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転生冒険者がゆく異世界冒険譚  作者: カニ玉380円
第二章・転生冒険者とゴブリンロード
24/81

『予想外の結末』

武器がない?関係ない!

相手がデカい?知った事ではない!


なぜなら、俺には(これ)がある。


「うおぉぉぉぉ!!!」


警戒して動かないデカイモにこちらから仕掛ける。

急に向かってきた俺の動きを封じるためか、デカイモは糸玉を吐こうとする。

だが、


「そんなに見え見えの攻撃(糸玉)に当たるかよ!!」


頭の向きから、糸玉の攻撃範囲を予測して攻撃の範囲外へと飛び退く。吐き出された糸玉は地面にへばりつくように落ちた。

今のうちだ


「とりゃ!」


ボグッ!と音を立て、俺の拳がデカイモの身体にめり込む。


「ギャシャァァァァ!」


今の一撃がかなり効いたのか、苦しそうな悲鳴を上げてグネグネと暴れて出した。

すぐさま回避しようとしたが、至近距離で暴れられたので避けきれずに勢いよく吹き飛ばされる。


(くっ、流石にあの距離で暴れられたら回避は無理か。だが、手応えはあった。)


普通のキャタピラーも、とある状況に陥った場合にあのように特殊な動きをする(暴れ出す)


それはダメージを受けて己が危機に瀕している時だ。


(かと言って、俺も余裕がある訳じゃない…か。)


ステータス画面をチラリと見ると、体力が226/550となっていた。


(こっちの体力も半分をきってる…下手に攻めると攻撃を受けかねない……となると)


足下に落ちていたあるものを拾い上げる。

そして


「オラァ!!!」


ブンッ!!


「!!!」


予備動作ほぼなしで、拾い上げた()()を芋虫に投げつけた。

俺が投げつけた物、それは前世であれば決して投げるなんてできなかったであろうもの。


直径約25cm、20キロは優にあろう小さな()を、思い切り投げつけたのだ。


仮に、現在の俺の力で投げつけるとしても、石ころ(いしつぶて)程度ではあのサイズへのダメージになるかどうか怪しい。

せいぜい、表皮を傷つける程度で終わるだろうし、決定打にはならないのはやらなくても分かる。


しかし、投げつけるのがただの石ころではない(大砲の弾並の岩)としたら?


ゴスッ!!と鈍く、そして大きな音が響き


「グギャャャャァアアアアアアアアア!!!」


デカイモが今日一番の悲鳴を上げた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキル.投擲操作技術のレベルが上がりました!


投擲操作技術LV3→投擲操作技術LV4


スキル.会心撃のレベルが上がりました!


会心撃LV1→会心撃LV2


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時、ステータスからスキルレベルアップの通知が来た。


(会心撃のレベルも上がったって事は、さっきのが致命的な一撃って事だよな。)


勝ちが見えてきた。このまま攻めれば…


相手は満身創痍、この調子なら勝てる。

さっきの様に岩を投げれれば安全に倒せる。

しかし、先程気がついてしまった。


俺って武術系のスキルなくね?と。


それは、あの地獄の(放課後の)特訓(中山流スパルタ教育)善戦していた(一方的に技を)組み手(掛けられていた)、それら中山との特訓(思い出)の成果が実っていなかったという事…


(あいつに馬鹿にされてる様でなんか癪だな…)


高校にいた頃、中山に『技がなっとらんなぁ!!』だの『ふはは!どうした?そんななよっとしたパンチが効くと思っているのか?』だの散々言われていたのを思い出す。


(このまま投擲だけで勝ってしまったら、それを認めてしまってるようなものじゃないか?)


そうだ!瀕死の相手にビビってるようじゃあ、あいつ(中山)に馬鹿にされる。

……いや、あいつ大の虫嫌いだからな。こいつ(デカイモ)どころか瀕死のキャタピラーでも見た途端に即逃げ出すか気絶するな。


……まあ、それはともかく、


(素手でも戦えるようにしておくのは、今後の事を考えても色々と役に立ちそうだしな。)


今回の戦闘で、武器を使えなくなる場合がある事がわかったのだ。素手で戦う際に役立つスキルを手に入れておくべきだろう。

幸い、相手は瀕死だ。ゴリ押しでも勝てる。


(そうと決まれば突撃あるのみ!!)


