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転生冒険者がゆく異世界冒険譚  作者: カニ玉380円
第一章・転生冒険者と新しい出会い
8/81

『異世界の食事』

『腹が減っては戦はできぬ』ということわざがある。


人間、誰しも腹が減っていては集中して事を為せないのだ。


いやはや、3大欲求の力は恐ろしい。


というわけで、さっきから急に鳴き始めたこの腹の虫を抑えなければ…


(今日は色々あったからなぁ…飯のことなんて完全に忘れてた。)


忘れ物して学校で怒られて、友達に十字固めを決められて、帰宅中に通り魔に刺されて…


(そしてそのまま異世界に転生して、巨大イモムシの大群に追いかけられて……って。)


ちょっと、今日という日の内容の密度が濃すぎる気がするな。


主に、黒服の男に刺された下りから…


改めて思い返せば、『ずっとこのままがいい』って言ったそばから未知の異世界に飛ばされたんだよな。


流石にタイミング悪すぎるというか、何というか…


(もはや誰かに仕組まれてたとしか思えないな…)



…まあ、流石にそう決めつけるのは被害妄想が過ぎるかもしれないが



『ギュゥ〜〜〜〜ルルルルル』



一人で考え事をしている俺を急かすように、腹の虫が空腹を訴えかけてきた。



(……うん、そうだな。)


まずは飯を探さないと。





〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:





・クラムの実

多くの地域に自生するクラムの木から採れる木の実。赤紫色の皮に覆われた白い部分は食料となる。水分が多く、ほんのり甘い。



・リッカベリー

森の奥深くに自生する。生食は可能だが酸味が強く、果実酒などに加工して利用される事の方が多い。



・ロックナッツ

堅い岩のような殻に覆われた木の実。生食は可能だが、殻を割るのが大変であるためなかなか出回らない。殻にヒビが入り始めたくらいが食べ頃だが、同時に虫が侵入し始めるため注意。



鑑定眼のおかげで今すぐに食べられるものは割とすぐに見つかったが


(やっぱり、調理しないで食えるものってのはかなり限られてくるか…)


先ほど見つけたサカマキソウの様に、食用だが灰汁抜きや加熱と言った調理が必要なものがかなりあった。


植物だけではない。


兎のような動物を仕留めても加熱による調理は必須となってくるし、皮を剥いだり血を抜いたりして加工しなければならない。


そのため、今の俺でも食べれそうなものはそこら辺に生えている果実くらいしかなかった。


(やっぱり、どう考えても火が必要になってくるんだよな…)


様々なサバイバル関連の話でも火の大切さについてはよく説かれているが、やはり人間を人間たらしめるものだ。


いつ何時にも、火はなくてはならないものなのだろう。


(問題はどうやって火を手に入れるか。そこなんだよなぁ…)


火を起こす、なんて口で言うのは簡単かもしれないが、実際はかなり大変なはずだ。

ライターやチャッ◯マンが有れば別だが、残念ながら今手元にそんな文明の力はない。


(摩擦熱で火をつけるアレを再現出きればいけるか…)


あれってどんな仕組みだっけ?見た目以上に作成工程多かったような気がするけど。



『グゥ〜〜〜〜』



…まあ、そこら辺の話は採ってきた木の実を食べてから考えるとしよう。





〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:






クラムの実は甘さ控えめのライチみたいな感じだった。

ロックナッツは割るのは大変だったけど、ピーナッツとアーモンドとクルミを足して3で割ったみたいな感じで、かなり美味しかった。

リッカベリーは……


「ブッ!!ベッッ!!ベェッッ!!!」


俺の口に入って1秒で吐き出された。


(これ、人間が食べていいもんじゃねぇ!!)


元より酸味の強いものが好きじゃない俺だが、これは好き嫌いがどうとか言うレベルではない()()だ。

口に入れた途端に反射で吐き出す程にはヤバいので、もし異世界でこの実を見つけたら食べてみてほしい。


(確かに、説明に酸味が強いって書いてたけど強いの限度ってもんがあるだろうが!!)


今まであれほど酸っぱいものは食った経験がないから味について説明ができないのがもどかしい。

強いて言うなら、レモンの酸味が3倍になったくらい?

レモン丸かじりなんてした事ないからわからないが、多分それくらいやばい。


(絶対、リッカベリーは生では食わねぇ…)




余っていたクラムの実を口に突っ込みながら、そう心に決めたのであった。

レモン丸かじりできる人ってすごいですよね。

考えるだけで口が酸っぱくなる…


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