VS武の魔王
勇者達どんどん、
レベルアップしてますね、
たぶん。
武の魔王の城は悪趣味極まりないものであった。
今まで狩ってきた魔族や魔物の剥製に満ちており、
特に廊下の壁にずらっと並べられた首は幾万を数え、
自らの武功をなんら恥じることなく堂々としていた。
そんな王である故に、いまレジスタンスを襲っている、
軍勢を止めるために、武の魔王の支配を解く必要がある。
「慎重に行こう」
敵との遭遇を避けて、盗賊お得意の侵入の技術で、
さっさと武の魔王が要る、武の魔王の間についてしまった。
「頼もう!」
「こら勇者!軽いわよ!」
「もう、台無しじゃないですか」
「まあ、ここで逃げ隠れするわけにはいかないわな」
「武の魔王、黙ってないで顔を見せて下さらない?」
「お前は、文の魔王の娘か?」
武の魔王は静かにそういった。
「あら、御明察ね、さすがお父様の元同僚だけのことはあるわね」
「ゲートが不完全であったゆえに、
比較して魔力の薄い文の魔王が適任とされ、
人間界に派遣されたが、どうやら勘違いであったようだな」
「随分な言い方なのね、この魔界と比べたら、
いかにお父様の領土が静かなことか、
まあ戦好きらしいあなたに何を言っても通じないでしょうけど」
「大魔王様も甘いお方よ、
今の今まで、人間と融和姿勢を見せた、
文の魔王をほうっておいたのだからな!」
「話も終わりかい!? かかってこいよ!武の魔王!」
「あんたなんか焼き尽くしてあげるわ!」
「神様がゆるしても私があなたをゆるしません!」
「俺の剣裁き、とくとみるがいい!」
(いつになく牙を向いてますわね)
「さあ、お前たちの力を見せてみよ!
わが幾百を越える武器の前でな!」
武の魔王は武器を自在に操ると、
それぞれを勇者達に向かわせ、襲いかからせた!
「剣には剣をってか!」
勇者は三十の剣を相手にしながら、
これと切り結んでいたが劣勢だ。
「疾風!」
風の魔法で防御態勢を取った魔法使いは、
雨あられと飛んでくる矢を弾き飛ばしたが、
二十の弓から発せられる矢は留まることを知らない。
「祝福を!」
僧侶は全員の能力を底上げし、自らは、
「防御結界!」 防御用の結界を張って、
十を数える斧の攻撃を凌いでいるが、
どのくらいもつだろうか?
「くっだが、おれの流星の双剣があれば!」
盗賊は20と仕掛けてくる槍ぶすまを、
潜り抜けて、叩き伏せ、武の魔王の下に、
かけ急ぐ、普段よりも身体能力が高まってるようだ!
「小僧! きさま、私の流星の双剣を!
奪いおったのか!」
「へ、大事なものを奥深く隠しとくほうが、
悪いんだ!」
盗賊は素早く駆け抜けて、
武の魔王に一撃をめがけて双剣を振るう、
これに武の魔王は大剣で受け答えるが、
「肌身離さず持ち歩くんだったな!」
盗賊の素早さが勝り、何倍もの速度で、
武の魔王、防戦一方にして攻めたてられる!
「グゥーォオオオオオ!!!!!!」
武の魔王の野太い叫び声とともに、
振るわれる大剣は覇気をまとって、
盗賊を怯ませるが、
「もう遅い!」
盗賊の何段もの多段連続攻撃のラッシュが炸裂し、
武の魔王はぶっ飛んだ―!!!
「ぐ、ぐ、こんな馬鹿なことが!?」
「決着ですわね! とどめは私が!」
サルシャ姫は詠唱する。
「ボムズフレア!」
赤熱が叩きつけられ、
武の魔王は死んだ。
あっさり勝てるのは、
成長の証!




