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彼女は感想を待ちわびている

命、それは限られたもの、

ゆえに輝くもの。

始まりは白紙からです、

どれだけあっても真っ白な平原に登場人物が召喚されます、

何度繰り返してもこれは仕方がないようで、

記憶を参照して何度も何度も、形作ることになります。


振り向いてくれない人の方が圧倒的に多いのです。


人はそれを戦いのようにして、

毎日を過ごしてしまうことが多いですが、

その実態は戦いよりかは日常の些細な点を描くもの、

小説は元来、想像の限りを尽くしたものというより、

彼の手には彼のものがありという具合に、

その人その人に与えられたギフトが全く異なっている物なのです。


だとすればサルシャ姫の戦いとはなんでしょうか?

既に三名の存在が悪と断じられ、それを打ち砕くことが、

確実となって、この世にそれが示されました。

そこに正義があるか否かは確かではありませんが、

言えることは、サルシャ姫に与えられたギフトは何も、

戦いの中で光るものではなかったはずということです。


ではサルシャ姫は悪なのでしょうか?


誰にもわからないことですが、この物語においては、

サルシャ姫は悪を倒すために悪を為します、

圧倒的な強者である勇者を使って、悪を倒すことで、

自らの求める正しい歴史へと、魔族の成り立ちを修正しています。


死んでいったものたちにもギフトは与えられていました、

それは彼らが何かを為す為に使われましたが。

兼ね残虐行為に費やされたので現在に至ります。


今は死んでいった方々に黙祷を捧げることしか出来ませんが、

この時間こそ、サルシャ姫の考えを変えるきっかけに、

なり得るものなのかもしれません。


今一度考えてみてください、

どうして普通の娘でありたいだけのはずの存在に、

残虐な戦いの道を歩ませることが出来たのでしょうか?


それは冷たくあしらった周りの狭量から始まり、

彼女を直接助けようとする人の手が届かなかったからに、

相違なく、 心配してるはずの魔王も女神も、

超越した視点から達観して、彼女の行いを気にも留めません。


本当なら普通の会話の中に生きがいがあったかもしれないのに、

その生きがいを失ってひたすらに戦いの波にもまれる結果が、

引き起こされてしまいました。魔王の娘。

姫君というだけで、


もう一度、彼女が歩む道筋を正しく導こうと心掛けてください、

それは些細な気配りから始まるはずです。


それが出来る限られたものに呼び掛けます、

彼女を助けてあげてください。


彼女に声を届けるのです、こうあってほしい、

こうすればまだ違う生き方が出来ると、

彼女の支えになってほしいのです。


そうすればまた違う道筋が見えるかもしれません。

血塗られた短編の連続の中に、

彼女が生きようとした軌跡の中に、

ほんの少しの枝葉を。自然を。

取り戻させてください。


おお、どうか、彼女に喜びを、

彼女に哀しみを、

彼女に怒りを、

彼女に楽しみを、

届けてください。笑顔で。


いつの日か被ってしまった仮面が、

はがれる日を求めて、

彼女に祈りを捧げます。

どれだけ多く祈っても果てのない祈りです。


サルシャ姫を。


彼女を救いたまえ。

与えられた命に祝福を!

永遠に続く時間を!

与えたまえ!

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