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魔法使いの里

地獄の公爵にとどめを刺した一行は、

魔法使いの里の民の遺骸を埋葬するために、

魔法使いの里に場所をうつした。

魔法使いの里は人間の住む領地の森深い谷間にあって、

その秘匿された魔法を先祖代々守っていた土地柄故に、

一般的に多くの人に知られた場所では無い。


だが一部の探検家が足を踏み入れてからというもの、

その場所が正確な地図に残され、

いまではその地図は古いものとされるが、

魔法使いの里へ向かうのに充分なものであった。


「あなたの住んでいた里はこの先なのね」

「ええ、お姫様、その通りよ、深い森の奥にある谷間の里、

 今はもうグレッペターに滅ぼされて墓があるだけだけれど」


勇者一行とサルシャ姫は、

従者のものにグレッペター邸でみつけた、

魔力をもった遺骸たちを里の魔法使いだと悟り、

勇者一行の魔法使いがそれぞれの名を知ると、

故郷の土に埋葬したいと申し出て現在に至る。


「遠いところで生まれたものねあなたも、グレッペターも」

「あいつのことは詳しくはしらないけど、

 私が生まれて間もなく、あいつにより里は壊滅したわ」


故郷の墓の前で、魔法使いは花輪を墓に飾る。


「それからは逃げ延びた里の人と一緒に転々として、

 占い師なんかをやりながら日々の生計をたててる所で、

 旅だって間もない勇者と出会ったってわけ」


「にしてもよーあいつ最期に大魔王がなんだとか、

 言ってやがったけどよー、何かと大丈夫なのか姫様?」


「そうね、大魔王は魔界では私の父の上司にあたるわ」


「えっほんとかよ、そんな奴の相手をしなきゃならないのか?」

盗賊は墓の飾り石に腰かけて姫の方に向き直る。


「でも大丈夫よ、大魔王はその強大な魔力をもっても、

 こちらの世界に出てくることはできないから」


「だが近いうちに奴とは決着をつけないといけないな」

勇者は腰に差した剣をポンと手を当ててみせた。


「それには、まず魔界への門を構築しなければいけないわね、

 あいにく魔界の門は四天王が管轄でね……」

サルシャ姫は少し不安げにそう答えた。


「そいつらも倒さなきゃいけないのか?」

ぶっきらぼうに答える勇者だが、

「でもまだこっちにも悪い奴がいるわけだろ?

 とりあえず先、そっちから回ってこうぜ!」


「ぷるぷる」


「ほら!スライムもこういってることだしな!」


スライムは姫につかず離れずついてきている。


「ぼ、ぼくは」

「スライム、あなたは心配しなくていいのよ」


魔族の大地で次の敵になる相手とは何者なのか?


「次はそうね」


「みんな、墓参りは終わったわ、

 きちんとどのご遺体も埋葬し終わって、

 もうこの里を立つ準備も出来たわよ」


「そうか、魔法使い」

「わたし僧侶だけど、きちんと埋葬できてよかったです」

「あとは次の目的地だな」

盗賊は飾り石から立ち上がると、伸びをした。


「次は私の許嫁が相手よ」


「許嫁!?」


一同は見合わせてこういった。


「赤の貴公子スート、彼はそういう名前をして、

 先の戦で若干、十にも満たない歳で、

 次々と戦果をあげて、上り詰めた猛者よ」


「で、でも仮にもアンタの許嫁なんだろ?!

 始末しちまってもいいのかよ?」


「わたしは大丈夫、

 問題は貴方たちが、

 勝てるかどうかだけね」


貴公子スートは、

万軍を率いて戦う男だからだ。

赤の貴公子スート、

いかな存在だろうか?

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