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転生冒険者がゆく異世界冒険譚  作者: カニ玉380円
序章・転生冒険者
1/81

『プロローグ』

初投稿です。拙い文章と内容ですが、読んでいただければ幸いです。

いつも通りの、なんの変哲もない退屈な日常が、いつまでも続くだなんて誰が断言できるだろうか?




〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:





木枯らしが吹くような肌寒い冬の朝。


いつものように枕元に置いてあった目覚まし時計が鳴り響く。


冬の朝あるある。

ほぼ意味のない目覚まし時計のアラームだ。


(頭では起きようと思うんだけど…


やっぱり布団からは出たくないんだよなぁ…)


そう思いながらも、布団の中から手をニュッと出して目覚まし時計を止める。



もちろん、今すぐ起きる気など毛頭ない。



何故なら、寒い日の朝には二度寝はつきものだから。


この時期の布団には、人をダメにする魔性の()()が取り憑いているのだ。

それは、人如きでは抗い用のない強大な力をもつ()()で、その姿は決して見る事ができない。


見えないものは倒しようがないのだから、起きれないのは仕方がない。



「明!!!折角の朝ご飯が冷める前に起きなさい!」



……とはいえ、流石に朝ご飯を食べずに学校に行く訳にもいかないか…



(…さて、起きるか。

…あ、やっぱり寒い……


もうちょっと身体あっためたいからあと五分だけ寝よ……)



「もう!いい加減に起きなさい!!」


「うわっ、寒っ!!」


痺れを切らした母さんの、無慈悲な『布団引っ剥がし』が炸裂し、温かかった身体が急激に冷えていく。


布団の温もりに慣れてしまっている今の俺に、冬場の朝の冷気はかなり堪える。


「ああ〜、体温がぁ…

俺の体温が奪われていくぅ……」


「馬鹿な事言ってないで、さっさと学校行く準備終わらせちゃいなさい!」



依然布団の上で縮こまっている俺の頭をペシッとはたく母さん。


部屋には焼けたトーストとウインナーの匂いが漂っていた。





〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:





朝ごはんを食べ、歯を磨き、着替えて登校の支度を終える。


現在時刻8時前、あと30分で遅刻となる。


今頃、生活指導の高橋Tは校門で目をギラつかせている頃だろう。


玄関で靴を履き、鞄を持つ。


「じゃあ、行ってきます」


「大丈夫?忘れ物ない?」


心配そうに尋ねてくる母さん。


遅刻する未来が見え始め、急いでいた俺は


「大丈夫大丈夫!

行ってきます!」


見送ってくれた母さんの顔もろくに見ずに、駆け足で家を出た。






〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:





「で、英語の教科書忘れてハゲゴンに怒鳴られたって訳だ。

流石は明だな!期待を裏切らないなぁ〜!」


案の定、というべきか。


忘れ物をしていた俺は、クラスメイトの中山に絶賛いじられ中である。


ただ忘れ物をしただけなら、こんなにもいじられたりはしない。


よりによって忘れた科目の教科書がハゲゴンこと禿村先生の受け持つ英語だったのがいけなかった。


反面教師の鑑と評判のハゲゴンは、学校の嫌われている先生ランキング上位(生徒間で秘密裏に集計、ちなみに最も好かれている先生は国語の美濃先生で愛称は聖母先生である)に位置しており、もちろん俺もハゲゴンの事は嫌いだ。


実際、今日も俺以外に教科書を忘れていた女子がいたが、お咎め無しで代わりに俺だけ怒鳴るという贔屓っぷりを見せた。


女子ばっかりいい扱いしやがってあのハゲ…。


「うるせー!!

学校に置きっぱなしにしてると思ってたんだよ!!

てか女子も忘れてるのになんで俺だけ怒鳴られるんだ?不平等だろ!」


「ほほほ、負け犬は吠えよるの〜」


「んだとぉ!!!

よろしいならば戦争だ!!」


「ふはは、よかろう。

受けて立つ!こいよ明ぁ!!」



こうして切って下された火蓋は…


「おい、佐々木、中山、授業始まるぞ席に着け」


「「うぃっす」」


タナカッチャンこと数学の田中先生によって強制鎮火された。





〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:





「は〜、疲れたぁ〜」


「言うほど疲れたか?

あ!お前はハゲゴンに怒鳴られちゃったから疲れたのかぁー!!」


「どっかの誰かに柔道にもかかわらず十字固め決められたからだよバカヤロウ」


数学の授業の後、体育の授業で内容が柔道の練習だったので中山との試合という名の喧嘩の続きをしたのだがボロ負けしたのである。


柔道黒帯所持の中山が『俺は優しいから手加減してやる』などと言ってプロレス技を掛けてきたため関節が死にかけたというわけだ。


正直まだ肩が痛い。



「見事に決まってとてもスッキリしたわ!

ありがとな!」


「…お前に定期的に足の小指をぶつけるようになる呪いをかけてやりたい。

それか、仰向けでスマホしてたら顔にスマホが降ってくる呪い。」


「どっちも地味に嫌だな…」



そんな他愛もない会話をしながら、見慣れた通学路を二人で歩いていく。


そうして中山の家の近くに着く、いつも通りだ。



「じゃあな!また明日学校で!」


「おう!

足の小指をぶつける呪いをネットで調べて、明日お前にかけてやるからな!」


「お前、まだそのネタ引きずってんのかよ…

…まあ、出来るもんならやってみろ!」



そんな、最後まで下らないやりとりをしながら中山と別れる。









ありふれた日常は、なんの前触れもなく終わりを告げる

主人公の名前は佐々木明ささきあきらで、球技大好きな高校生です。


中山君の本名は中山透なかやまとおるで、武術オタクっぽい子です。最近はテコンドーにハマってるとか。ちなみに虫が大の苦手です。

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