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人間無限論からの脱却

退屈な話ではなかろうか?

「向こうについた時に、

 突然戦いになることは、

 目に見えてますわ、

 あちらは魔界、

 はやくみんなで合流しなければ、

 死あるのみ」


「まじかよ」


「そこで、まずは、

 向こうでの行動を、

 あらかじめ決めておきたいのですけど、

 まず魔力は温存しておきたいのは確かですわ」


「ええ、でも私が狼煙を上げて、

 みんなに知らせるってのはどうかしら?」


「その役目はわたくしがします」


「お姫様が?どうして?」


「魔界であれば魔族は魔力の恩恵を受けれますわ、

 少ない力であっても詠唱が出来るでしょうし、

 わざわざ魔法使いが消耗することは避けたいでしょう?」


「そうね、そうだと助かるわ」


淡々と進む話に勇者と盗賊は取り残されているが、


「俺たちは、剣の腕で突き進めばいいのかい?」


「そうですわね、

 特に盗賊は戦いを避けながらでも進めるはずですので、

 いち早く合流できればうれしいですわ」


「はん、俺は、あんまり嬉しくないがな」


「で、と、向こうに町とかは無いのか?」


「あるわ、都も、人が住む町もありますわ」


「魔界に人が住む?」


「もともと魔界にも人間が住んでいて、

 それが滅ぼされて現在の魔界があるのですわ」


「……それって」


「人間界がある、魔族が侵攻する、魔界になる、

 それが終わると、

 人間界がある、魔族が侵攻する、魔界になる、

 それもまた終わると、

 人間界がある、魔族が侵攻する、魔界になる、

 エンドレス」


「終わらねえ……」


「そうでもしないと、

 魔族は繁栄出来ない、

 弱い種族なのよ魔族は、本当に」


「というか、人間界そんなに沢山あるの?」


「人間が住む世界は無限にあるとされてるわ、

 そして無限に生贄として人間を要求しているのが、

 大魔王ってことになるわね」


「そんなの本にのってることなのか?」


「人間界無限論って言ってね、

 無限に人間を捕食して構わないとするために、

 大魔王が次元を捻じ曲げてそれを行ってるのよ、

 だから魔界に負けてしまえば、

 人間は餌として飼われることになるわ」


「教えてくれて有難いが、

 ようするに連中、

 こっちを餌としか思ってないわけだな?」

盗賊はいつになく真面目そうだ。


「そうなるわね」


「そんな連中が、どうして、人間と協調なんて出来るのかしら?」


「魔法使い、

 人間は無限ではないかもしれないって、

 言い始めた魔族がいてね、

 それは大魔王が唱える人間無限論を、

 大きく揺り動かすものだったの」


「それで?」


「人間は無限じゃないってことになったわ」


「どうして?」


「だれも無限に人間を食べることが出来なかったからね、

 無限にあることの証拠が圧倒的に不足していたから、

 それは大魔王派閥に手痛いキズを残すことになったの」


「そうなると、どうなる?」


「限りあう人間の取り合いになるわ、

 当然、部下に不平不満が溢れかえり、

 同族で殺しあうことになったの、

 皆、無限にあるはずの人間を求めてね」


「それが歴史に残ってるってこと?」


「ええ、だから、

 修正する必要があるでしょう?

 人間は無限じゃないぞーってね」


「だが厄介だな、

 人間が無限であるだなんて考えられるのは」


「神々の語弊にもあるわ、

 人間にうめよふやせよー、なんてやったから、

 増え続けるものだと思い込んじゃう、

 魔族もいるってわけ」


「限界があるぜなんでもな」


「さてとだいぶ脱線したけれど、

 人間の限りある命では、

 とても魔族を満足させられないことが、

 わかったところで、

 なにがどうしても、

 食べられるわけにはいかないって、

 ことよ」


人間には限界がある、

把握するにも考えるにも限界が、

その限界に達すると、とにかく、

進まないといけない、

限界だ限界だと叫べるところに。

人間が無限だと思うと、

どうでもよくなっちゃうよね。

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