そう考え、デカイモに向かって突っ込んで行った。



そして



グニュッ



「ぶべらっ!!」



先程デカイモが地面に吐き出していた糸玉を踏んづけて勢いよく転んだ。




〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:



とある森に、一人の大馬鹿者がいたそうな。


そのものは、いろいろあって巨大な化物を追い詰めていた。


目の前の瀕死の化物を見たその大馬鹿者は、『化物弱ってるし素手で倒したろ!』などと考え、不用意にその化物の方へと突っ込んでいったんだと。


そして、瀕死の化物が残していた(意図せず置いた糸)を踏んづけて盛大に転び、そのまま動けなくなっちまったとさ。




どうも、その大馬鹿者です!

現在、地面に広がっていた糸玉に、右腕以外の手足を絡めとられて踠いて(もがいて)おります!

ですが、いくら頑張っても抜け出せそうにありません!

おっと!超デカイ芋虫が近づいてきました!これはピンチです!

一体、この後どうなってしまうのでしょうか?

このままモシャモシャ食べられてしまうのでしょうか?それとも…?

以上!現場から中継でお伝え致しました!!



「キシャャァァァァァァァアアアアアア!!!」



「食べないでくださぁぁぁぁい!!!!」


(ああっ、デカイモの口が近い!!ってか口の中がやばい!!SFモノのボスキャラの口の中みたいに小ちゃい歯が無数に生えてる!!命を刈り取る形をしてる!!こんなのに齧られて食われるとか絶対嫌だ!!)


糸を踠きながら、食われまいと必死の抵抗をする。


しかし、その必要は無かった。




ズシャッ!!


俺が食われそうになっているその時、デカイモの背中側から何が斬られるような音がした。


直後、口を開けたまま、その巨体が力なく崩れ落ちる。


「ほいっと!ジャイアントキャタピラーの討伐完了!それにしても既に手負いだったとは…原因は()()森の異変って奴かね?」


デカイモを倒したであろう()()の声が聞こえる。男性の声のようだが、芋虫の身体のせいで確認できない。


「あ、あの!!助けていただけませんか?」


そう声をかけてみる。


「ん?人の声?一体どこから……ってうお!!何じゃこりゃ!!」


声の主は鎧を着た男だった。

栗色の短髪で、容姿の整った爽やかそうな男性という印象だ。

彼は、すぐに俺に近づくと剣で絡みついていた糸を切り離してくれた。


「助けていただき、ありがとうございます。」


「そりゃあ別にいいけど……一体どうしたのお前さん?冒険者……にしては見覚えのない顔だが…もしかして森に迷っちゃった市民の方?」


「あ!俺、ついさっきE級冒険者になったササキアキラ(佐々木明)って言います。訳あってそのジャイアントキャタピラーに食われかけてました。」


すると、鎧の男性は驚いたような顔をして


「新米の冒険者か……えっ?もしかして、こいつを瀕死にまで持って行ったのってお前さん?」


「はい、まあ結局食われそうになりましたけど…」


「マジか!すごいな!!ジャイアントキャタピラーなんて、本来ならC級クラスの実力がある奴が倒す相手だぞ!それなのに新米のE級でここまで善戦できてるとは……お前、名前はアキラって言ってたよな?」


「はい、アキラです。」


「アキラ!お前には()()()()()()がある!もっと胸張っていいぜ!!このA級冒険者、ウィリアム・ノートンが保証してやる!!」


「え、A級冒険者!?」


ソフィアと同じ階級であるA級。つまり、実質の最上位冒険者ということになる。


「ふふ、そうだ!つまり、俺はお前さんの大先輩って事だな!」


そう言って、ウィリアムは俺の肩を叩いた後、自分の鞄から紫色のポーションを取り出した。


「こいつは見込みある後輩へ、大先輩たる俺からのプレゼントだ!」


そう言って俺にそのポーションを渡してくれる。



・ハイポーション

体力と魔力を同時に回復できる高級ポーション。

かなり高価だが、品質は一級品である。街などで購入可能。


高級品ですって奥さん。見ず知らずの俺に宿まで取ってくれたソフィアといい、助けた俺に高級ポーションをポンと渡すウィリアムといい…やっぱりA級冒険者ってのは懐が暖かいんだな。


「あ、ありがとうございます。」


「なぁに、気にする事はねえよ!今日は街に帰って、そいつを飲んでゆっくり休むと」


ウィリアムがそう言い切る前に


「ちょっとウィル!!他人の獲物を勝手に倒しておきながら命の恩人ぶってるんじゃないわよ!」


突然現れたソフィアが、大声でウィリアムの言葉を遮った。



……ああ、デカイモとの戦いに夢中になり過ぎて、ソフィアが一緒に来てくれている事を忘れてた。

また新キャラが登場しました!

