『番外編・とある少女のお話』
唐突な番外編。
とある少女の郷愁。
そよ風に吹かれ、さわさわと音を立てて揺れる木々の葉と、温かな木漏れ日が差し込むのどかな森。
そんな森の中にあるお花畑、少女が楽しそうに話している。
「風が気持ちいいねぇ〜」
【そうだねぇ〜】
「お外で遊ぶのはやっぱり楽しいねぇ」
【お花も綺麗だし、お日様もぽかぽかしててきもちいいねぇ】
「きれいなお花……あっ、そうだ!ねぇ、お姉ちゃん。このお花で大きなリースを作ろうよ!」
【いいね〜!お家に持って帰って、パパとママにプレゼントしよう!】
「パパとママ、喜んでくれるかな?」
【きっと喜んでくれるよ!だって、パパもママもお花が大好きだもん!】
そして森に楽しげな笑い声が響く。
そんな楽しげな談笑をしながら、少女はリースを編み上げていく。
そうして、もうそろそろ出来上がるといった時だった。
「おーい!!」
【あ!パパの声だ!迎えに来てくれたんだね!】
「リースを作るのに夢中になっちゃってたね…」
【そうだね〜。早く帰らなきゃ…】
「……ねぇ、お姉ちゃん。」
【んん?どうしたの?】
「また、一緒にここで会おうね。約束だよ。」
【…うん。わかった。約束。】
「いたいた!もう、ダメだろう?勝手に森の中に入っちゃ……ん?そのリースは?」
「パパとママの為に作ったの!!一生懸命作ったんだよ!」
「…そうか………ぐすっ……本当に、本当に優しい子だなぁ…
この優しさをあの鬼ママにももっと見習ってほし……い、今のは聞かなかった事にしてくれるかい?」
「だーめ!今のパパの言ったことはママにちゃんと伝えます!」
「や、やめてくれぇ!!夕飯抜きはもう嫌だ〜!!」
「あはは!パパのお腹が空き過ぎて大変だねー」
楽しそうに笑い合う二人の声は森にこだましていた。
「さて、それじゃあ帰ろうか!リースのお礼に、肩車をしてあげようか?」
「うん!」
「ようし!!
じゃあ行くぞー!
落っこちたら大変だから、しっかりとパパの肩に捕まるんだ!」
「…ねぇパパ?
パパは私の事が好き?」
「ああ、もちろんだ。
パパも、ママも。
お前の事を、とってもとっても、世界で一番愛しているよ。
可愛い可愛い、私達のソフィア。」
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「………夢……随分と古い思い出ね…」
ベットに仰向けに寝転んでいるその少女は、すっかりと見慣れた宿の天井をぼんやりと眺めながら、そんな事をぼやく。
「…あの場所も、家も、家族も、もう全部なくなってしまったというのに…」
かつての己の故郷、今はなき憩いの地を思い出し、少女は喪失感に苛まれる。
そんなやるせない気持ちを誤魔化すためか、うっすらと開けていた目を閉じながら、少女、ソフィアは吐き捨てるように
「………お姉ちゃんなんて………大嫌いよ。」
そう、一言呟いた。
なんか意味深な感じになってしまいました。
モヤモヤっとなった方いたら申し訳ないです。
ちなみに割と本編に関係ある内容だったりします。




