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転生冒険者がゆく異世界冒険譚  作者: カニ玉380円
第二章・転生冒険者とゴブリンロード
23/81

『初任務にて』

今回は当て字が多いです。

無事条件を満たし、晴れてE級冒険者となった俺は


「また会ったな……巨大イモムシ!!」


初任務、〈キャタピラーの討伐〉を達成すべく森に入っていた。この依頼の対象はE級以上の冒険者。なので俺でも受けれる討伐クエストだ。

ちなみに


「アキラ。キャタピラーは糸を吐くから、絡め取られないように気をつけてね。」


「ああ!わかった!」


ソフィアも一緒についてきてくれている。

というのも


『この前みたいにロックタートルに出会ったら危ないでしょ?初任務だし、護衛としてついていくわ。安心して、危ないと判断するまでは手出しはしないから。』


とのことらしい。本当に、ソフィアには何から何まで世話になりっぱなしで頭が上がらないな…


さて、それはそうとこの世界に来て初めての戦闘だ。気を引き締めていかねば…

先ほどから目の前には巨大イモムシ、もといキャタピラーが威嚇をする様に身体を持ち上げてこちらを見ている。


それに答えるように、俺は手に持っている剣を構える。

「ふぅ、いくぞ…」


ちなみに、この剣はギルドで貸し出されている銅製の剣で、一般人でも使えるように軽くできているためとても使いやすい。

他にも槍や弓の貸し出しもしていたが、そちらは体験した事がなかったので選ばなかった。


「とりゃっ!!」


ザクリ、と剣がキャタピラーに切り込まれる。その直後、切り口から緑色の血が吹き出し、キャタピラーが絶叫を上げた。


「キシャァァァァァァァ!!」


「うわっ…」


自分で切っておいてなんだが、正直かなりグロい。

緑色の内臓みたいなのが切り口から出てるのが見えるし、吹き出る血の量もかなり多いのだ。

しかし、切られたキャタピラーはそんな状態になってもなお、身体を捻らせながら暴れていた。


(下手に躊躇うと逆に苦しめてしまう、少々気が引けるが)


ザクッ!!


暴れていたキャタピラーに剣を振り下ろす。

流石にこれには耐えきれなかったのか、キャタピラーは動かなくなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


新たにスキル.『会心撃LV1』を習得しました。


新たにスキル.『魔物殺しLV1』を習得しました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


直後、新しいスキル取得の通知が出る。

今回はモンスターを倒したからだろうか、一角兎の時よりも早くスキルが手に入った。


この調子でどんどん行くぞ!!




〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:




その後も、俺は問題なくキャタピラーを見つけては倒していった。途中、糸に絡め取られかけたり、後ろから突進を受けたりはしたが。


「これで、止めだ!!」


「キシャァァァァァァ!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レベルが上がりました。


ステータスの全パラメーター値が上昇します。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そうしているうちに、ついにレベルが上がった。


(ついにレベルアップか…それにしてもパラメーター値の上昇ね……)


一体どのくらい上がったのだろうか、気になるな。


「どうしたの?アキラ。」


キャタピラーを倒してから動かなくなっていた俺にソフィアが声をかけてきた。


「いや、ついにレベルアップしたみたいだから、ちょっとステータスを確認しようかと思ってな。」


「あら、レベルが上がったの?おめでとう。」


「ありがとう。さてと…少しは強くなれてるといいんだけどな。」


じゃあ早速ステータスを確認してみますか。


「ステータス」




ステータス


名.佐々木 明     性.男

種族.人間   職業.E級冒険者

LV 6

体力.453/550

魔力.120/120

スタミナ.225/300

攻撃力.55

防御力.44

魔法攻撃力.28

魔法防御力.28

素早さ.95

運.11


スキル

・観察眼 LV2

・疾走 LV2

・鑑定眼 LV2

・投擲操作技術 LV3

・剣術 LV2

・回避術LV1

・会心撃LV1

・魔物殺しLV1


特殊ステータス

・異世界転生者

・言霊の加護

・地の星の民





おお……やはり職業欄にまともな職業が書いてあるのって素晴らしい。でも、今見るべきはそこじゃないな。


(パラメータ値は結構上がってるみたいだな…体力とか確か前まで500だったし…)


