新・私のエッセイ~ 第181弾 ~ ぼくの『死生観』~ 生あるものは、すべて死からのがれられない
・・・諸行無常、
あるいは、
栄枯盛衰という言葉があります。
この宇宙のすべてのものは、ひとつの例外もなく、その姿かたちを変え・・・
永久不滅・不変のものは、なにひとつ存在しない、という考えです。
その一方で、
「たとえ肉体が滅んでも、魂は永遠に生き続ける」という見方もあります。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「人間五十年、下天の内をくらぶれば夢まぼろしのごとくなり」
というフレーズを、皆さんも聞いたことがあるとは思います。
幸若舞『敦盛』の一節で・・・
人の世の50年間というものは、
天界の時間と比すれば夢幻のように儚いものだ、という意味合いなのですが・・・
これには続きがあります。
「一度生を享け、滅せぬもののあるべきか」
コレは、お題目で述べた、
「生あるものは、すべて死から逃れられない」ということを意味しております。
・・・ぼくたちは普段、とくだん意識はしていないけれど、
毎日毎日、
1秒1秒・・・
『死の瞬間』に向かって、誰もが進み、そして歩いています。
これは、単純な『運命』なんていう生易しいレベルのものではなく・・・
『宿命』です。
誰しもが、
いや、人間だけじゃない。
動物も植物も、微生物も、
都市も建造物も、文化遺産も世界遺産も・・・
やがては、いずれは、
形を変え、崩れて無くなっていきます。
生きているものは、
自分の家族、友人、持ち物にいたるまで、
いつかは手放し、失い、すべての愛しいものに別れを告げるときがやってきます。
・・・永遠にいっしょにいられるわけではないのです。
だから、
最後の『死の瞬間』まで、精一杯生きなくてはならない。
いま、この瞬間瞬間をムダにすることなく大切にし、
生きている喜びをかみしめながら、
しっかりと実感して味わいながら、
懸命に生きなくてはならない・・・。
この、ごくあたりまえのことを、
今宵は、なぜか書きたくなりました。
m(_ _)m