プロローグ そして俺は恐竜に殺された
神は恐竜を創り、破壊した。神は人間を創り、人間は神を破壊した。そして人間は恐竜を創った
科学者たちは、何ができるかに夢中になって、それをするべきかどうかは考えない
「幻想じゃなく、実物を見せたいと思った。本物を。みんなが見て、触れられるものを」
昔の記憶、それは大切な祖父との記憶
僕は博物館で自分の数倍は大きい骨格標本を指をさして祖父の手を引く
「おじいちゃん、見て!おおきい!」
「ティラノサウルスだな、白亜紀最大の肉食恐竜だ」
「うわー!」
小さいな頃の俺は、恐竜の骨格標本に目を輝かせて見とれていた
「だいごは恐竜は好きかい?」
「良いモノくを見せてやろう、おじいちゃんのとっておきだから特別だ・・・本当は触らせちゃいけないから絶対誰にも秘密じゃよ」
次に見たのは恐竜のミイラの化石
恐竜の姿が完璧に近い状態で保存されてる世界に類を見ないものだった
「これは?これは!?」
「それはノドサウルス科曲竜類だねぇ、名前はボレアロペルタ」
祖父は、今は合うことはできなない
でも祖父の言葉は今も俺の中で生き続けている
「うん、大きくて強くてかっこよくて・・・あってみたい!」
「それがだいごの夢か・・・いずれ会える日が来るといいな」
「儂もそうだったな・・・一度いいから本物の恐竜に合ってみたかった」
思い出は唐突に終わる
今の前にあるのは、その骨格標本であるはずの
ティラノサウルス
そのティラノサウルスが
太古の昔、存在していて蘇ったティラノサウルスが現実にいる
だけど
その瞳は、遺伝子を勝手にいじくられて生み出された人への憎しみを映しているかのようだった
そして俺は恐竜に殺された