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猫の存在  作者: カブ
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第5章 おかえり

ここの章のストーリーは考えて考えて、考えた末出来上がったストーリーです。 なのでちょっと趣旨とズレてしまいがちですが、何とか成り立っているかと思います。 それは、この章限定とは言えませんが・・・。

――――次の日の朝

「う・・・う〜ん・・・。」

僕は、ソファーに横たわるようにして寝ていた。 そして、僕の体の上に薄い毛布が一枚敷かれていた。

外は、ちゅんちゅんと鳥のさえずりが聞こえる。家の中は、その鳥のさえずりしか聞こえなかった。 そう、それだけ静かなのだ・・・。

僕は、今何時と言わんばかりの早さで時計を見た。

「9時か・・・。」

僕は、漠然とした表情でそれを見ていた。

「そ〜いえば、お母さんは、どこに行ったんだろ・・・」

母の姿が見えない。 僕は、また心なしか大きな不安を抱えた。

書置きの手紙もない。 しかも、父を探しに行くとも一言も言わずに・・・。

「そ〜いえばモンタも・・・。」

モンタの姿も見あたらなかった。 僕は、タンスの中、押入れの中、ベッドの下、屋根裏部屋、トイレなどあらゆる所を探した・・・けどモンタの姿は見当たらなかった。 僕以外の家族全員の失踪。

「何かある・・・」

僕は、心無しか不安を抱えた。 今から何かが起ころうとしている―――そんな気がしたのだ。

気になって僕は外に出てみた。

「え・・・。」

僕は、背筋が凍りついた。 外には人一人見かけない上、まるで、自分以外誰もいないような・・・ そういうような景色だった。

バタン!!!! 僕は、急いで家に入った。 ドアの音が今の僕の心の中の気持ちそのような物だった。

そして僕は、電気、ガス、水道、TVとあらゆる物をいじってみた――――。

「嘘・・・だろ・・・。」

また僕は背筋が凍りついた。 それは、現実を受け止める以外に他ならぬ状況だった。

そう、僕以外に人自体がいないのだ・・・。

「そ、そうか! これは夢なんだ・・・。 そう夢なんだ・・・。」

僕は、夢であってほしいと願いながら頬っぺたをつねってみた―――――。




「・・・・・!」

気がついたら僕はベッドの上で大の字になって天井を見上げていた。 もうすぐ夜が明けようとしていた。

「ゆ、夢だったんだ・・・。」

僕は心なしか、ホッと一安心した。  それから僕は何気なく顔を横に向けた。

「モンタ・・・?」

僕はモンタの視線になぜかドキドキした。 モンタが両手両足を地べたにつけ、きちんとした姿勢で僕の顔をじ〜〜っと見ている。

・・・しばらくすると、モンタは重い腰を上げそのままさっさと部屋を出ていってしまった。

「モンタ、何か僕に言いたかったのかな・・・。」

僕は、モンタの姿が消えるまでず〜〜っとモンタを見続けていた――――とその時、玄関の方からガチャンッ!

「今帰ったぞ〜〜〜!」

どこかで聞き慣れた声・・・・・・僕は目がぱっちりになった。

「お、お父さん!?」

僕は寝ていた姿から2,3秒もしない時間で玄関に駆け下りた。

「ホントにお父さん・・・?」

僕は少し違う雰囲気を感じた。

「ホントに父さんだ。」

父はコクリと頷きながら言った。 そこで僕は 男同士のキーワード というモノを思い出した―――――。




実は父は前に誘拐されたのだ。 理由は至ってシンプルで、父は「松井秀樹」という人物のモノマネというより変装が大得意なのである。

僕達家族ですら本物と疑ったものだった。 ホントになかなかの出来で本人と全然区別がつかないという程まで似ていて、僕達家族以外の言わゆる他人の人も本人と間違えたり、 その本物の「松井秀樹」も父さんの変装を見て、

「僕の分身さんですか・・・?」 と結構ユーモラスなコトを言い出した。 それから、かくかくしかじかで父さんはその人と仲良くなってしまった。 

しかし、その変装のせいで悪の組織、「ビューティフル」が本人と間違えて父さんを連れ去ってしまったのである。  

連れ去り方は「ビューティフル」の一人の「さとうかま緒」が

「こっちに来ないと〜 プンプン!!」 って言ってあっさり行ってしまって連れ去られた。 何という大ボケな父さんだろう・・・ってこの時僕は、この人から本当に生まれたのか?  という疑問さえも疑った。

でも、そこで一人のデカ(刑事)が名乗り出たのである。 何でも誘拐犯捕獲率100%とか・・・。 

その人の名前は「みの・みょんた」である。  あの人の「ファイナルアンサー?」って言って、じ〜っと見つめてくる攻撃が誘拐犯の心を動かし心変わりをさせるというのがこの人の大得意策略だ。  

そして本人が登場して、「みの・みょんた」が「さとうかま緒」に

「ファイナルアンサー?」って嫌味ったらしく言って「さとうかま緒」は、

「みょんちゃ〜ん・・・プンプン!!」 って言って二人は見合った。

「・・・・・。」

「・・・・・。」

長い沈黙が流れ・・・

「観念します・・・プン。」  こうして事件は無事解決した。 人これを「みの・かま事件」と言う。 通称「M・K」

この事件のせいで父の変装がさらなる進化を遂げてしまった。

それはなぜか・・・。 理由は、

「また、さとうかま緒以外の ビューティフル に会いたいな♪」

という憧れ意識を持ってしまったのである・・・。 ホントに何を言ってもダメな父である。そこで、僕達は考えた

それは、本物と偽者を区別するべく「キーワード」を決めるように促した。 そしてこの「キーワード」は案の定、役に立った。

でも、変装をやってもやっても一向に「ビューティフル」が現われなかったので、最近父さんは変装に飽きたせいか全然しなくなって、このキーワードも全然使われなくなってしまった―――――。






僕は不安だった。最近使っていないこの言葉。 果たして父さんは覚えているかどうか・・・。  

そこで僕は賭けた。 そして父さんに、

「父さん、あのキーワード言って!」

父さんは自信満々に、

「フランケン参上。」

そう、これだ!! これが僕の待ち望んでいた答え・・・

「って違〜う!!」

僕は、すっかりこの父さんのペースにはまってしまった。 僕は父さんのペースにはまってしまうとノリ突っ込みしてしまうコトも多々あるのだ。

「ん? キーワード変更しなかったか? あの サイゼリヤ で。」

父は真顔だった。

「そこは、ご飯食うところでしょ!! 何でそこでいちいち変更しなけりゃイケナイの!?」

僕は父さんがいきなり何故こんなことを言うのかが気がしれなかった。

「あ、してない・・・か。 ゴメンゴメン。 ボケてたよ。」

父は照れ笑いしながら頭を撫でていた。

僕は呆れた・・・。

「父さん、次はボケなしでお願いします・・・。」

父さんは一呼吸して、

「たわたたれたたほんたた、たもたたたたのたた。  追記:狸。」

父は途中舌を噛んだ。 その証拠が「、」←これである。

でも、舌を噛む以外はすらすら言っていたのでしっかり覚えているのだなと思って、

「おかえり、良く覚えてたね。」

僕はほっとして胸を撫で下ろした。

「お前もな。」

父も父で僕にニッコリ顔で答えた。















次もお楽しみに☆

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