表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

ショウタイフメイ

やっぱり何度見てもこれは現実だ


俺の目がおかしいとは思えない。

目の前の壁には新たに文字が刻まれていた。


〈約束を守ってくださってありがとうございます。私のことを誰なのか気になることを察します。しかし教えることはできないのです。〉


約束とはたぶん誰にもこの壁のことを言ってないことだろうな。

それにしてもやっぱり何か事情があるのかな。


〈お礼と言ってなんですが、ひとつ伝えておきます。あなたは私のことを知らないですが、私はあなたのことを誰だか知っています。〉


え?まじで?


さらに気になってきたじゃねーか。


〈そして、あなたの家族のことも。〉


「えええ?!」


自分が思ってないほど大きな声がでてしまった。

静かなこの部屋に俺の声が響きわたった。



いやいやいや、誰なんだよまじで!俺は眉間にしわを寄せ考えてみる。

高校の参観日にもつれてこないから、そんな高校では知ってるやついないよな・・。

幼馴染の信太郎と担任の先生くらいしかこの学校では知らないはずだけど。


あ、そういや幼馴染といやー栗野雪もだ。


いや、そんなわけはないな。こんな丁寧な文章がやつに書けるはずもない。



俺は再び壁に目をやる。


〈驚いたかもしれませんね。しかしこれは本当なんです。近々、あなたにも話す時が来ると思います。今すぐとはいきませんが。〉


驚いたかもしれませんね、って。まったくなんなんだよ。人の心も読めるってか。はは。


〈それではそろそろ時間なのでまた後日伝えたいと思います〉


「なんだよ、そろそろ時間って。書けばいいことなのに。」


俺はため息をついて絵を壁にかけなおした。


まったくもったいぶる人だなー。

まるでドラマの犯人の顔がわかるって時にCMが入る時みたいだ。



開いてる窓から夜風がふいて俺の肌をなでた。


そうだ、お使い頼まれてたんだ。


早くしないと女3人に怒られそうだ。


俺は軽やかに窓から外に出て、走って正門に向かった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