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砂漠のリッチ!マサシンド

砂漠地帯に来た勇者一行様、

果たしてこの先にマサシンドはいるのか?

流砂に呑まれたー!!!死にそー!!!!


「くそっこんなところで死んでたまるか!」


流砂の中からなんか出てきた―!!!骸骨だー!!!引っ張ってくる―!!!


「盗賊!僧侶!魔法使い! すまん! おれももうだめだ!」


勇者一行は砂に飲まれてしまった。







            完
















「ってそんな馬鹿なことが!?」

サルシャ姫は彼らが唐突に砂流に飲まれてしまったので、

状況を飲み込めていない。


「勇者―!魔法使い―!僧侶―!盗賊―!!

 返事をなさい!」


返事は無い。


「そんな、そんな馬鹿なことが!?」


かわりに沢山の骸骨が砂の中から現れた!

「ご主人様―!!サルシャ姫をみつけましたぞー!!」


「ご、ご主人様!? まさかマサシンド!!」


「ご名答ですな、私がマサシンドです! サルシャ姫様!」


「このガイコツ野郎!! 勇者たちを返しなさい!」

サルシャ姫は鞭を取りだすと、

リッチのマサシンドに向けてピシリと打った!


「ははー!! 女王様ーー!!」


「な、なんですの!貴方はー!!!」


マサシンドは平気そうに鞭で打たれて言う。

「この豚めにもっと鞭をクダサイ!! うひっ!!!」


「ええい! マサシンド!

 どうやらあなたの性癖は分かりましたわ!

 ここはひとまず話を訊きなさい!」


鞭打つたびにマサシンドは恍惚とした骸骨で喜ぶ。


「へへー!! お話をー!! クダサイ!!」


「わたしに知恵の宝珠をよこしなさい!」


「嫌です」


「なんでですの!? 鞭が欲しくありませんの!? ピシャリ!」

「ああー欲しいです! もっとクダサイ!!」


「この欲しがり屋め! 与えて欲しいの!? もっと!!」

ピシャッと鞭がしなると、何度もマサシンドはぶたれた。

「はあー!! もっと! クダサイ!!」


「知恵の宝珠はどこにあるのかしらね!!」

「知恵の宝珠は我が宮殿に!!!!あります!!!!」

「それ訊いたことか! この豚め!!」

鞭打つ手は止まらないが、不死の肉体を持つリッチには、

「ああー!! もっとクダサイ!!」

効き目が無いというより、変な風に効いているようだ。


「さてと、冗談はこの位にして、勇者たちをどうしたのかしら!?」


「勇者は倒してしまった故になあ、サルシャ姫様よ」


「……助けなさい、さもなくば」


「いいえ、こちらから話させていただきますと、

 サルシャ姫様には一緒に宮殿に来て貰わなければひひ」


「そうすれば勇者一行は助けてくれるのね?」


「おお! 着て下サルのですか? 有難い!

 なら勇者達は助けましょうペッペッ」


リッチのマサシンドが唾を吐くと、

砂からむくりと勇者一行が顔をのぞかせた!


「勇者!」

「姫様、気を失ってるだけですぞ、

 ふひひ、ではオアシスの宮殿へご案内いたしますぞ!」


リッチが黒いマントを広げると、

たちまちサルシャ姫をさらって、

オアシスへと飛び去った。


「うっ俺たちは」

砂まみれの勇者は何とか息が持っているが、

「魔法使い!」

そう言って勇者はズボッと砂から魔法使いを引きだした。

「僧侶!」

そう言って勇者はズボッと砂から僧侶を引きだした。

「盗賊!」

そう言って勇者はズボッと砂から盗賊を引きだした。


「皆!無事か!?」

「うっ勇者、私は大丈夫」

「私も、傷はありませんわ」

「俺としたことが、不覚!」


勇者パーティーは互いに見合わせて、

無事を確かめたが、


「姫? 姫はどこだ!」

砂をかきたて、探す勇者、

「よく探してください!」

「ここらへんにまだいるのかしら?」


「サルシャ姫は連れ去れたんじゃないか?」

盗賊がそう言うと勇者は、


「くそっマサシンドめ!」


リッチのマサシンドの存在は、

この砂漠広しと知られている。


だがオアシスまでの道のりは分からない。


「絶対に許さないからな!!」

勇者は剣を光らせて、

オアシスまでの道のりを仲間ととも歩きだした。

まんまと敵の罠にはまってしまった、

勇者一行、サルシャ姫は助け出せるのか?

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