A級冒険者のウィリアム・ノートン君です。


ウィリアム君が剣でアキラに絡まった糸を切っていますが、これは彼の剣が火属性の魔力を含んだ魔鋼で出来ているためです。

早く魔鋼について後書きで語りたい…物語の進行はよせな…


さて、今回の補足説明はA級冒険者に対するこの世界の世間一般の認識と、ギルドの認識について。

あとはA級冒険者がA級たる由縁について書いていきます。

まあ、今後物語の本文の方でも詳しく書くつもりではあるんですが、A級冒険者の新キャラも出てきたので簡単に説明しておきます。



一般的な人々からのA級冒険者の認識は


・単独で大抵のモンスターを容易く倒せる。

・高いパラメーター、多くのスキル、特殊ステータスを持つ。

・多くの依頼を受けている大ベテラン。

・高嶺の花、雲の上の人。

・もし嫁げれば完全に勝ち組。


と、かなり好印象かつ強大な存在という認識です。

わかりやすく一言で言えば『我々を危機から守ってくれているヒーロー』ですね。

まあ、ただですら強い冒険者達の中の最上位的存在なので当たり前といえば当たり前かも知れません。

ちなみに低い階級の冒険者も同様の認識を持ってます。


一方、ギルドのA級冒険者の認識としては


・B以降の冒険者が依頼を受けるにあたっての安全調査の要として重要。

・A級冒険者一人一人が、軍の一個大隊と同等かそれ以上の戦力であるため、管理には細心の注意が必要。

・ギルドの顔であり、主な武力。緊急事態を解決するために向かわされがち。


と、『なくてはならない人材でありながら取り扱いには注意が必要な人』という認識が強いです。

こちらは一言で言うと『様々な事が可能な便利屋でもあり、緊急時の切り札の一つでもある。』と言った感じ。やっぱり一言じゃなかった。


A級は、強大な力を持つが故に未開の新天地に送り出され、そこに危険がないかを確かめるカナリアをやらされます。

冒険者の中でも最上位の強さを誇り、何があってもある程度対処ができるA級だからこそ未知を開拓できるのです。

そんな、彼らA級冒険者達の涙ぐましい努力もあって、多くの冒険者たちが自分に合った難易度の依頼を受ける事ができています。


また、一定以上の階級(一般的にS、A、B級だが、ごく一部の特殊戦闘能力を保持する者も含まれる。)を持つ冒険者は全員、戦闘スタイル等をギルドに申告しなくてはなりません。

これは緊急時、その事態を収めるのに適した人材をすぐに判断できるようにする為と、森などに残る戦闘痕の原因の判断を行う際に参考になるためです。


戦闘痕の例を説明すると

『森の木が大量に燃えている。』

『火を利用する戦闘スタイルを持つ冒険者の依頼状況を確認する。』

『A級冒険者のソフィアが、その日に依頼を受けていたので、依頼の際に木を燃やしたかどうか確認を取る』

『戦闘の際に燃やしてしまったそうなので、これはモンスターではなく冒険者のソフィアによる戦闘痕である。』


といった風に、痕跡の原因を確定するのに役立ちます。

(仮に、この火災問題がソフィアのせいでなかった場合、炎を使うモンスター発生の恐れがあるとして調査依頼が出されたりします。)



次に、A級冒険者をA級たらしめる由縁についてです。

こちらは

・優秀なスキル、特殊ステータス、又はその両方を多数所持している。

・高いパラメーターを所持し、圧倒的な力でモンスターを捻じ伏せる。

・強力な魔術などを使用する事で、強力な敵を倒す。


などなど。正直、上げだしたらキリがありません。

A級冒険者にはこれらの由縁を複数満たす人々も多くいます。

事実、ソフィアもウィリアムも複数を満たしています。



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