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VS赤の貴公子スート

そのスート、

なかなか曲者のようだが?

赤の貴公子スートと勇者は相対していた。


「スート!自ら出向いてくるとは!命知らずな奴め!」


「そっくりそのままお返ししよう勇者くん!」


辺りはスートの騎馬隊が見守る中、

魔族領の平原で二人の戦いが行われる。


「ピンチじゃない?

 この状況、私たちに不利よ」

「魔法使い、俺もそう思っていたが、

 もうどうしようもないだろう」

「もっと早くに気付いていれば、ああ」


魔法使いと盗賊と僧侶は、この戦いがどう転んでも、

自分たちの命が危うくなるだろうことを悟って、

肝を冷やしていた。


「さあ、サルシャ姫! 始まりの合図を!」


「では御二方! 位置について!」



「!!始め!!」



「おおーっ!!!」

勇者は駆け出すと強い一撃を、

スートの脳天に振り下ろした。


「おっと危ない!」

スートは槍でこれを受けると、

続いて大きく払いのけ、

勇者との間合いを取った。


「ちっ、喰らえ!」

勇者は続けざまに剣を構えて、

連撃を加えるが。


「ははは、まだまだ!」

スートの槍裁きははやく、

幾度もはねのけられ、

剣がスートに届くことは無かった。



「剣と槍なら、槍の方が有利よ、

 勇者には後が無いわ!」

魔法使いは二人の決闘を見てとって、

仲間とともに慌てていた。


「勇者ならやれるはずです!」

サルシャ姫は落ち着いた様子で、

スートと勇者の戦いを見守っている。


「これでもか!」

勇者の次なる一手はとても振りの素早い、

身のこなしと構えで、本来一撃のところを、

二度三度と返す手で斬撃を繰り返すというもの、


「まだ胆力尽きぬとは!

 さすが勇者といったものだな!」

貴公子スートは槍で適当に裁くだけで、

勇者を軽くいなしてしまう。


「こうまで強いとは!思わなんだ!」

勇者は剣を構えると!


「剣よ力を貸してくれ!!」

勇者の剣は輝きだしその力の真価を発揮した。


「くっめくらましか! そんなもの!」

スートの狙い定めた槍の一撃が勇者をかすめる!

「取った!」

勇者の一撃はスートにスパッと入り、

スートは身を崩した!


「ぐっ馬鹿な!」


「やった、やったぞ!

 赤の貴公子スートを倒した!」


「いや!まだよ!危ない勇者!」

魔法使いの声はこだまする!


「なっ!?」

狙いすました矢が勇者めがけて飛んできた!

すんでのところをかわした。


「くっ黙っていれば当たったものを」

スートは甲冑に隠したボウガンで、

勇者を狙い定めている。


「卑怯だぞ、スート!」

「なんとでもいえ!

 部下たちよ!」

「はっ!」


素早く馬がやってきて、

これにスートが飛び乗ると、

統制取れた万軍の騎馬隊が、

勇者達に牙をむく!


「こんなばかなことが!」


「矢を放て!」


勇者達めがけて矢が飛び交う!


「魔法結界!」

僧侶と魔法使いが住んでのところを矢を引き受けた、が!


「騎兵突撃!!」


彼らを押しつぶさんとする騎兵軍団が、

勇者の元に迫る!!!


「絶体絶命か!?」


その時、万を越える矢が飛んできた!


「なっなんだと!?」


スートが率いる騎馬隊めがけて放たれた矢は、

確実に騎馬隊の甲冑をつらぬいて、これを撃破してしまった。


「サルシャ姫ェーーーーーーー!!!!」


「どう?スート、

 貴方が今まで蹂躙してきた部族の、

 反撃というのは?」


そこにはサルシャ姫が密かに呼んでいた、

30の部族が現れた。


「スート、赤の貴公子スート!」

「スート、我らを蹂躙し、女子供、老若男女問わず殺したスート!」

「スート、我らが、恨み今ここではらす!」

「スートに従うものに鉄槌を!!」

眼を血走らせらんらんとした部族の民が数万、

今度はスートの部隊を蹂躙せんと押し寄せた!


「スート様! お逃げください!」

「くそっ」


「させるか!」

勇者は飛び出して行って、

鋭い勇者の剣を空中で身を翻しながら構えると。

「ま、まてっ!」

一振りでスートの首をはねた!


かくして赤の貴公子スートは完全に死んだ。

またしてもサルシャ姫に入れ知恵された、

勇者の手による処刑が執行された。

この戦いの果ては?いかに?

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