VS砂漠のリッチ!マサシンド!
さて突然の脱線により読者が、
怪我していないことを祈りつつ、
物語は続く。
勇者一行は砂漠を当てもなく彷徨っていた。
「くそ、幻覚でおっさんが、
ディスプレイの前で、
ハアハアするようなことしてる。
蜃気楼が見えるぜ!」
やらしい蜃気楼が一行を悩ませていた。
「なんてやらしいの、
あれが私たちの進む未来の、
姿だっていうの?
退化してるじゃない」
魔法使いは異世界の文献で人類の未来を知っていたので、
それが異世界人達の日常なのだと悟った。
「あれであの世界の犯罪率は、
著しく下がっているという噂です、
神も仏もあったものではありませんが」
僧侶は信仰の敵を見る目で蜃気楼を見ていた。
「まったくリアルに生きれない人間のサガかね?
かくいう俺たちも蜃気楼に支配されつつあるが」
砂漠の熱砂にはさすがの盗賊も堪えたか、
「どうも方位磁石も狂っているし、
この地域には道しるべになるようなものも無い、
頼りなのは太陽の方角だが」
盗賊は照りつける太陽の中で、手をかざして、
東西南北を確認する。
「お姫様がつけた印によるとあの方角なんだが」
といっても大雑把な縮尺の地図である、
正確かといわれるとにっちもさっちもいかない。
「とりあえず! あの蜃気楼が見えなくなるまで、
みんな進もう! アレの正体が何なのか、
わからないけれどな!」
「!?」
突然砂煙が立つ、辺りにボコッボコッと、
何体ものスケルトンが現れた!
「リッチのマサシンドめ!
ここでおれたちが野垂れ死ぬまで、
戦えってのか!」
スケルトンの数はいくつかは知らないが、
勇者の剣と僧侶の聖なる光が、
これを破壊し、砂漠に帰す、
ただ、また進むたびにボコッと現れ、
進むたびに現れ、
進むたびにスケルトン、
「俺たちを迷わせるつもりか!?
マサシンド―!!!!!!!!」
敵は確実に勇者パーティーの体力を奪っていった。
「ひどいわ!」
水晶玉をみつめるサルシャ姫とリッチのマサシンド、
ここは骸骨顔のリッチのマサシンドのオアシス宮殿。
砂漠のオアシスとは水のこんこんとわきだす様を、
想像してくれれば容易にその価値が分かるはずだ。
ナツメヤシの木が水辺近くに生えており、
草木の生い茂る様、確かな土壌が広がっている。
「勇者達を助けるって言ったじゃない!」
「ホホホ確かに助けましたよ?
流砂からはね、それ以降のオプションは、
私からのサービスですヨ!」
マサシンドはカラカラ笑うと、姫の怒りに触れた。
「このゲス野郎め!」
するどい鞭がマサシンドを襲う。
「ああー!!!ありがたきしあわせー!!!」
「勇者達を助けなさい!ピシャリ!」
再び鞭うつ、サルシャ姫!
「ああー!!!結婚して下さったら叶えましょうともー!!」
「結婚ですって!?」
「そうです、姫様は許嫁のスートが死んでからは、
完全にフリー、私からの求婚も当然可能なはずですヨネ!」
「けがらわしい!」
再び鞭が撃たれ、連撃がマサシンドを責める。
「ああああー!!! いいんですかねぇ!!!
勇者達が死んでしまいますよー!!!???」
「くっ」
サルシャ姫は鞭を打つ手を止める、
「分かればいいんですよ分かれば、
さーてと私と結婚していただきますか?」
マサシンドは指輪ケースをとりだすと、
パカッと輝く指輪をサルシャ姫に差し出した。
「約束よ、勇者達は助けるのね?」
「ええ、この指輪をお受け取り頂ければ」
キラキラ輝く指輪をサルシャ姫は手に取り、
指にはめた。
「では誓いのキスを!!」
「ちょっと!?
勇者達を助ける約束でしょ!」
迫るマサシンドを慌てて鞭で打とうとするが、
「うっ!?」
「ほほほお!
その指輪は隷属の指輪!
一度はめてしまうと、
指輪を与えたものの言いなりになってしまうのです!」
「だ、騙したわね!」
「さあ、サルシャ姫様、誓いのキッスを!」
サルシャ姫にリッチのマサシンドの髑髏顔が接近する!
が!?
「ん、なんだ! あの輝きは!?」
勇者一行は一瞬の閃きを言葉にして逃さなかった!
「この砂漠の砂が俺たちを襲ってくるのも、
マサシンドの死霊術だっていうならよー!!」
「死霊術で砂漠の砂が操れるわけないもんねー!!」
「この砂漠、この砂、確かに邪気に包まれていますわ!」
「ってことはだ!この砂漠の砂自体が骸骨の死骸!
マサシンドの死霊術の範囲にあるってこと!」
「それは聖なる力でこの砂漠をかき消すことが!
出来るってことだー!!!
魔法使い!僧侶!」
「やるわよ!最大にして最高位の聖なる加護を!」
「わたくし僧侶と魔法使いの混成術式!」
「「神聖魔法!ティンクルライト!!」」
二人の声がぴったりと揃えられ、
勇者の剣にさらなる聖なる属性が付与され!
天高く掲げる剣から光の柱が立つ!!!!!
「括目せよアンデッドどもぉぉぉ!
砂漠の砂ごと!!!
浄化してやるぜー!!!!!
くらえ!!!」
「ティンクルライトセイバー!!!」
勇者の剣が辺りを大きな光で薙ぐと、
たちまち砂漠の砂は解けほどけてゆき、
辺り一面を覆う光の輪が、
あっという間に砂漠を草木溢れる清浄の大地に、
作り替えてしまった!
「そんな馬鹿なことがデスー!?!
ありえないデスー!!!!!!!」
リッチのマサシンドは輝く水晶玉を前に、
アンデットたちを操縦しようとしていたが、
既にすべてのアンデットは、
勇者のティンクルライトセイバーによって、
全て浄化されてしまったのだ!
パシーン! 砕け散る水晶玉!
「あ、あ、ありえない、こんなことが!!
コツコツ異世界召喚して、
エロサイトのオンラインフィッシング詐欺で、
引っ掛ったエロ猿異世界人を、
これでもかとディスプレイの前から、
異世界召喚してやったっていうのにデスヨ!
そいつらこき使って、何の変哲もない自然を、
わざわざ、死霊どもから作った砂で、
砂漠に変えていくと千年デスヨ!!!
それを何の脈絡もなく一瞬で、
かき消すなんて!!!!!!!」
そう!ぼっけんさん!という作者も!まんまと引っ掛って、
砂漠のアンデットと化していたのだ!
浄化してくれてありがとう!勇者!
ドクロから祝福を!
「それがあの蜃気楼の正体か!」
「砂漠の怨霊だったのね!」
「それも異世界から召喚されて!
墓も無いなんていたたまれないです!」
「!?みろ勇者!サルシャ姫の指に輝くあの指輪を!」
サルシャ姫の指に輝く指輪はエンゲージ!
「やろうサルシャ姫に手ぇ出しやがって!
ぶっ殺してやる!」
「まっ待ってクダサイ!!」
勇者達のリンチが始まると、
たちまちリッチのマサシンドはガラガラと崩れて、
骨バラバラになってしまった。
「とほほのほ!」
「婚約破棄!ですわね!」
サルシャ姫のエンゲージリングはオアシスの中に、
その手によって投げ入れられ、
ハネムーンも無いままに、結婚騒ぎは終わった。
怪我した読者は仕方なかったんだよ!
砂漠のドクロになっちゃったんだから!




