逆襲の勇者!
さてふと違う所に目を向けてみると?
勇者達は脱獄した!
「罪なんて後で幾らでも償ってやるぜ!」
盗賊の持ち前のスキルで、技術で、
王城にある牢獄からとっとと脱出してしまったのだ。
「なあ勇者よ!
取り上げられた武器道具の位置を大体、把握した、
地図を見てくれ!」
「おう盗賊よ!」
「盗賊、助けてくれてありがとうね」
「ありがとうね」
「礼には及ばねえよ、僧侶に魔法使い」
彼らは自らに着せられた罪に納得がいっていなかった、
魔王は俄然悪い奴に決まっているはずだからである。
「あったわ!警備は堅かったけど、
眠らせてしまえばちょろいものね!」
「ほら勇者よ、お前の剣だ!」
「おおっ! 懐かしの!」
それは勇者の剣、輝きをまとった確かな一振り、
それさえあれば敵を倒す事は容易であり、
かの魔王さえも一撃のうちに葬り去ってしまうことだろう。
「さあて、道具袋も中身も無事だった!
俺たちのゆくところといえば?」
「決まってる!」
「魔王退治!」
「そうよ!絶対に許せないんだから!」
勇者達が脱獄したことは、表沙汰にされるとまずいと、
国王含め、王国は読み取った故に、
限られたものしか知らないトップシークレットとして、
これを捜査するものも選び抜かれた精鋭が用いられたが、
「くっここももぬけの殻か!」
そこは盗賊の察知能力が上回った、
かくして、盗賊と捜査官の騙し合いが続く中、
勇者達は!
「ついたぜ! 魔王領!」
「やったわね! ここまで苦労したんだから!」
「おお神よ我らを許したまえ!」
「僧侶よーここまできたら神様うんぬん言いっこなしだぜい!」
懐かしの魔王領にたどり着いた。
あとは流れに身を任せるだけだ!
「なるべく戦闘を避けて、進むんだ!」
「あったりまえだぜ! 何万も相手にしてられるか!」
ゆっくりとだが着実と歩みを進めていく勇者一行は、
避けられる戦いは避け、
避けれない敵は事故死にみせかけたおし、
異常なまでの隠密能力でこれを成し遂げた。
やがて魔王城下の町にさしかかったころには、
盗賊の技術ですっかり魔族に変装してしまっていた。
「誰にも気づかれてないな」
「よし、情報収集は完了した、
どうやら魔王城の警備はさほど前とは変わってないらしい」
「幹部級の配置も全然、大丈夫なようね」
「よかった!前より警備を強めて無くて」
勇者一行は魔王城に再びの侵入を試みた、
前回の経験を元に、今回はより素早く、確実に、
勇者は到達した、魔王の間に!
「魔王! 再び来てやったぜ!」
「年貢のおさめどきよ!」
「今回は本は無いようね!」
「てめえの命運も尽きたってわけだ、ん?」
魔王の玉座に座っているのは、
「よくぞここまで、いらっしゃいました、
勇者一行様方」
魔王の娘、サルシャ姫だった。
魔王の娘、サルシャ姫!
対決となるか?!