全体的に元々のパラメータの1割分の数値が増えた感じか。一部例外はあるみたいだが。

見たところ、スタミナと魔力の上昇率が他に比べて高いようだ。素早さも地味に多めに増えてる。


「どうだった?」


ソフィアが尋ねてくる。


「全体的にパラメーターが元々の1割分くらい上昇してた。後は新しいスキルの『会心撃』と『魔物殺し』ってのが増えてたな。」


すると、ソフィアは目を見開き


「え?1割?キャタピラーの討伐でレベルアップしたのにパラメーターがそんなに上がったの?」


と、聞き返してきた。


「ああ。と言っても、スタミナと魔力、素早さはもっと上昇率が高いみたいだ。

その、『()()()()上がった』ってどういう事だ?もしかして、このパラメーターの上昇率って異常なのか?」


「ええ。本来、レベルアップの際のパラメーター上昇率は()()()()()()()()()()()()()()モンスターの強さで変化するのよ。キャタピラーは、それこそ一般人でも倒せる程度の弱いモンスター。だから、いくらキャタピラーを沢山倒してレベルアップをしたところでパラメーター値はほとんど上がらない筈なのよ。」


「つまり成長率がおかしい(異常に高い)と?」


「うん。さらに付け加えると、キャタピラーを10匹そこら倒しただけでレベルが上がってるのもおかしいわ。これに関しては、元々のレベルが5(低い値)だったからだと納得してたけど…どうにもそういう訳じゃなさそうね。」


となると、なんらかの原因で俺のレベルアップには補正が入っているということか?でも、そんな事はどこにも…


(いや、待てよ。)


そういえば、勝手に名前から意味を推測して確認しないままの『特殊ステータス』があったよな…


「ソフィア、ちょっと待っててくれないか?もう一度ステータスを確認してみる。」


「わかったわ。」


(さて、『異世界転生者』と『地の星の民』の特殊ステータスの説明は…)



・異世界転生者

星と星を跨ぎ、異界の地へと迷い込んだものは、その魂に強い力を得る事ができる。

この特殊ステータスを保持するものは、レベルアップの際の全パラメーターの上昇率が大きく上がる。

また、この特殊ステータスを保持しているものは、必ず『言霊の加護』も得る事ができる。



・地の星の民

地球と呼ばれる星の民が、その星に住う神より賜るとされる特殊ステータス(特別な加護)

レベルアップの際に必要となる経験値の獲得量が1.5倍になる。また、新しいスキル及び、スキルレベルの獲得率も上昇する。



………なんつう性能だよ、こい(『異世界転生者』と)つら(『地の星の民』)

これって要は、経験値バフとレベルアップボーナスの加算が常に発動してるって事だよな?おまけにスキル取得率まで上がってるとか…

『異世界転生者』に至っては別の特殊ステータスを確定で手に入れるというおまけつき(二段構え)だ。


(通りで、スキルが簡単に手に入った訳だ…)


一角兎の時といい、今回といい、あまりにも簡単にスキルが手に入っていたので『こういうものなのか』と考えていたが、どうやら特殊ステータス(『地の星の民』)のおかげだったようだ。

これほど優秀な特殊ステータス(常時バフ効果)を見落としていたとは…

改めて、ステータスの確認は大切だと分かった。


(そうだ。さっき手に入れたスキルも確認しとかないとな。)



・会心撃

魔物に致命的な一撃を与えた者が習得できる。攻撃のクリティカル率が上昇する。スキルLVに応じてその上昇率が変化する。スキルLV10で強化が可能。


・魔物殺し

魔物を殺した者が必ず習得する。魔物に与えるダメージに若干のプラス補正が入る。スキルLV5で強化が可能。



……さっきの特殊ステータス(ぶっ壊れ性能ども)のせいであんまりすごく見えないが、二つとも結構使えそうなスキルだ。


(クリティカル率がどれくらい上がるか明記されていないのと、()()()プラス補正とかの単語が使われているのが少々不安だが……

流石に1%の確率上昇とかダメージ増加なんて渋い性能じゃないよな?)


