことを思いつつ、水の匂いをたどってゆっくり歩いていく。

その途中にある木々と自分を比べて、


(森に降りてようやく気づいたが、この身体やけにでかいな……最初に立った時にも目線の高さに違和感があった。人の時の身長よりかなり高い。何メートルなんだか。身体の大きさ変えられたら便利なんだが)


(知識また湧いてきたな…身体の大きさを変えられるのか。本当に便利だな。……ん?他にも知識が。今の大きさは元の大きさより小さい状態…元の大きさ、どんだけ大きいんだ僕は)


身体の大きさについて少し考えた後、身体を小さくする方法を思い出す。


(魔力があるんだ、この身体…ファンタジーだな。この様子だと魔法もありそうだけど、とりあえず今は魔力を制御して身体を小さくして泉に向かうか)


身体を歩くのに邪魔にならないくらいの大きさ(それでも人が乗れるくらいの)に変えて、泉に向かって歩き出す。


しばらく歩いていると、ふとあることに気づく。


(鳥の鳴き声がしないな…風の音と、枝と葉がこすれる音しかしない……)


(命の気配みたいなもの…これがマナ?を感じるけど、動物を見かけないな。不思議な感じだ…動物か…そういえば最初起きてからずっと何も食べてないけど、腹がすかないな。だけど、神狼といっても生き物だろうし、そのうちすいてくるだろう)




そこから少し歩いた所で、ようやく目的の場所が見えてきた。


(結構歩いたと思ったが、水なんて匂いの少ない物を、あんなに遠くから嗅ぎ分けられるとは…この身体がすごいのか狼の嗅覚がすごいのか、どちらにしても驚かされることが多い)


表情?はまったく変えず、驚いた感じは一切ないような状態でそう思いつつ、泉に近づいて覗き込む。


水面が日の光を浴びてきらきらと輝きながら、僕の姿を映し出す。


(これが今の僕か……)


泉は、威厳のような、神々しいようなものを放つ真っ白な狼を映し出していた。

ピンっととがった耳、ずらりと並ぶ鋭利な牙そして、キレイな金色の眼。


(完全に狼だな…まぁいいか、別にこの姿に不満は無いし)


泉の前でのんびり座って、後脚で耳の裏掻いたりしながら。


(姿もそうだが行動も獣っぽくなっているような…さっき無意識に耳の裏を掻いていたな…身体に精神が引きずられているってことかな)


試しに泉の水を飲もうとする。


(やっぱり自然と動物的な飲み方になる……違和感が全然しない……自分のことだが、元人間とは思えないくらい、不気味なほど違和感が無い……まるでずっと前から狼だった感じすらする)


(思い出してみると、今日起きてから1回毛づくろいをしていた気が……自然にやっていて気づかなかったって……今もしていた……ここまでくると、僕は本当に人間だったのか怪しくなってくる)


と考えつつも、毛づくろいのために、身体や尻尾の毛を舌や牙をつかって整える。


(一日何回かもやっているし、僕は意外ときれい好きだったのか……けど、ふさふさで艶のある毛は気持ちが良いし、これのためなら何回やっても良い感じがするな)


いつのまにか無意識のうちに、自分の毛並みに誇りを感じ始めていたが、これを自覚するのは何年か後の話。


泉で、自分のふさふさした尻尾や、身体の整えた毛並みを見て満足する。


(よし、きれいに整った。森の散策を続けよう)


そうして泉を後にして、再び森の中を散策する。


後では、上機嫌なのか少しだけ尻尾が揺れていた。




植物を観察しながらのんびり歩きつつ、今の自分の状況について考える。


(なんか、この世界はマナや魔力といった不思議な力のあるファンタジーな世界らしい。だとすると、魔物とかもいるのかな…けど、動物すら見かけないしな…とりあえず、いないならそれで良いか)


湧いてくる便利な知識を使って、情報を引き出す作業をすることにした。ネットの検索みたいな感じで。


(まずは、マナとか良く分からない力について情報が欲しいな…)


と思うと、マナや魔力についての知識が頭の中に浮かんだ。


(マナ…命の源、これが無いと生物が生まれないらしい…ん?マナが無いと生物が生まれない?…確か、僕がこの世界に生まれた日にやった遠吠えで、僕の中にあったマナを使って、世界中のマナを目覚めさせる。と、昨日湧いた知識が言っていたような…)


(ということは、僕が生まれた時には、世界中のマナは眠っていたと?)


