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狼の瞳にうつる世界(仮修正版)  作者: 蒼鈴六花
1章 二人の弟子
12/25

魔道具

今回早めに投稿しようと思い書き上げました。


次の話は少し遅めになると思います。

朝、早めに目が覚めたレイとシェリトゥスの二人を連れて草原に向かった。


俺から降りた二人は、目をきらきらさせながら、


<早く魔法具見せてくれ師匠!>


「僕も早くみたいです!」


と、急かされたので、収納空間から昨日の夜二人が寝てる間に作った魔法具を取り出す。


地面からすうっと何かが出てくる。


蒼いひし形のクリスタルの中に、紅い玉のコアが入った本体があり、コアを覆うっている物資と同じ材質の細長いひし形の物が、本体の少し下に浮いている。

本体の横に金色の小さな玉が着いていて、そこに銀色の三日月のような金属がついている。金色の玉のさらに横に赤い玉が着いており、その下から白い毛のような糸がふさっと出ていた。


出てきたものは、そのまま俺の目の前に浮いていた。


「うわぁ、きれいですね」


<なぁ師匠!これなんなんだ!>


「意思疎通補助魔法具……以心伝心くん1号」


「不思議な名前ですね」


と苦笑いするシェリトゥス。


<変な名前だな>


素直に言うレイ。


「……」


良い名前だと思ったんだが……と思う。


「それで意思疎通補助魔法具とおっしゃりましたが、どんな風に使うんですか?魔法具って魔法で作っているんですか?」


と、シェリトゥスは質問してくる。


「起動、魔法具……説明」


俺は質問に答えるために、魔力を魔法具に流し込み起動する。


『起動。これより魔法具の説明をします』


と、以心伝心くんがしゃべりだした。


<「うわぁ!しゃべった!」>


と、二人が驚く。


『説明に入っても宜しいですか?』


と、不機嫌そうな声で以心伝心くんが言う。その不機嫌そうな声を聞いてシェリトゥスが、


「師匠。この魔法具自我でもあるんですか?」


「ある」


意思疎通の補助のために、気の利く道具にしたかったので、自我を与えてみた。


「……」


シェリトゥスが絶句した。そしてレイが、


<説明しても大丈夫だぜ>


『はい、分かりました。では説明を開始します』


以心伝心くんの魔法具の説明が始まった。


少しの間絶句していたシェリトゥスも、説明が始まると復活して説明を聞きだした。


そして説明が終わり。


「つまり魔法具とは魔石で作られた道具なんですね」


<でもまさか魔石が、棲家の天井に生えてるやつだったなんて思わなかったな>


「そうですね。棲家にあれだけあるし、魔石ってそこら辺にあるものなんですか?」


「ない」


と、俺が言った後に以心伝心が説明してくれる。


『魔石はマナが豊富な場所にできます。魔石ができるほどマナがある場所は限られます』


「棲家は確かにマナが豊富ですね。だから魔石ができたんですか。でも天井にしか生えてないんですね。なんでですか?」


『あの場所は、マスターが魔石を作るために棲家を改造したため、魔石が天井にできやすくなっています。通常はあのように魔石はできません』


<マスター?>


と、レイが首をかしげる。


『マスターはマスターです』


どこか誇らしげな感じで以心伝心くんが答える。


<だからなんだよマスターって>


「俺のことだ」


<なんだよ師匠のことか。なら師匠って言えばいいじゃないか>


『私はマスターとは師弟関係ではありません。創造主と魔道具です。だから私はマスターをマスターとお呼びするのです』


<良く分からないぞ>


また首をかしげるレイ。

そんな中シェリトゥスが質問してくる。


「魔石を作るために棲家改造したっておっしゃりましたけど、もしかして師匠はマナ操作もできるんですか?」


「あぁ」


「棲家の山が、マナがすごく豊富なのは、師匠が改造した結果ああなったとか……」


「そうだが」


と言うと、シェリトゥスはなんだか呆れのような複雑な表情で、


