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転生冒険者がゆく異世界冒険譚  作者: カニ玉380円
第二章・転生冒険者とゴブリンロード
32/81

『深夜テンションの時に書いた文章を、シラフで読んで悶絶するアレ』

長いタイトルだなぁ…

ハッと、目が覚めて窓の方を見る。まだ薄暗く、起きるには少し早いと言える時間帯のようだ。

少し寝ぼけてはいるが、昨日の夜の謎の夢(謎の声との会話)の内容ははっきりと覚えている。


ふぅと溜息をつき、俺は心情を表す独り言を思わずぼやいていた。


「いや、なにあれ?怖すぎだろ。」


夢にしてはあまりにもはっきりとその中身を覚えすぎている。


きっと、あの声が言っていたように自分の深層精神とやらに干渉してきていたのだろう。


(日本ならまだしも、ここは魔法が当たり前の異世界だしな…

『あれは夢だった』なんて、楽観視して考える事はできないか。)


それにしても、昨日の自分は()()と平然と会話(と言うよりも念話?)をしていた。

感情を()()()()()()()()にしても、あの状況が異常事態だとは認識できていた筈なのだが…


(俺の精神に介入して会話をしに来た?

さらには俺を守る為に精神の繋がりを強くしたいから、それを承諾してしてほしい?)


例えるならば、突然見ず知らずの誰かが家の鍵を無理矢理こじ開けて『お話しようぜ〜』と土足で上がり込んで来た挙句に『お前をやべー奴から守るから、お前んちの合鍵を作ってくれよ。あ、悪いけどまだお前を狙ってる奴の事は教えられねーわ。信じてくれよ。』と言ってきているようなものなのだ。


(聞いたことのない声だったし…そもそも姿すら見てないぞ。

挙げ句の果てには、何故か俺が最近冒険者になったことまで知っていた…俺のストーカーか何かなのか?)


加えて、『上がり込んできた不審者は覆面を被ってて顔が見えないし、声も聞き覚えがない。

しかし彼方はこっちの日常生活や最近起こった出来事は把握済み。』という状況。


当然、合鍵作成(精神の繋がりの強化)なんて承諾するわけがない。


(ははっ…日本なら問答無用で即通報案件だな、間違いない。

()()()考えればそれが当たり前の事だ。


なのに、何故だ…)


あの時、自分はそれ(勝手に精神に侵入)をしてきた声の主と、当然のように話し合っていたのだ。

何度考えても意味がわからない。


しかも、話はこれだけでは済まない。


(…片目だけ暫く開けてから寝れば、またアレに()()()()とやらをされるんだよな…)


考えただけで身の毛がよだつ。


そもそも、『他者の深層精神に勝手に介入して会話を試みる』なんて常識外れ(二つの意味で)なことをやってきた奴がまともな考えをしているわけがない。

何故あの時の自分はそう考えて拒絶しようとしなかったのか、今考えると不思議でしかない。


(この事について保留にして欲しいって言ったのは紛れもない俺自身だ…あの時の俺(深層精神の俺)、本当にやらかしてくれたな。)


あの時に恐怖などの負の感情を感じていたのなら、間違いなくあの申し出を蹴っていたであろう。


しかし、俺はそう言った感情を一切感じていなかった。

だからあんな訳の分からない話を『保留』という形で終わらせてしまったのだ。


(うわぁ…

これ、ずっと無視してたら向こうから勝手に精神に介入されるんじゃないか?

あっちがその気になれば繋がりを強めることもできるようだし…)


『俺が容認すれば繋がりを強くするのが楽になる』と言っていたので、無許可でも可能ではあるのだろう。痺れを切らして強行突破で無理矢理介入を行ってこないとも限らない。


(そもそも、あの声が言っていた『()を消そうとする()()()』なんて存在がこの世界(異世界)にいるということ自体が謎だ。)


俺はこの世界の世情に疎いし、特に何かしらの強い力を持つわけでもない。


それこそ、あのまま森に放置されていれば…ソフィアに会えていなければ、きっとこの世界のことを何もわからないまま勝手にくたばっていた。


それくらいの弱い存在なのだ。


(…強いて言うなら、周りよりも少し成長し易いと言った点は脅威になるのか?)


これが一応の脅威(命を狙われる原因)とはなり得るかもしれないが、ソフィアの圧倒的な力を見た後では、自分がそれ(優先して抹消する)ほど強力な存在だとは思えない。

そんな俺を好き好んで(忌み嫌って?)殺しにくるような物好きが、果たしてこの世界に本当に存在しているのか?