流石にそんなショボいスキルでは無いと信じたい。


さて、新しく獲得したスキルの説明も読み終わったし、依頼を再開した方がいいか。


何より、ソフィアをこれ以上待たせるのは良くないな…


「待たせてごめん!さっきのパラメーターの事なんだけど……やっぱり何もわからなかった。」


正直に『特殊ステータス(ぶっ壊れバフ)』のためだと言いたかった。

しかし、これらの(『異世界転生者』)特殊ステータス(と『地の星の民』)()()()ギルドの測定時のステータス欄には書かれていなかったのだ。

そのため、この事をソフィアに伝えるのは無理だと判断し、わからなかったと嘘をついた。

騙す様で気がひけるが、あの時に表示されていなかった特殊ステータスが二つも有るなどと正直に言った所で流石に信じてはもらえないだろう。


「不思議ね…ステータスにすら記述がないなんて…アキラは特殊な体質でも持ち合わせているのかしら…」


そう言って首を傾げるソフィアを見て罪悪感を覚えるが、真実について上手く説明する自信がない。


「まあ、とりあえずパラメーターの事は置いておいて、まずは依頼を終わらせよう!暗くなってきたら困るしな。」


まだ辺りは明るいが、もう2時間も経てば日が沈むだろう。

夜の森は危険なので、できればそれまでには街に帰っておきたい。


「ええ、そうね。…アキラのパラメーターの件は後で考えることにしましょうか。」



そう言って、俺とソフィアは再びキャタピラーを探すのであった。




〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:




「おいおい…マジかよ…」


目の前にいる()()を見上げて、思わず俺は驚愕の声を上げる。


()()は、中型トラックを彷彿とさせるほど大きさの、巨大な…


「デカすぎだろ!()()()()()()!!」


イモムシだった。

キャタピラーがさらにデカく、グロくなったみたいな超巨大なイモムシ。体表は緑と黄色の毒々しい模様で覆われ、所々から太くて長い毛が生えている。そんなキャタピラーの親玉みたいな奴が、俺の方をキャタピラー(己の同胞達)を殺された仇と言わんばかりに睨んでいる。

先程、普通のキャタピラーを倒したのだが、そいつが死ぬ間際に仲間を呼ぶために奇声をあげたのだ。おそらく、この超巨大イモムシはそれを聞きつけてきたのだろう。


とりあえず、鑑定眼で目の前のイモムシの詳細な情報を見る。


・ジャイアントキャタピラー

キャタピラーが成熟し、さらに長い年月を生き永らえる事で巨大化した個体。強力な粘着性の糸を吐く。肉食で、人間も食べようとする。



との事。やはりキャタピラーの親玉的な存在という事だろう。それにしても人間を食べるイモムシって……


ちなみに、この危機的状況下で、ソフィアはどうしているかというと


「キツそうだと判断したら手助けするわ。とりあえず一人で頑張って戦ってみて。」


とのこと。なるほど、流石の安心感だ。多分その気になればこんなイモムシ、瞬く間に消し炭に出来るのだろう。


冒険者になった俺は、とにかく戦闘に慣れなければいけない。その為の練習も兼ねて一人で頑張って戦え、という事だ。


「まあ、やるしかないよな!!いくぞでっかい(ジャイアント)イモムシ(キャタピラー)、略してデカイモォ!!!」



「ギシャャャァァァァァァアアアアア!!!」


そう言った途端、デカイモがこちらに真っ直ぐ突っ込んできた。


「うおっ!!危ねぇ!」


唐突な突進にびっくりしつつも既の所で避ける。

当たればロックタートルの時ほどではないにしても、かなりダメージを受けそうだ。

俺に突進を回避された後、木に激突していたデカイモは、俺に攻撃を避けられた事に腹を立てたのか


「ギュアァァァァァァアアアアアアア!!!」


さらにブチギレたと言わんばかりにけたたましい咆哮を上げて、またこちらに突進してきた。

さっきよりも明らかに速くなっている。すぐにでも避けるべきだろう。だが、()()()動かない。


「ただ避けてるだけじゃあ倒せねぇからなぁ!!」


デカイモがぶつかる直前に身体を逸らし、突進の軌道に突き刺すように手に持っている剣を動かす。

その直後、剣が構えてある場所を超巨大芋虫が通り抜けていく。

そして


ズシャッ


自分から剣に斬られに行くように突進したせいで、デカイモの側面がザックリと切り裂かれた。


(よし、カウンター攻撃成功だ!)