「山のマナを改造って、どれだけ規模が大きいんですか。それにマナを操ることって、できたんですね」


そこで以心伝心くんが、


『普通、マナ操作はできません。操れるのは、マナを体内で変換してできた魔力です』


「そうですか。体外のマナを吸収することはできても、操るのは精霊の僕でも相当に難しいというか、無理そうです」


「……?」


調和者は、確か世界中のマナの管理、調整も仕事の一つにあった気が……


「調和者として、世界のマナを整えたりすることは可能みたいですが、私的にマナを操るのはだめみたいです」


俺の疑問を察したシェリトゥスが答えてくれる。


「そうなのか」


そこで、何か思いついて質問してくる。


「そもそも師匠はマナをそのまま操れるなら、魔力にわざわざ変換しなくても魔法を使えるんじゃないですか?」


「できるが」


「できるなら、なんで使わないんです?」


シェリトゥスは首を傾げる。


『マナはそのまま魔法として使うには力が大きすぎるから、マスターは使われないんだと思います』


「そうなんですか?師匠」


「そうだ」


そういった後、俺は以心伝心くんに思念で情報を与え、


(追加説明)


『マスターからの情報による追加説明。マナ操作を行うと、初級魔法を使った場合でも、上級魔法並の威力が出せるようです』


「それは危険ですね。うかつに使えるもんじゃなさそうです」


『マスターは、以前マナによる魔法を使ったようですが、その時には、山の一部をうっかり破壊してしまったようです』


「……」


シェリトゥスが無言でこちらを見る。


「いや、あの時は……初めてで、威力を……知らなかったしな」


『マナ操作による上級魔法は使わないほうが良さそうです』


「そうですね。師匠気をつけてくださいね」


と、弟子に注意された。




それから少し話しをしながら、そういえばレイは?と周りを見ると、


<……>


ぼけっと魂が抜けたような顔で、頭から煙?を出して座り込んでいた。


レイを呼ぶ。


「レイ!」


俺の声で、シェリトゥスがレイの様子に気がつき、レイを揺さ振り始めた。


「レイ!どうしたんですか!しっかりしてください」


俺は探知式魔法でレイを見る。

すると、


「知恵熱」


「えっ?知恵熱?」


そこで目を覚ましたレイが、


<し……ししょう……難しすぎるぞ>


と、なにやらつぶやいている。


『どうやら話の内容が難しすぎて、ついていけなかったようです』


と、以心伝心くんがレイの通訳?をしてくれる。


「そんなに難しい話ではなかったと思いますが」


<わけが分からなかったぞ>


「僕にはあの話を聞いて頭から煙を出しているレイの方が、わけが分からないです」


<うぅ>


そこでまた限界が来たらしく、レイは倒れた。


「師匠。今日はこれからどうします?」


「帰る」


『レイがこの様子じゃ、今日は魔法の練習はできそうにないから帰るのだそうです』


「たった一言に、それだけの意味含まれてるんですか。というか、レイの知恵熱はどれだけひどいものなんですか」


と、なんともいえない表情でシェリトゥス。


そんなことを話しつつ、とりあえず棲家に帰ろうと思ったが、このままレイを背中に乗せたら落ちる心配もあったため、人化して二人を抱えて帰ることになった。




その後、棲家にて。


復活したレイとシェリトゥスが、二人そろって言ってきた。


<「以心伝心くんの名前、変えましょう(ようぜ)!」>




「意思があってちゃんとしゃべれるんですし、もう少し名前を改善した方が良いです」


<もう少しまともな名前にしようぜ>


と言われた。


「……」


そして結局、考え直しをすることになった。





新キャラ?:以心伝心くん1号   彼(彼女?)は名前変わるかも?


主人公の無口化が一気に進みました。めんどくさがりと言う訳ではないです。


では誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。

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