人間牧場
人間牧場での暮らしは、
精神に応えるものがありそうです、
はい。
人間を生かさず殺さず、
気力を削ぎ、その存在に隷属の首輪をつけて、
時間を掛けて、心を支配する。
その支配から逃れることはまず出来ない、
やがて人間達は魔族の思うように生きる事になり、
家畜として、永遠に隷属させる。
魔界の掟では人間は最下級民族であり、
ゴブリンやスライムよりも下の地位である。
そんな人間であるから、やることなすこと、
重労働、これをすきままやらされ、
体力が回復しないうちに次の仕事、
次の仕事と、連続した仕事の山が襲ってくる。
隷属の首輪をぐいっと引っ張られると、
また次の現場に輸送され、
魔界の荷馬車で運ばれて与えられた職務を果たす。
人間であって人間でない、
権利がないのだまったく、義務よりも重い仕事を、
与えられ、自由というものは完全に幻想である。
そんな彼らに救いの手がさしのべられた。
「さあ! みんなこっちだ!
魔族は俺たちに任せて、
脱出するぞ!」
「全浄化!」
僧侶は詠唱すると、
辺り一面に存在する人間奴隷たちの隷属の首輪を、
解呪し、外すことに成功した。
途端に、人間奴隷の眼に輝きが戻り、
奴隷の身分から自由人になったのだ!
「よし、逃げよう、皆、逃げだすんだ!」
もう鞭打たれる日々は終わりである。
死ぬ前に魔族に食われることもない、
ここからは人間の自由を求めて走りだすときだ。
長年、与えられた重労働からの解放に、
そして、勇者の名に喜び、勇んだ人間牧場の囚人たちは、
与えられた武器と、ゴーレムと共に一斉に走り出す。
逃げ込む先は地下水道、レジスタンスが残した、
人間の拠点に次々となだれ込んで、人々は更なる自由を求めた。
それは勇者達によって与えられた。
勇者は両の魔王配下の並み居る強豪たちを次々と打ち破っていく、
人間が作った領地の作物が人間の手に等しく配分されるように、、
人間が労働して作った耕作地は等しく人間のものに、
土地の支配者である両の魔王の幹部級の魔族を屠る度に、
人々は湧き上がり、各地で歓喜の声が上がった!
「勇者、万歳!」「勇者、万歳!」「勇者、万歳!」と、
「おのれ、勇者め!
道の魔王に続いて、この両の魔王を、
斬り伏せるつもりだな!」
「両の魔王様あぶのうございます!」
「いいや、待っていられるか、
我が魔族軍団を揃えろ!
勇者どもを黙らせてやるわ!」
レジスタンスが派手に動いたこともあってか、
両の魔王は遂に御自ら出陣し、
各地の暴動を鎮圧してまわろうとの考えであったが。
「両の魔王の奴が出陣したのか?」
「ここまでは我らの作戦通り、
あとは最強の兵である勇者様方が、
両の魔王の首をあげるのみです!」
ゴーレムを盾にして、
善戦を続けていたレジスタンス軍は、
ついに完全に人間牧場を制圧し、
残るは両の魔王率いる魔族軍団との決戦であった。
「ここで勝って、勢いに乗ってやる!」
「絶対に負けられないわね!」
「皆さん! 勝利は目前です!」
「俺たちの力、見せてやるぜ!」
「ほっほっほ、わたしも本気で行こうかしらね!」
両の魔王の魔族軍団が、人間牧場を制圧しようとしたその時、
「フルエクスプロージョン!」
爆熱と閃光がドーム状に広がり、
一気に魔族軍団の大半を吹き飛ばしてしまった!
「この炎、閃光! 高位魔族の術だな!?
おのれ裏切りものめ! 両の魔王が成敗してくれる!」
「成敗されるのはお前の方だ!」
両の魔王の前に勇者達が、立ちはだかった!
四人の勇者達が、遂に両の魔王と戦う!
ついに勇者と両の魔王が、
相対した、決着の時、迫る!