「ギジャャャャァァァァァアアアア!!」


やっと一撃。だが俺の腕への負担も半端ない。


(くっ、流石にあの質量での突進を受けたらこうなるか。この方法(突進へのカウンター)は乱用できないな。)


デカイモの身体が柔らかかったとは言え、あの巨大による猛突進の最中に無理矢理剣を差し込んだのだ。突進の衝撃が伝わってやばい。一回カウンター攻撃を当てただけで、じんじんと腕が痺れる。


(となると突進後の硬直時間の方を狙って攻撃を仕掛けるべきなのか…)


今はダメージで怯んでいるものの、すぐにまたこちらに向かってくる。今のうちに対策を練らなければ…


「ギュシャァァァァァァ……」


しかし、デカイモはこちらを警戒していた。

流石に突進が悪手である事を理解したのだろう、先ほどまでような愚直な攻撃(突進)はしてこなかった。

その代わりに


プシュ!!


「っ!!」


大量の糸で作った糸玉を吐きかけてきた。

慌てて横に飛び退くが


「くっ、…剣に糸が当たっていたか…」


吐きかけられた糸を避ける際に掠っていたのか、地面に広がった糸玉に剣がくっついてしまっていた。引っ張っても引き千切れない。


(糸を使うって事を忘れてた……

こう言う事も考えて予備の武器を用意すべきだったな…この様子じゃ、この剣はもう使えないだろうし)


糸が纏わり付くせいで動かせない剣を手放す。

これで俺の武器は無くなった。


デカイモがしめたと言わんばかりに突進してくる。

確かに今の俺は手ぶらだ、()()()持ってない。


「だけどな!武器を持って無くても!!」


そう言いながら突進を身を引いて回避する。

そして


ドスッ!!


「グギャャァァァァァアアアアアア!!!!」


デカイモの横っ腹に、中山直伝の『中段突き』をお見舞いした。


「武器が無けりゃ何も出来ないなんて思うなよ!!こちとら空手有段者からの指導(組み手練習)受けてた(無理強いさせられてた)んだ!!」


武器が無くても素手で戦える。頑丈になった今の身体なら尚更だ。


思わぬ一撃に動揺しているのか、こちらを警戒して動かないデカイモ。

当然だ、無力化した筈の相手からの唐突な一撃。これに驚かないわけがない。


(結着がついたと油断していたようだが、残念だったな。)


「さあ!!戦いはまだまだこれからだ!!」


明は熱中すると色々と周りが見えなくなり、他の物事が頭から抜けて忘れてしまうタイプです。

どの程度かと言うと、ジャイアントキャタピラーとの戦闘が始まって3分でソフィアが一緒に森に来ている事を忘れるほどです。


それにしても、今回出てきた『特殊ステータス』の当て字が多すぎる…


今回の後書き(補足説明)ですが、『森の奥地』についての説明をさせていただきます。


・一般的な依頼での『森』が指す領域は『既に人による干渉がなされており、ある程度の状況が認知されている森の一部』、つまりは探索による安全性の確認が完了している範囲の事を指しています。

この探索済みとそうでない場所の境目は、おおよその目印があり(目印として使われている物は看板、ロープなど)、その目印より奥の部分を総称して『森の奥地』と呼んでいます。


・ギルドが何故、『森の奥地』まで調査をさせないのかというと『森の奥地はまだ未開拓であり、何がいるかわからないため。』です。


『なら、早く森の調査なり何なりして奥地の安全を確認しろよ!』と思われるかもしれません。

しかし、『森の奥地』の様な未開の地の調査には、A級以上の冒険者が5名以上必要と、ギルド本部によって決まっています。


これは、かつてとある洞窟を探索していた探索隊(A級2名、B級5名、C級15名により構成)が、洞窟の未開拓地域にて強力なモンスターに遭遇し、報告の為に命辛々逃げ出したC級以外の全員が死亡したという事件があったため。

ちなみに、このモンスターは今後の物語で出てくる予定で、かなり重要な役割を持っていたりします。(この強力なモンスターはゴブリンロードの事ではないです。)


また、この街のギルドが探索をしていない理由を具体的に書くと


『森の奥地には強力なモンスターが生息している恐れがある。』


『森の奥に入れば入るほど、1日での調査が難しいため夜営をしなくてはならない。安全性が不確かな場所での夜営は危険であるため、一度に広い範囲を探索する事が叶わない。』


『単純にA級冒険者が忙しいため、探索隊を結成する事ができない。』


と言った感じですね。

異変が起きていると分かっても、奥地を見にいかなかったのはそういう事です。


今回、この話を急にしたのは超巨大芋虫ことジャイアントキャタピラーが、この『森の奥地』出身のモンスターだったからです。


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