あの声は『()()()は、俺が冒険者になった事で俺を認知する可能性が高くなった』とも言っていた。


(しかし、冒険者になるのだから多少なりとも他者からの認知度が上がるのは当然だよな…)


正体不明の未知の人物(しかも声オンリー)の言うことを少しでも信じて『もしも本当だったら怖いし、その要件は保留にしてくれ』などと言ってしまった浅はかな自分に苛立ちの念が込み上げる。

そもそも、何かから守るというその()()についてと、喋ってる本人が自分は何者なのかが言えない時点で怪しさしかないのだ。

逆に信じられる点が何一つない。


(幼稚園児ですら怪しんで断るレベルだぞこれ…

俺を狙ってる()()()なるものの存在は出まかせで、別の目的の為に無理矢理精神に介入して来たって可能性が高すぎる…

ああ、完全にやらかしたなぁ…)


もっとも、あそこできっぱりと断った所であちらが潔く身を引いたのかと聞かれれば疑問だ。

しかし、多少なりとも()()()()()()()という事実がアレとの繋がり(精神介入の度合い)を強めてしまった可能性だって十分考えられる。


(なんにせよ、よからぬ事がある可能性は高いよな…)


と、マイナスにばかり考えていたのだが、ふと思い出す。


(アレは、俺に『()()()から守る為に』と言っていたよな。

…もしかして、その()()()ってのはこの森の異変の原因と関係あるんじゃないか?)


あの声は『冒険者になった以上、時間はあまりない。選択は早めに決めた方がいい』と言う主旨の発言をしていた。


()()()とは()()()()()()()の事を指していたのでは?




〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:




その後、あの声の主の目的などについてを考えていたが、わからないまま朝になっていた。


(なんか、昨日の夜の寝る前の状況と既視感(デジャブ)を感じる…)


悩んだ末に、結局は『よくわからない』という答え(原点回帰)に行き着く。


どちらの問題も、解決するにはあまりにも材料(情報)が少なすぎたのだ。


「まあ、重要な事が分からずじまいなのは今に始まった事じゃないか。

よしっ!心機一転、依頼でも受けに行くかな。」


今日はまだソフィアに会っていないが、この前は初依頼の付き添いとしてついてきてくれただけだ。

何度も手伝ってもらっていては、それこそ今のヒモ状態に拍車をかけかねない。


(第一、今日はA級冒険者の会合があるらしいからな…

尚更、ソフィアに依頼の付き添いを頼む訳にはいかないよな。)


夕方ごろには宿でグッスリと寝てる()()()()()、ソフィアは忙しいのだ。

俺のお守り(簡単な討伐依頼)の為に同行をせがむなんて烏滸がましい(おこがましい)真似は流石にできない。


(もし、ソフィアが俺の事を見に来たら『(アキラ)はギルドに依頼を受けに行っている』と伝えてもらうように、宿の受付さんに言っておくか…)



手紙のような物(より具体的な情報)を残せればいいのだが、文字を読む事すら出来ない俺には難しい(というか不可能)。

やはり読み書きは出来ないと日常生活で色々と不便だ。


(おいおい、この世界の文字についても学んで行かないといけないな。

この世界の文字や文脈が英語や日本語みたいに慣れやすい仕組みなら嬉しいんだけど…文字を見る限りは違いそうだよなぁ…)


そんなことを考えながら、俺は宿の受付に行くのであった。

物事を考える際、感情という物はかなり重要になると思います。

恐怖の感情がなければ、作者だって高い場所にある橋を、下の景色を眺めながら平気で渡る事ができるはずです(作者は軽い高所恐怖症)。


ちなみにタイトルの『深夜テンション云々』と、深層精神での明は厳密にはかなり違いますが、結果として同じ様に後悔するような事をやらかすって認識でタイトルに起用しました。


深夜テンション→気分がハイになって色々と吹っ切れたことを書いたり下ネタばかり使うようになる。

結果、冷静になって見返した時に悶絶する。


深層精神→感情という、物事の判断に必要な物の一つである要素が存在しない。

それにより、危機感や疑問を持つと言う思考を抱きにくくなる(『疑問を持つと言う思考を抱きにくくなる』主な理由は、相手が嘘をついていた場合に要件を飲んだ自分が陥るであろう状態への恐怖を感じない為)。

そんな状態の所に、よくわからない声が来たところで「誰の声だろう?聞き覚えがないな…」程度の認識しかもたない。何故ここに?とは思うかも知れないが、その声がいたところで別に恐ろしとも思わないので「まあ、いっか」となる。


深層精神の核心には触れたくないので詳しくは言えませんが、深層精神内では『感情がない、思考が鈍る等の状態』へとなります。


その為、会話の中で「〜な可能性があって君の身に危険があるから契約して?」と言われたら「そうなのか。じゃあ結んどく」と即答しかねない。

明の場合、完全に知らない人(?)からの提案だったので完全に信用まではしなかったものの、「でもその話が事実だと嫌だから保留で」と答えた。


結果、目が覚めて感情を再び抱くようになった途端に、自分が置かれていた状況や会話の内容に関する恐怖や驚き等が一気に押し寄せる。


今はこんな認識で大丈夫です。深層精神の詳しい説明はもっと後で出てくると思います…


(ここでいう『深層精神』の説明は、作者が無い頭を使って考えた造語のような物です。


本作品での設定などとも絡めて説明を書いておりますので、グー○ル先生等で検索して出てくる[深層心理]等の言葉とは異なる内容の恐れがあります。

「誤情報を教えるなkasu」と思われた方々、誠に申し訳ありません…)

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