第1章 全てはここから
少々長くなりすぎましたので、そこんところ宜しくお願いします。
後、読んでいて、文章間違いにお気づきの場合は、ご指摘お願いしますm(__)m
〜第1章 全てはここから〜
ピピピピピピピ・・・・ ガチャンッ
「う〜ん・・・ 今何時・・・。 ・・・ってヤバイ! 遅刻しちゃう〜。 またやってしまったな・・・。」
僕は、目を擦りながらゆっくりと起き上がった。
毎日のように学校に遅刻をしている・・・言わば遅刻常習犯だ。
別に将来何をやりたいという目標もない。 ただ時間だけを過ごしている毎日。 楽しいと思った日なんて一度もない。
そのせいか、僕の生活リズムが悪くなってきた。
「生きてて意味はあるのか・・・?」と思いながら――――。
すると、その時冷たい風が僕のほおをかすかに当たった。
「ん? ドアが開いてる・・・。 昨日の夜ちゃんと閉めたはずなのに・・・。」
かすかに揺れ動くカーテンがそのことを否定しているようにも見えた。
でも、部屋には特に異常はなかった。 ただ一つのことを除いては・・・。
僕はようやく重い腰を上げ、階段を下りて居間に行った。
机の上には朝食とメモが置いてあった。
僕は、そのメモを遠い目で見つめながら読んでいった。
愛する健ちゃんへ。
お母さん達は今日帰りが遅くなるから、 そこんところ宜しくね。
あ、そうそう 朝食は〜パンでいいよね?
あと、夕飯は適当に冷蔵庫から抜き出して食べちゃって。 何かあると思うから。
それでは行ってきます。
愛しの母より
・・・はあ。 僕は思わずため息が出てしまった。
「どこが 愛する健ちゃん だよ・・・。 愛してるんだったら、適当という言葉を使うなよ・・・」
・・・はあ。 また僕はため息が出た。
申し遅れたが僕の名前は「井川 健信」だ。 14歳だ。
ちなみに名前の由来は、「上杉謙信」から取ったものだそうだが、バカなコトに漢字を間違えたらしい・・。
しかも家の両親は、いつまで経ってもバカップル並みのラブラブモード。 うっとうしたらありゃしない。
だから、しょっちゅう遊んでばかりで家のコトをろくにしないバカ母と、
仕事にも行こうとしないバカ父なのである。
でも、父は仕事をしていないのに何故かお金だけは沢山ある。
なぜなら、父は強運が冴えたらしく、競馬の「ディープインパクト」の券を買いまくって、運よく9兆3億1千万も当てたのだ。
数字からして「931」とあるが、ホントにくさい・・・。
その大金が手に入る直前までは、母は父に嫌気が差していたらしく、離婚の話を持ち出していた――― がしかし、父が大金を当ててからは家の母は猫を被っているように父に惚れ直してしまった・・・。 ってか、金に惚れ直したんだろ ・・・て思いながら。
性格の話になるのだが、僕は、特にハイテンションでもなく、特にローテンションでもない普通のテンションだ。性格は? って聞かれたら、面倒くさがりやだけど、困った人などを放っておけないという性格のようだ。あと、 父は、「まあ、いいやろ」という軽い気持ちな性格。 母は、うっとうしい程で、現役女子高生が誰かと付き合っているような甘えた声でしゃべったり、ちょっかいをかけたりするのが好きなヤツ。
何でこんなヤツに父は惚れたのかと不思議に思っていることも少なくはない。 しかも年中無休のハイテンション。着いていけないったらありゃあしない・・・。 長くなってしまったが家族の自己紹介はこれまでだ。 要するに3人家族ということだ。
時間が刻一刻と過ぎ去る・・・。 それに感じたかせいか僕は少々急ぐようになった。
椅子に座って、机の上に開いてあるパンをむさぼりながら今日見た夢のことを思い出していた。
「何だったんだろうあの夢は・・・。 僕だったのかな。」
それは、僕によく似た一人の少年であった。その夢やけには生々しかった。
「それに、あの猫・・・。 何だったんだろう・・・。 あの表情・・・心がすっきりしない。」
僕は、心の奥底に針がささったかのような痛みを一瞬覚えた。
「まあ、考えてもラチが開かないな。」
そう考えつつも、やはり、あの夢のことを考えてしまう――――。
ようやく朝食を食べ終わり、さっさと着替えた。
それから玄関まで行き、靴を履いて、ドアを開けて、閉めようと後ろを振り返った時
「今日は何かある」
と、何だか分らないけど、 何かあるような気がしてたまらなかった。
僕は急いで走っていた。 ・・・けど、だんだん疲れてきて、徐々に速度が落ちていった。
「どうせ遅刻だから、別に走らなくてもいいか」
という気持ちが頭によぎったので歩き足になった。
ようやく学校に着いた。 時間はもう9:00を回っていた。
ちなみに、この学校の名前は「テンサイ学校」である。
「天才」「天災」・・・とどっちの意味か分からないがともかくそ〜いう名前なのである。
学校の始業時間は8:45。 クラス2つで、1つ35名という数少ない学校である。
僕は、目的が近くに見えてきたので、走りだした。
昇降口に入り、階段を上った。 すると、自分のクラスが見えてきた。
ガラ・・・
「井川か・・・。 お前は何回遅刻したら気がすむんだ?」
(・・・1000回) と心の中で思ってしまった。
「まあ、いい! 席に着け。」
先生の顔も、もう呆れ顔だ。
「はい、何度もすみません・・・」
僕も自分に呆れてきた。
――――昼休み。
「井川君、今日も遅刻しちゃったね。 これで何回目?」
近くにいた、僕の幼馴染の「穂並愛里」が喋りかけてきた。
「な〜んだ、穂並か。」
僕はそっけない返事をした。
「な〜んだ とは何よ!?」
「あ、ゴメンゴメン。 つい・・・」
穂並は僕の性格のことを分かっていたせいか、それ以上はなにも問わなかった。 でも話題を切り替えられ、
「話変わるけど、井川君って大切な人とかいる?」
穂並のあまりにも真剣な表情で質問されたので、ここは、ふざけてはいけないと思って、
「う〜ん・・・。 やっぱり友人とかかな。 第2候補は家族だけどね」
さすがに家族とは言えなかったけど、大切ではない というわけじゃなかったので一応候補に入れた。
「井川君らしい答えね。」
穂並は何か寂しげな表情を張り巡らしながら、遠くを見ていた。
「そ〜いう穂並は誰なんだ?」
「え!? わ、私!?」
いきなり、問われたのでびっくりした表情だった。
「穂並はお前しかいないだろ。」
僕は素直に優しく答えた。
「私はね・・・。 私も、友人とか家族かな! あと、恋人も・・・かな。」
穂並は何かを言いたげだった・・・と僕は悟った。 けど、なぜか、聞き出すことが出来なかった。
「そうか、同じだね・・・。」
「うん、同じ・・・」
穂並はまた、寂しげな表情で遠くを見つめていた。
やはり、今日の穂並は可笑しい。 それは、いくら、人に無関心の僕でも分かった――――。
――――下校の時
僕は歩きながら今日の朝の夢といい、穂並のコトといい何か不思議に思っていた。
まるで、穂並が僕に何かを伝えたかったかのように・・・。 そういうような気がしてたまらなかった。
僕は道端をうつむきながら歩いていた。 無意識の内に電柱の方に目をやった・・・ すると
「え・・・?」
僕は驚いた。 そこには夢で見た時と同じ色、形のダンボール箱が1箱があった。
まだまだ、ド素人の身ですが、次話も宜しくお願いします☆