そう思うと、知識がそれを肯定した。


(えっ、じゃあ今マナが溢れているのは僕の性!?一昨日まで世界中のマナが眠っていたということは、まだこの世界に生物はいないと……)


また肯定と知識が湧く。


(どうりで動物を見かけないわけだ…この世界で、僕、独りぼっちですか)


しゅん…といった感じで、ピンッと立ってた耳が垂れて、尻尾も力なくだらりと下がる。

そしてまた知識が湧いて、


(普通の動物が生まれるまで、最低でも500年かかるか……早すぎるな。さすがファンタジー。それでも僕の寿命は持たないか……)


今度は否定と知識が湧く。


(僕そんなに生きるの!?それにしたって500年は長い……僕に耐えられるんだろうか……何かあればいいんだけど……魔法、そうだ魔法があるなら何とかならないかな)


知識によると魔法はあるらしい。


(さっき魔力の知識も出ていたし、その中に魔法も少し出ていたな……体内にマナを取り込んで、魔力に変換するんだったな……)


魔法はイメージが重要で、それを補うために呪文、儀式等を行う。すごくはっきりしたイメージがあるなら無詠唱も可。けど、高度な魔法になってくるにつれ無理なものも出てくる。


属性が存在し、基本属性と特殊属性の二つがある。

基本属性には『火』『水』『土』『風』等の魔法。

特殊属性には『時』『空間』『命』『創造』等があるようだ。


(魔法を使えば、生物が生まれるのを、早めることができないかな?)


と思ったが、さっきまでのように知識は湧いてこない。


(湧いてこない知識もあるのか。全てが分かるとは思っていなかったし、今はこれだけあれば充分だ)


(命って属性の魔法があるくらいだし、動物が早く生まれるようになる魔法ができるかもしれない。間に合わない可能性もあるけど、暇つぶしにはなるだろう)


その後、一応魔法の知識を引き出せるだけ出してみたが、基礎の部分くらいしか分からなかった。

地道に魔法の研究をしていかなきゃいけないようだ。


動物の誕生を早める魔法には、何の属性が必要になるか分からないので、少しづつ、いろんなものを試してみる他は無い。暇をつぶせるから、やることが多いのは喜ぶべきだろう。


研究している間に、500年後に動物が誕生してもそれならそれでいいし、時間制限があるわけでもないから、気長にのんびりやっていこうと思う。


(魔法の研究か……なんだか面白そうだな)


感情に合わせて垂れていた耳もピンッと元に戻り、尻尾も少し揺れ始めた。

考えながら歩いていたが、気がつくと日が暮れ始めていた。


(もうこんな時間か……考えてばかりで、あまり森を散策できなかったけど、一応目標とやることできたし、良いか。暗くなるし、そろそろ帰るか)


僕はそこから空中を蹴り空を駆けて、洞窟の棲家へと帰った。


(明日は森の散策一旦やめて、魔法を実際に使ってみよう)


そうして、洞窟の奥で毛づくろいをして、フカフカになったのを満足しながら丸くなって寝た。




今回は前回で、し忘れた説明も入れました。

魔法の説明も少しだけですが、これからいろんな事が少しずつわかっていくはず…

あらすじの弟子を採るまでもう少しだけかかる予定です。


誤字・脱字等のお知らせと感想・アドバイス等ありましたら送っていただけたら助かります。


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