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お嬢様2
はてさてどうしたものか。
俺はすっかり怯え切ったふりをしているムゲンの頭を撫でながら考える。
周りを見渡したところ、負傷者3名といったところか。
「あ、あの。先ほどもおっしゃいましたが助けていただきありがとうございました!」
いかにもお嬢様って感じの女性が俺に話しかけてきた。
まじかよ!存在したのか、金髪縦ロール!
前に旅した時はついぞ見なかったが、やはり異世界貴族は金髪縦ロールが流行なのだろうか?
別にこのお嬢さんが貴族って決まったわけじゃないけど。
「いやいや、助けたのは俺じゃなくて、妹ですよお嬢さん。俺はちょっと手助けしただけで。ほら、ムゲンお前も挨拶しなさんな」
俺はムゲンにいうと、ムゲンは俺の背中に隠れてしまった。
人見知りの激しい、内弁慶だからな。
「魔法使い様はムゲン様とおっしゃるのですね!お二人ともワタクシの命の恩人ですわ!ぜひお礼をさせてくださいまし!」
興奮しているのか、鼻息を荒くして俺に詰め寄る。