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偉そうに長く語って

作者: 朝焼 悠

例えば今日みたいな

どしゃ降りの雨の日に

傘もさせないで

どこにも行けずに

立ち尽くしていた


そんな日々が僕にはあって


時々考えるんだ

僕はその間に

どれくらい奪ってきたんだろうって


ずぶ濡れになり続ける自分の不遇や

動く事さえできない非力さを呪っては

ここまで自分を追い込んだ世間を

敵と決め付けて背を向けて

嘆いてばかりいた僕は

その間に

一体どれだけ


例えば

足元にあった草花の

渇きを癒やすはずだった潤いを

僕が遮り続けた為に

彼らは花も咲かせずに枯れていった


例えば

僕の体に留まったこの雨は

大地に染み込んだあと

巡り巡って

再び雨となり

文字通り恵みとなって

生命を救う一掬いになったかもしれない


その命に僕は気付こうともしないで

ただ

勝手に抱えた自分の絶望と

向き合ってばかりいたんだ


そんな極端な考え方していたら

生きていけないって

色々諭されてきたし

僕一人がこの世界に

そんなに大きな影響を与える訳がないって

流石に分かっている


でもそこで器用に思考回路を変えられるような

柔軟さを持っていたら

はじめからここまで

拗らせてもいなかっただろうな


なんか妙に説教臭くなってしまったけど

自分を肯定したい訳じゃなくて

正しかったと言い張るつもりじゃなくて


ただ僕がこの先も生きていくなら

忘れたくないだけなんだ


自分が

辛かった事

苦しかった事

頑張った事

だけじゃなくて


奪って来たかもしれない事を

傷付けて来たかもしれない事を


僕が勝手に想像した世界の話

かもしれないけど

僕は忘れないでいたいって


これだけ偉そうに長く語って

それだけなんだけど

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― 新着の感想 ―
[良い点] >奪って来たかもしれない事を  傷付けて来たかもしれない事を  僕は忘れないでいたいって この部分が…すごく、グッときました。 ────たまに。 誰かの目線になってみたい…
2021/03/13 21:09 退会済み
管理
[良い点] 純粋過ぎっ! 萌えました!! あたたかいシャボン玉の中で守ってあげたいような詩です...。 ↑ よくわからないたとえですみません。 今日も素敵な詩をありがとうございました(*´∇`*)♡…
2021/03/13 21:00 退会済み
管理
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