『不穏な空気、深まる謎』
更新がなかなか出来なくて申し訳ないです…
誤字脱字、おかしな文脈等があったらすみません。
ソフィアへの質問や要求責めがひと段落ついた頃に、ソフィアが頼んでくれた料理が運ばれてきたのだが
「これは…」
目の前に置かれた肉料理。
焦げ目がついていながらも肉はピンク色、しかし火がきちんと通っているのがわかる『美味しそうな焼き加減』で、炭火で焼かれた肉特有の香ばしくて食欲をそそる匂いを漂わせている。
見た目、香りどちらも素晴らしく、とても旨そうだ。
旨そうなのだが…
「ちょっと…流石に量が多くないですかね?」
その肉料理は2〜3キロを優に超えるんじゃないかと言うくらいの巨大な肉をローストしたものだった。
それが、『ドンッ』といった効果音が付きそうな感じで大きな皿に乗っている。
漫画とかによく出てくる宴会料理のメインディッシュみたいな、バカでかい塊肉のステーキだ。
「はい!当店からのサービスです!
是非ご賞味ください!」
屈託のない笑顔で店員が答える。
心遣いはとてもありがたいのだが、この量は流石に食い切れない。
「あの…流石にこの量は一人じゃ食べきれないと思うんですけど…」
あくまで目算でしかないが、おそらく3キロはある。
このサイズの肉を食べられる人間は、間違いなく大食いタレントとしてやっていけるだろう。
あいにく、俺はそんな大食いタレントの様な異次元胃袋を持ち合わせてはいない。
しかし、そう言った俺の様子を見て、店員は首を傾げて不思議そうにしている。
「えっ?確かに通常の物と比べれば大盛りではありますが、冒険者の方々ならこれくらいの量ならば余裕ではないのですか?
よくここに来られる冒険者の方々は、この料理の2倍ほどの量を頼まれますよ。」
「…えぇ。」
なんと、これでも少ない方らしい。
(いやいや、流石にこの量が少ない訳ない…よな?
…本当に、冒険者ってそんなに大食いなのか?)
そんなことを考えていると、カウンター席で追っかけと仲良く酒を飲んでいたウィリアムが口を開いた。
「おいおい…あんまりアキラをいじめてやんなよ…
そんな量の肉料理が食える奴なんて、俺でも片手で収まるくらいしか知らないぞ…
とにかく、冒険者がどえらい大食いばっかなんてのは店のねーちゃんの冗談だからな!
間に受けなくていいぜ。」
「………。」
無言で振り返り、店員の顔を見る。
「…ふふっ。
いや〜、ソフィアさんのお連れさんったら見事に騙されてくれましたね〜。
驚いた表情見れて嬉しいですよ〜。
でも、もっと驚いてもいいんですよ?
それこそ、驚きのあまり気絶するくらいに…」
…さっきのことを少し根に持ってません?
『なんで俺にだけ?』と多少不服に思いつつも、店からの善意で出された塊肉をどうするか考えるのであった。
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先程の大量の肉料理は、ウィリアムやソフィア目当てに来た客にお裾分けをする事でなんとか完食(?)に成功した。
そして、ソフィアも問題なく料理を食べ終わったので会計となったのだが…
「それでは、レッドホーンのローストが一点、バージェス自慢の新鮮サラダが一点で合計銀貨一枚になります。」
(大体、本来の俺の依頼報酬の半分以上の金額か…
やっぱり結構するんだな。)
当たり前だが、全財産が銅貨一枚の俺には到底払える額じゃない。
『ワンチャン自分で払えるかな〜』なんて甘い期待を持っていたが、どうやら無理そうだ。
ソフィアは金貨を取り出して店員に渡した。
(あれ?
さっき確かに『銀貨一枚』って言ってたよな?
金貨って、明らかに銀貨よりも価値が高いのでは?)
「これでお願い。
お釣りはチップとして受け取ってもらえるとありがたいわ。」
「え!!いいんですか!?ありがとうございます!」
店員の反応からして、やはり金貨は相当に高価なのだろう。
金貨一枚で銅貨何枚分の価値があるんだろうか…
「ソフィアの姐さんって、本当に細かい金額持つの嫌いだよな〜。
銀貨数枚くらいは持ち合わせてた方が色々と楽だぜ。」
「…別に、他の人に迷惑がかかるわけでもないからいいの。」
少しムスッっとした表情でウィリアムを睨むソフィア。
そして軽くため息をついた。
「…それはそうと、ウィルはまだここに残るつもりなの?」
「ああ。
こいつらに、俺の武勇伝を話し切れてねーからな。
後2時間くらい酒を飲みながら語ってやろうと思ってる。
という訳で!!店員のねーちゃん、追加の酒を頼む!もちろんこいつらの分もな!」
それを聞いた追っかけの人達がワイワイと歓声をあげる。
(これ狙いで追っかけてるんじゃないかこの人ら…)
それにしても、まだ正午を過ぎたばかりぐらいの時間帯だと言うのに、こんなに長時間飲んだくれてて大丈夫なのだろうか…
「……ウィル。
明日の会合の事、忘れてないわよね?」
追っかけに囲まれながら、酒を浴びるように飲んでいるウィリアムに、ソフィアが呆れたように問いかける。
その問いを聞いたウィリアムは、先ほどまでの笑顔を真剣な表情へと変えた。
「……ああ、わかってる。」
「…そう。
ならいいのだけど。」
「ウィリアムさん!なんの話してるんですか〜!
