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狼の瞳にうつる世界(仮修正版)  作者: 蒼鈴六花
2章 子狼の誕生
23/25

外伝 お披露目

割り込み投稿だと最新話としてカウントされないらしいので、最新話投稿にしました。

でも内容は、巣立ちと産声の間のできごとです。


後、点(沈黙等)とレイの体長を修正しました。体長は自分の考えとかなりのズレがあったので…


弟子達が巣立って100年後のある日の話。


100年の間に起こったことは、まず世界に精霊とドラゴンが増え始めた。


シェリトゥスが最初に属性の精霊を生み出し、それから色々増えたようだ。

レイの方も、同じくドラゴンを生み出した。ドラゴンは山から出ることは稀だが。二人に教えた命の属性魔法。これを使って自分の種族を生み出し増やしていった。

ただこの属性は扱いが非常に難しい。二人には調律者としての力と、俺の手助けが必要不可欠だった。

まず、調律者くらいしかこの属性は扱いきれない。例外も出てくるだろうが。


大体100年の間に起こったことはこれくらいだろうか。




早朝、洞窟にて。


『やっと完成したんですね!!』


セリスはとても嬉しそうだ。


「ああ、後は……セリスしだい」


『分かっていますよ!では早速あの子たちを呼びますね!ああ、楽しみです!!……あ!草原で待っていてくださいね』


「ああ」


セリスはそういって洞窟の入り口のほうに飛んでいった。

そこまで嬉しかったのか……早く作ってやればよかったなと思う。


俺は草原に行くことにした。




草原にて。


弟子達に草原に来てもらうと、二人ともぐったりしていた。


「どうした?」


「ああ、精霊達をまとめるのが大変で……」


<俺のとこも同じだ……>


「補佐の二人は?」


シェリトゥスとレイにはそれぞれ補佐役が1人いるはずなんだが……

俺がそう言ったとたん、二人はビクッとして顔をそむけ始めた。


<「……」>


「フラルと……レーグルだけでは……大変か」


フラルはシェリトゥスの補佐で、銀色の髪と目の女性。レーグルはレイの補佐、若干赤の混じった茶色の髪と目の男性。どちらも苦労人のようで、たまに俺のところに相談にくる。


「やはり、俺も……手伝いに行った方が……」


<「がんばります!だから大丈夫です!!」>


「そうか」


一度手伝いに行ったのだが、なぜかそれ以来手伝いに行こうとすると断られる。セリスは良いらしいから、またセリスに頼むことになりそうだ。

俺の手伝いは邪魔だったのだろうか?とセリスに聞いたら、それは絶対無いと言っていた。

あの子達にもまぁ、なんと言いますか意地があるのだと。後は少し威g…いえ、なんでもないです。まぁマスターは見守ってあげるだけで良いのですよ。とも言っていた。


俺は鈍感なのだろうか?

そう考えていると、


『マスター!決めましたよ!!』


準備をしていたセリスが戻ってきていて、話しかけられた。


「ああ、悪い。少し考え事を……していた」


『珍しいですね。あ、マスター決まったんですよ!これからお披露目です!!』


「そうか。楽しみだ」


それを聞いて嬉しそうにしながら、若干全員と距離をあける。

シェリトゥスとレイはこれから何が起こるのか、といった感じで待っている。


『ふふふ、ではお見せしましょう!いきますよ!!』


そういってセリスが光り始め、淡い蒼の光が広がっていく。

それから白い光が出てきてセリスが見えなくなり、その光が新たに形をとり始め、そして少しづつ光が消えていくと…

そこには一人の女性が立っていた。


「どうです!これが私の新形態です!!」


セリスは胸を張って嬉しそうに言う。


元の身体と同じ蒼い髪は長く、後頭部の所で少し集めてクリスタル状の髪飾りで留めてあり、他は二房ほど金と銀の小さな玉で留めて後はおろしている。

目はコアと同じく赤。服は全体的に白く、薄い黄色の帯を結び、元の身体にもついていた銀色の三日月型の金具が上着を留めるためについてる。

後は、袖の部分が着物みたいになっていたり…歳は20前後くらい。

特徴はこれくらいだろうか……


「良い出来だと……思う」


「デザインには自信ありましたから!」


笑顔で答えるセリス。笑うのが始めてのはずなのにとても表情豊かだ。


そしてセリスは二人に目を向け、


「で、二人の感想は?」


ぼーっとしていた二人は、話しかけられ、はっとなり、


「え、あ……き、綺麗だと……思います」


<ああ、そ、そうだな……綺麗だ>


二人とも最後の方は消えそうな声だ。顔を赤くしている。


「ありがとうございます。二人とも」


と微笑むセリスに、二人はボンッと音を立てて煙を出す。僅かに魔力の暴走が起きているようだ。なにがあった……

それを見てセリスは、


「ふふ。二人ともまだまだ子供ですね」


やはり、俺は鈍感のようだ。全く分からなかった


「皆に好評で良かったです。頑張って考えた甲斐がありましたよ」


(俺の鈍感さに関しては後で考えよう。今はセリスの人型のお披露目だし)

そう思っていたら、セリスはこちらを向いていたので、こちらも見ると、


「ありがとうございます。マスター……いえ……お父さん」


最後の方が、すごく小さな声で聞こえなかった。


「最後、聞こえなかった」


「聞こえなくていいんですよ。わざと小さく言ったんですから」


なぜ、わざと小さく言ったのか?


「いつか、普通に言って見せます。だから待っていてください」


いつか言ってくれるらしい。なら待とう……セリスが言いたくなる日まで……


「待っている」


「はい!」


満面の笑みで答えるセリス。一生忘れないようなとても印象に残る笑みだった。

こんなに喜んでもらえるなら、もっと早く人型になれるようにしてあげればよかったなと思う。


その後、顔を赤くしたまま固まっていた二人が復活して帰っていき、俺達も帰った。

セリスに背中に乗せてほしいと頼まれ、乗せて帰ることになった。




洞窟にて。


人型のセリスが若干顔を赤くしながら、


「あの、シェリトゥスやレイと同じように一緒に寝てもいいですか?……一度だけでいいんです」


「それくらいなら……いつでもいい」


「ありがとうございます!!」


お礼を言った後、寝転がっている俺の腹に飛び込んできた。


「ふかふかです。二人の言うとおりすごい毛並みですね」


もふもふと毛を触りながら言うセリス。

しばらくそうしてから、


「暖かいです」


最後にそう言って眠ってしまった。


(暖かい……か)


なんだか、別の意味も込められていそうだった。俺は鈍感なようだから、間違っているかもしれないが……


(こうしてみると小さい子供のようだ……)


すぅすぅと気持ち良さそうに寝ているセリスの寝顔を見ると、そう思えてくる。


(子供か……セリスは俺が作ったんだし、娘ということになるのだろうか?)


ふと、そう思う。


最初は魔法具に意思を持たせただけだったが……そうか、いつの間にか娘だと思っていたのか……

他の魔法具を思っているのと違う感情だと思っていたのは、それだったんだな……


再びセリスの寝顔を見ながら、尻尾を布団代わりにかけて自分も寝る事にした。


「お休み。セリス」






ほんとは別の話書こうとしてたらいつの間にかセリスの話になってました。


色々と修正していますが、セリスの登場早めようかな…とかも考えてます。

セリフや地の文の修正とかは時間がかかりそうなのですぐには出来ませんがゆっくりしていく予定です。


では、誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。

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