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05 長過ぎる鎖

 馬車に乗って自宅に戻る。

 その間も奴隷商は奴隷の扱いを色々教えてくれた。

 特に強調していたのは、意思疎通は基本的に出来ないという点だった。

 異国語であることに加えて、強制的に連れてこられた地の言葉を覚えようとする奴隷はまず居ないと。

 それではどうすればいいんだ?と聞くと頭を引っ叩くと言いたいことが何となく伝わるという予想通りのことを言われてしまった。


「しかしね、旦那様。その奴隷は牢の中でも一言も喋らなかったんですよ。他の奴隷がするようにここから出してだのなんだと喚くのが普通なんですけどね。」


 なんとも言えない顔で奴隷商が付け加えるのだった。

 

 


 家につくと奴隷商はまた今度お伺いしますと言って去ってしまった。

 とりあえず家に戻るかと、鎖を引っ張ってまで誘導する。

 妙に長い鎖なので一部が地面と擦れてしまいジャラジャラと音を立ててしまうのが気になる。

 

 玄関に到着し、ドアに手をかけた瞬間、このまま奴隷を家に入れて良いものかと考えついてしまった。

 自宅に風呂はあるといえばあるが、ここ最近は近くの共用風呂によく行っている。

 たしかあそこは奴隷も入浴可能だったはずだが、逃げ出したりはしないだろうか。

 いや、たしか逃げ出そうとする奴隷が居たときは、確かきっちり店主が捕まえていたはずだ。

 でもいきなり連れて行って良いのだろうか。

 

 同じことを何度も考えるという俺の悪い癖が出てしまった。

 ふと振り返って奴隷を見ると、あたりを見渡すわけでもなく背筋を伸ばして立っている。


 売られた奴隷なら普通逃げることを真っ先に考えるのではないだろうか。

 同時に、馬車の中でも背筋を伸ばして座っていたことを思い出した。

 大地主の娘ってことはいきなり逃げ出すような無謀な賭けをするはずもないだろうし。


 結局の所、奴隷の姿勢が良かったからという信憑性の何一つ無い根拠で共用風呂に向かうのだった。

 

 

 

 共用風呂に到着して、鎖を外す。

 男女で分かれる前に、伝わるわけでも無いと思いながらも奴隷に指示を出す。


「いいか、きっちり洗って出てくるんだ。入浴道具は中で借りられるし、服はさっき買ったこれを着なさい。で、風呂から上がったらそこで待ってるんだ」

 

 出入り口近くの長椅子を指差すと、奴隷はわかったのかどうかはわからないが頷き女風呂に走っていくのだった。




 風呂から上がって待ち合わせの長椅子を見ると、奴隷がいた。

 姿勢も正しく、逃げる様子もなく背筋を伸ばして座っていた。

 正直驚いたが、変に暴れるようなタイプではなくて助かる。


「帰るぞ」


 そう言って行き先を指さすと問題なくついてくる。

 頭を叩かないと意思疎通が出来ないとあいつに言われていたが、そんなこともなさそうだ。

 

 首輪をつけて帰るか悩んだが、家についてから外せば良いと思い、一応つけておいた。

 ただ音がなるのは品がないように思えるので、鎖の大部分は奴隷自身に持たせることにし、先端の部分だけ俺が持つことにした。

お読みいただき感謝です!

前回の文章量が多く感じたので、今回は短めです!

でもなろう小説は初めてなので長さの基準がよくわかりません!すいません!

評価していただけると間違いなくやる気爆増するのでぜひぜひお願いします!

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