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猫の存在  作者: カブ
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第2章 決断

ストーリー上、時間の経過がそんなに経っていません。 ご了承下さい。

「ま、まさかな・・・。」

僕は、恐る恐るそのダンボール箱へと近づいた。

1秒1秒がゆっくりと過ぎ去るような、そんなドキドキ感だった。



ようやくダンボール箱の所まで着いた。

僕は、ゆっくりと、右手を差し伸ばしてダンボール箱を開けてみた―――。すると、

「・・・なんでや。」

僕は、この現実が案外平凡なのに失望した。 中は間抜けの空だったのである。

それと同時に、あの夢が自分でないというコトが分かったせいか、一つの悩み事が消えたのである―――。



―――ガチャン。

「ただいま〜」

って言っても誰もいないのである。僕はそれを知った時、なぜか虚しさを感じた―――とその時、

「ニャー。」

どこからともなく猫の声が聞こえてきたのである。

「え・・・?」

僕は、背筋が凍りついた。 何とその猫は、夢で見たあのしっぽの折れていて、色は黒色のちっちゃい子猫だったのだ。

しかも、玄関は鍵が閉まっていて、1階の居間や、和室なども全て鍵がかかっている。

「まさか・・・。」

僕は、ふと、今朝のあの窓が開いていた時のコトを思い出した。 そして、急ぎ足に階段を上って自分の部屋まで行った。

「やっぱりな・・・。」

やはり、窓は開いていた。

僕は不思議に思いながらも、少し後悔をしていた。

それは、今朝起きた時にこの部屋が少し違っていたことだ。 早くに疑問に思って探るべっきだったっと。

そう違っていた―――と言うのは――――この部屋に猫のぬいぐるみがなかったことだ。

「まさか、お前・・・。」

前、猫のぬいぐるみが置いてあった場所からこの子猫に目線を変えると、子猫は何を思ったのか知らないが目線を逸らした。

「いや、それはないな。」

僕は首を振り、現実にこのようなコトはないだろうという肯定よりの否定が頭によぎった。

そのようなコトを考えている内に、自分が今しなければならないというコトをすかさず悟った。

「そうだ、コイツを早くこの家から追い出さなきゃ。」

僕は、この子猫を抱きかかえて、階段を下りて、玄関の外まで行った。

「もう、入ってきちゃあダメだよ。」

僕は、この子猫の頭を撫でながら言った。

「ニャー・・・。」

子猫は、どこか心なしか悲しげな表情をしていた。

僕は、撫でていた手を引き下げ、子猫の方を見ながら玄関のドアを閉めた。

でも、僕は不思議に思っていた。

なぜなら、窓が開いていたということは、外から入ったということになる。

でも、あの猫を抱きかかえた時、猫の手足がそれを否定しているように見えた。

そう、猫の手足がきれいな、ピンク色を帯びた色だったことを。

「今日は、疲れたな。」

そう言うと僕は、居間のソファーで横になって、うとうとして、最終的に深い眠りについた―――。



―――ガチャン

「ただいま〜。」

僕は、この聞き慣れた声に目が覚めた。

そして、寝違えた首を押さえながら、

「あ、お帰り。」

と言った。

「健ちゃ〜ん、 また寝てたんだぁ〜」

母のどこか呆れ声が聞こえてきた。

お父さんと一緒に出かけたはずなのでは?と思いながら、

「そ〜いや、お父さんは?」

「あ〜、父さんね、この玄関の外にいた か〜わゆい子猫ちゃんと一緒に抱擁している所みたい。」

僕は、この言葉で今まで、寝ぼけていたことが嘘のように目が覚めた状態になった。

「子猫って・・・。 あの、黒くてしっぽの折れた・・・?」

僕は、目を丸くして母に問いかけた。

「え? あの猫知ってるの〜?」

母は意外そうに僕の顔をじ〜っと見つめた。

「・・・まあ。」

勝手に部屋に入ってきた、というコトなんてとんでもないけど言えない。  こ〜いう風に母と雑談をしていたら、

「お、健信。 見ろこの子猫、可愛いだろ〜。 父さんが産んだんだぞ。」 すると母は、

「お父さん、アタシを差し置いて猫と浮気してたのね!? アタシ何かどうでもいいのね!?」

母は、このジョークが分からなかった。

「え、いや・・・ その・・・。 ほんの出来心で。」

父は、真面目に返答する母にジョークだと言う事が言えずに、こんなあいまいな証言をしていた。

「お父さんのバカァ!! もう知らない!!  つん!!」

とうとうお母さんを怒らせてしまった。 家の母は、ジョークがほとんど聞かないので厄介である。

その性格を知っているのになぜ、父はそんなコトを言うのだろうと思っていた。

(コイツ等、ホントにヴァカ・・・。 しかも、ジョークだって普通に分かるだろ・・・。)

僕は呆れて物も言えなかった。

「ニャニャー。」

この子猫も、この両親をあざ笑うかのような表情だった。

「ホントにゴメンよ〜〜!  バカにするつもりはなかったんだって。」

父は、もう母に頭が上がらない状態である。

「何よ!? 今更・・・  謝ろうって言うの!?  アンタが何をしたかちゃんと分かってんの!?」

母の暴走はもう、止まらない。

その光景を目にしていた僕は、このままじゃラチが開かないと悟って、

「はい、お二人さんそこまで。」

僕は、手をパチパチと手を叩きながら親をなだめた。

(子供にこ〜いうことをさせるなよ〜、って思いながら―――――。)




家族会議が開かれた。 勿論この子猫についてだ。

「はい〜、これから、家族会議を始めま〜す。異議のある人は〜」

なぜか、母が指揮をとっていた。

「ない。」

僕と父さんが口を揃えるようにして言った。

「さて、問題はこのネコ・・・。  どうしましょうか?」

母は、子猫の顔を見つめながら言った。

「飼ってもいいんじゃないか。」

父はあっさりした答えだった。

「健ちゃんは?」

母は、父の答えに納得がいかないような顔をしていた僕に言ってきた。

「ちょっと考えさせて。」

そう、この両親からしては、何の変わりのない普通のネコに見えている。 でも僕は違った。

ここ数日、不思議なコトが起こっていた上、 このネコの「不思議さ」というモノがど〜してもあって、僕は即答出来ずにいた。

そう、例が あの「汚れていない手足」なのである。

母は、僕の表情が納得のいかないかのような表情に見えたせいか、

「健ちゃん、嫌なの?」

「嫌ではないけど・・・」

「けど・・・?」

その先は、やはり言えなかった。 自分の中にどうしても閉まいこみたい、そんな気持ちだった。

子猫も、僕の表情に気付いたせいか、 ず〜っと、僕の方を見ている。

「健ちゃんの答えが出ない以上、先に進めないね。」

時間がとても、惜しい。 出来ることならこのことを解決してから答えを出したい、そう思っていた。

でも、そんなことをしていたら、いつまで経っても答えが出ないと思い、

「・・・僕は、同意するよ。」

口調からして肯定という風に聞こえなかったせいか、

「嫌なら嫌って、はっきり言ってもいいんだよ?」

母は、気持ちが踊っている僕をなだめた。

それを、聞いたせいか。僕にある決心がついた。

(コイツを側に置いて、様子を見てみるのも一つの手だな・・・)

そう思ったのである。

「よし! 飼おう!」

僕は、今まで考えていたコトが嘘のようにすっきりした気分になった。

その表情を知ったせいか母は、

「じゃあ、決まりね。」

と、言った。

母も僕のすっきりした表情を見たせいか、母もほっとしていた。









次は、ネコの名前から入りますw

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