『魔法とは?1』
気がついたらオリンピック始まっててビックリしました。
「そもそも『魔法』とは何か。当たり前な事を聞いているみたいだけど、実際これはとても深い質問なの。
たしかに、『魔法』は誰もが知っているものね。
でも、何故『魔法』を使うことができるのか、そもそも『魔法』とは何なのか、と言った根本的な事柄ですら未だに研究が絶えず行われているくらい謎が多いの。」
(つまり、『魔法』は原理がイマイチわかってないのに日々の生活で使われているのか…
なんというか…『空を飛べる原理が分かってないのに飛行機が日常的に使われている』って話に似てる気がするな。)
実際の所、飛行機が何故飛べるのかの原理は既に解明されているため、この話はデマらしい。
翼の周りの空気の流れがどうこうと言っていた事だけは覚えているが、詳しい仕組みについてはよくわからない。
「だから、今から話すのは『あくまで『魔法』について判明している、もしくは推測されている事柄だけ』と言うことになるわね。
将来的に研究なんかで新しい事実が解明されていく可能性もあるでしょうし、なんなら『今から話す説そのものが覆される事だって充分にある。』って事は念頭に置いて話を聞いてね。
…さてと、前置きはこれくらいにして…」
そう言いながら、ラフィは持っていたバックから紙と鉛筆のような物を取り出す。
「魔法の説明するにあたってわかりやすいように、紙に絵や図なんかを描きながら教えるわね。
あ。私の話が分からない時は遠慮なく質問してくれて大丈夫だから、手を挙げるなりして教えてね。
まず、『魔法』というのは『体内の魔力や周辺に存在する魔力を利用する事で、意図的に発生させる現象の総称』って事はわかってると思うけど……」
『これくらい、知ってて当然だよな』と言わんばかりに『魔法』とは何かの説明が進む。
(すみません、わかってません。)
「………」
脳内でそう言ったつもりだったが、どうやら顔に出ていたらしい。
そんな俺の表情を確認してラフィは少しの間黙り込む。
「……わかりやすく言い換えるわね。
魔法と言うのはね……要は、『魔力』という『材料』を使って、『魔法』という『完成品』を作り出すという事なの。
…ほら、木を削って食器を作ったり、火に焚べる薪にしたりするでしょう?
『魔力』という材料を加工して作り出された多種多様な『完成品』。これらを総じて『魔法』と呼んでいるって訳。」
「なるほど…」
「『魔法』を作り出すために必要な『魔力』はいたる所に存在していているの。
自然にも、街中にも、私たちの身体にも…今、私達の目の前にある食べ物にだってあるわ。」
(自然の中や俺たちの身体はともかく、食べ物にすら魔力が含まれているのか…)
どうやら魔力というのは、この世界では空気や水と同様に至る所に存在するありふれたものであるらしい。
「で、ここからが大切なんだけどね?
ただ『魔力』を持っているだけじゃダメで、材料である『魔力』を『魔法』にしなきゃいけないの。
そこで、『魔力』を『魔法』に変化させる際に重要になるのが『詠唱』なのよ。
例えば…」
そう言って、ラフィは右手で机の上に置いてあったグラスを持ち上げて
『凍結』
そう唱えると、ラフィの右手に握られていたグラスに注がれた赤色の酒がみるみるうちに凍りついていった。
「おぉ…すごい…」
ラフィの魔法によって一瞬で凍りついたグラスを見て、思わず言葉を漏らす。
そんな俺の反応が嬉しかったのか、ラフィは少し得意げな表情をした。
「と、まあこんな風に魔法を使う際に『詠唱』を唱えるの。
そうすると、『魔力』を安定して『魔法』へと変化させることができるわけ!
『詠唱』は古代言語によって構成されているから、読み解くのはかなり難しいんだけど…」
(なるほど…『詠唱』は古代言語によって成り立っているのか………ん?古代言語?)
「えっと…古代言語って、一体なんですか?」
「ん?ああ。
古代言語というのは、文字通り古代に使われていたとされる言語の事よ。
神によって与えられた言語だとか、かつて魔法を使えなかった人間が魔法を使うために編み出したものだとか色々と言い伝えられているわね。
ほら、さっきも魔法を使うために唱えて……あの魔法は『フリーズ』って言うんだけど、何か言葉を口ずさんでいたでしょう?アレが『詠唱』で、古代言語の文章なのよ。」
「ああ。確かにさっき『フリーズ』って言ってましたね。」
相槌を打ちながら軽い気持ちで俺がそう言う。
「……え?」
俺の言葉を聞いたラフィが、突然呆気に取られたような顔で硬直した。
(え?何?何で急に黙っちゃったんだ?)
「……あの。もしかして、気に障る発言とかしてしまっていましたか?」
「……もう一回、さっき話していた事を言ってみて?」
「え?えっと…確かにさっき『フリーズ』って言ってました……ね……と……」
(あれ?)
『古代言語は、文字通り古代に使われていたとされる言語の事よ』
『何か言葉を口ずさんでいたでしょう?アレが『詠唱』で、古代言語の文章なのよ。』
ラフィがついさっき言っていた話を思い出す。
(『詠唱』は古代言語の文章、って事はつまり……)
「……『詠唱』、きちんと出来てるわ。それも、とても綺麗な発音で…」
マジかよ。
『』←こいつ多い。
後書き(補足説明)は多分次話でまとめて書きます。