俺らにも聞かせてくださいよー!」
「そーれすよー!
おれたちー!ウィリアムさんのお話もっとききたいー!」
「あー、お前さんらには関係ねー話だ。
気にすんな。」
呑んだくれ達をあしらうように話を逸らすウィリアム。
…なんだか、裏で物凄く重要な話が進んでるような気がしてならない。
さっきのギルドにソフィアが呼び出された件にしろ、会合とやらの話を聞いたウィリアムの反応にしろ、どうにもきな臭い。
「…俺が聞いていい話かどうかわからないんだけどさ。
その会合って、一体なんなんだ?」
どうせ先程のようにはぐらかされるだろう、と半端諦めながらもソフィアに聞いてみる。
「明日、A級冒険者だけで集まって会合を開くのよ。
日々の活動の報告会みたいなものだから心配はいらないわ。」
「そうそう。
ただA級だけが集まって話し合うだけさ。だから大した事じゃあねえ。」
「……なるほど。」
二人は簡単な報告会だと言っているが、その会合が開かれるに至った原因があるのは間違いない。
なにせ、その会合に呼ばれるのはそんじょそこらの冒険者とは比べ物にならないほどの重要人物達なのだ。
…それこそ、大きな問題ごとがあるような時に行われる話し合いだと考えるのが妥当だろう。
(…そういえば、ソフィアは森の異変を調査するためにこの街に派遣されたんだったけ?)
ロックタートルから助けてもらったあの時にソフィアから聞いた事を思い出す。
もっとも、あの時のソフィアは森の異変の原因を見つけることは出来なかったとの話だった筈だ。
(それに、ウィリアムからも同じような事を聞いた気がするな…
えっと…そうだ。
俺がダメージを与えていた超巨大芋虫の姿をウィリアムが見た時だ。
あの時、確か『例の森の異変』がどうこう口にしていた気がするけど…)
ウィリアムの独り言だったので思い出すのが遅かったが、確かにそう言っていたことは覚えている。
(A級冒険者だけで行う会合、そして森の異変か。)
どう考えても何かやばい事が起きているとしか思えない。
(…あの森で、一体何が起こっているんだ?)
今更ですが、満席だったのにアキラとソフィアが店に入れてるのは臨時で店員が用意したためです(店の奥にある予備の椅子と机を大急ぎで設置しました)。
追っかけは、基本的にその冒険者の事を好きで追っています。酒や飯を集るために追っかけをする人はほとんどいません(ちなみにウィリアムの追っかけは、他の男のA級冒険者に比べて男がかなり多いです。曰く、頼れる兄貴肌なウィリアムの人間性に惹かれたとの事)。
また、『冒険者に奢って貰った際に遠慮するのは、逆に失礼に値する行為なのでやめる』という暗黙のルールも存在しています。
遠慮すると、『無理しないでいいよ。あなた、そんな事出来るほどお金持ってないでしょ?』というニュアンスで捉えられてしまいます。
今更ですが、補足説明行きます。作者が書きたいだけなんで読まなくて大丈夫です。
今回は、都市エルドの人口、一般市民の職業等について話していきます。
都市エルドのは人口は約10万。そのうち、エルドの街には約3万人が暮らしています(ギルドがあるのはエルドの街です。ギルドの詳しい説明や役職の仕組みなんかも、おいおい説明していきたいなぁ…)。
都市エルドの人口は、この世界の都市の中では少ない方です(最も人口の多い王都は50万近くの人が暮らしています。なお、その内20万近い人は地方からの出稼ぎなどで王都に来た者達です。)。
次に一般市民の職業ですが、こちらは都市エルド内の街によって職種や比率が大きく変わっています。
ですので、今回はエルドの街だけ話していきたいと思います。
都市エルドに一番多いのは、やはり商人です。
街には食料品を売り捌く市場、薬屋、骨董品店、武具屋、防具屋、雑貨屋……と物凄い数と種類の店がずらりと並びます。商業都市の名に恥じぬレパートリーです。
次に多いのは傭兵や警備員です。
これはモンスターから市民を守るための兵というより、商品の盗難防止の為や商品の輸送中の護衛の為、ボディガードと言ったように用心棒として雇われます。もちろん、腕のいい傭兵は高くつきますが、同時に『こんなに優れた傭兵を雇えるほど儲けているんだ』というアピールにもなります。ちなみに冒険者兼傭兵というのは可能ではありますが、中途半端なため誰もなろうとはしません。
そして次に多いのは兵士。
こちらは傭兵とは異なり、国営の軍事職です。
仕事は『街の安全を守る』こと。日本の警察と大体は同じ感じですね。
あとは、教師、医者(回復魔法が使える人が医者として働いています。まだ本編に回復魔法出てきてないけどこの世界にも存在します。)などの、その他に当たる職業がちょくちょくいる感じです。
ちなみに、エルドのギルドに属する冒険者は大体800名ほど。うち、殆どがD、E級冒険者です。また、元冒険者の傭兵もかなり多いです。




