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赤の貴公子スート

サルシャ姫の許嫁とはいかな人物なのだろうか?

魔界の騎馬隊を率いる大将が、

魔族領の平原を駆け抜ける。

「スートさまー!!」

それに続けと部下たちも列を乱さず、

万の数の大軍となってひた走る。


彼らの走った道は赤で染まる。


そう言われたことからスートは、

赤の貴公子と呼ばれるようになったのだ。


圧倒的なスピードで快進撃をあげた彼らは、

今も血に飢えた獣のように牙を尖らせていた。


「ふーっ今日の遠駆けはこのくらいだな」

「はっスート様、そうしましょう!」


「明日はサルシャ姫がいらっしゃる日だ!

 盛大におもてなしをしよう!」


おおおー!!っと大声が上がった。


日は没しやがて登る。

翌日。


「サルシャ姫様よくぞいらしてくださいました!」

「スート元気そうで何よりね」


「サルシャ様万歳!」

貴公子スートは立ち居並ぶ部下や騎馬隊の列で、

これをもてなして、礼を尽くそうとしたが、


「結構よ」


サルシャ姫はつれない、

どうしたのだろうか?


「サルシャ様、怒っておいでなのでは?」

「何に?まったくわかりませんな」

「スート様はどう接さられるのだろうか?」


貴公子スートは困った顔でサルシャに話しかけた、

「最近、どうなされたのですか?

 旅をしてるとのことですが、

 どこでも魔族諸侯が処刑されたという話が、

 後を絶ちません、サルシャ様の身が心配です」


「私が心配?あなたの身の心配をしたほうが、

 いいのではなくて?」


「……」


「サルシャ様!スート様になんてことを!」

「そうだ!いくら許嫁としても!行き過ぎだ!」


「控えよ!!」

「す、スート様」

スートが一蹴すると、彼は語りだした。


「姫様は勇者一行にたぶらかされているのです、

 奴らは処刑人を気取って、魔族領を侵攻し、

 自らの王国の軍を呼びつけ、

 魔族の国家転覆を狙っているのでしょう」


「それはどうかしら?

 彼らが私の息で動いているとしたら?」


「……」


辺りにしばしの静寂が訪れ、みなだんまりである。


「それでしたら明日明朝、

 その勇者達に決闘を申し込みます」


「なっなんだって!!!」

「スート様あぶのうございます!!」


「そう?あなたに勝てるのかしら?

 率いるものが無ければ戦えないあなたに?」


「ええ、勝てますとも、

 我ら命に変えても、

 サルシャ姫様の洗脳を解いてみせます!」


サルシャは昔からスートのことを好かなかった、

いつも血なまぐさい話を控えるのだが、

裏腹やってきたことは軍隊で行う蹂躙行為。

数々の村を街を焼き、逃げるもの隠れるもの皆殺し、

その戦功はサルシャの幼き頃から魔族の民が口ぐちに、

語っているもので、サルシャの夫となった暁には、

次期魔王にへと推薦される声もあった。


しかし決定的にスートを許せないのは、

彼が多くの魔族の民を粛清したことである。

自らの部隊に従わないものは殺す、

そんな獰猛な軍隊が彼らの規律だけは厳格に守り、

今に残っていることがサルシャには許せないのだ。


「やるといったからにはやるのね?

 一騎打ちとは随分と大きく出たものね」

「そうでもせねばサルシャ様の未来の夫たる、

 わたくしめの立つ瀬がありますまい!

 さあ今から勇者達に伝令を告げるのです。

 死にたくなければ、この地を去るようにと

 彼らもきっと受け入れるはずです」

「勇者はあなたのように臆病者ではないわ」


スートはサルシャの方を一瞥すると、

馬に乗り遠くへ駆けていった。


「・・・・・・血なまぐさい」

次回、スートVS勇者!

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