魔界のゲートは明後日に
勝利、勝利の勇者達!
四天王は勇者達に敗れた。
それは魔界のゲートの許可が四天王から直々に降りる、
という意味でもあった。
カラバルバは、
「よくぞここまで鍛え上げたものだ」と、
ロカンカンは、
「姫君方は称賛に値する勝利を得た」と、
ジゼルファは、
「もはや何ものもあなた方を阻むことは無い」と、
ジャンドヒは、
「あなた方の進む道に栄光を」と、
祝杯をあげた、
魔族の今後と人類の繁栄を祈って。
「まあ当然の帰結だよな、この勝利も」
「勝てる勝てないでギリギリだったかも」
「神に感謝です」
「余裕だったな、なあ姫様?」
「そうですわね、盗賊、
といってもわたくしが加わるのは、
本来、検討外なので及第点というところかしら?
ほほほ」
勇者達一行は今は暫しの勝利を喜びあった。
これからが忙しい、
まずゲートを開くために必要なものを教えられた、
知恵の宝珠を中心に捧げ、
暴虐竜グロンベルグの生首も捧げ、
この二つの捧げものをもってして、
安定した魔界のゲートが開かれるのだ。
「そういえば魔界のゲートをくぐって、
こちらの世界に来る魔族が跡を絶たないようだけど、
あっち側から来る分には規制がないのかしら?」
四天王は答えた。
「あの魔界から抜け出すために全魔力を捧げて、
単独でゲートを開けてくるものが跡を絶たないらしい」
「生きるか死ぬかの瀬戸際ならゲートが開いても当然」
「無論、正式な手続きを取ってない以上、
ゲートをくぐった時点で無力な魔族に成り下がるが」
「本来ゲートとは、魔族の力を封じ込める結界のようなものですから」
「ふむ、一体誰がそんな仰々しいものを、
作ったのかしらね? 女神辺りかしら?」
勇者達はゲートの様子を見て。
「で、もう通ってもいいのかい?」
「ちょ、ちょっと、心の準備が」
「そうです、少し準備がいるでしょう?」
「俺たちが通る分にはさほど問題は無いんだろ?」
四天王は答える、
「少なくとも明後日まではかかるだろう、
一日休息を取られよ」
「そうね、ここのところ強行軍が、
続いたわけだから、ここは、
素直に休みましょう」
サルシャ姫は勇者達にうながすと、
「そうしようか」
「そうね」
「よかった」
「ま、いいか」
勇者達はしばしの休息に入った。
「それにしてもよー、
大魔王だぜー」
「そうね、大魔王ともなると、
一筋縄ではいかなさそうね」
「サルシャ姫は?
別のところでお休みでしょうか?」
「んー、様子でもみてくるか、
手は空いてるしな」
「たのんだぜ盗賊」
「よろしくね」
「はやく帰ってきてくださいね」
「へいへい」
盗賊は勇者達が泊まっている宿を後にすると、
サルシャ姫の馬車が止めてある邸宅のほうに、
足を向けた。
(姫様だけお屋敷で一日を明かすとは、
あんまりいいことじゃないよな)
既に勇者パーティーに加わって、
主戦力としてその真価を発揮しつつある、
サルシャ姫、あまり単独行動はしてほしくはない、
「よっと」
盗賊は得意の忍び足と、侵入の技術で、
サルシャ姫が泊まっている部屋を外から確認すると、
そっと聞き耳を立て、彼女がどんな様子か、
伺おうとした。
休憩回です。




