VSブレイバル将軍
ローブの影に向かうブレイバル将軍、
その運命やいかに!?
「なんだ貴様らは!?」
ブレイバル将軍は身構えると、
突如現れたローブの集団に向き直った。
「話は聞かせてもらったぜ!ブレイバル将軍」
彼らはばっとローブを取ると、姿を現した!
「に、人間!?」
「この牛面め!さんざん人を殺してきたようだな!」
「無抵抗のものも、捕虜も関係なくね!」
「ひどい魔族もいたものね!」
「覚悟しろ!お前の命運もここまでだ!」
勇者、魔法使い、僧侶、盗賊の4人パーティーである!
「おのれ! いつのまに忍び込みやがった!
我が屋敷に! 生きた人間踏み込むこと許すまじ!」
ブレイバルは壁に掛けてある大降りで両手持ちの斧を一振り、
つかみとると、勇者パーティーに向き直った。
「俺は勇者! この一撃を受けてみよ!」
勇者の剣がきらめくと、重たい一撃がブレイバルを襲った!
「ぐ、ぐぅー!!!」
すんでで斧で受け止めるブレイバル!
「この魔法使いの魔法を受けてみなさい!
バーニングブロウ!!」
燃え盛る火炎がブレイバルの肉体を包み込み焼き焦がす!
「こんなことが!」
「神よ加護の力を!」
僧侶の祝福の力が、パーティーを包み込み身体能力を強化した!
「人間ごときが!!」
ブレイバル将軍は斧を振り回して、
敵の攻撃を牽制し始めた!
「いける!オレの引きあがった敏捷性なら!」
盗賊は振りかぶって繰り出された、
斧の連撃を回避して、ブレイバルの足に短剣でダメージを与えた!
「なんと!こんな矮小な存在に!」
これには巨躯を誇るブレイバルも膝をつかざるを得ない。
「喰らえええ!!」
勇者は再び剣を構えると、おおきく振りかぶって、
姿勢の崩れたブレイバルを袈裟切りに切り抜いた!!
「がふっ、こっこんな馬鹿なことが! サルシャ様!」
ブレイバルは残された力を使ってサルシャ姫に懇願するが、
「ブレイバルよそして来賓達よこれは王命である、
逸脱した虐殺に徹したブレイバルを裁くためのな」
「サルシャ様!私はただ魔王様のことを想ってのみ!」
「すでにそちの命運は尽きた、将軍職はとかれ、
今までの罪すべてを背負い、その命を持って、
罰とする」
「おのれーサルシャ姫!人間に肩入れするかあ!!」
ブレイバルは最期の力を振り絞って、
サルシャ姫に突進を試みる!
「相手は俺たちだ! とどめを刺すぞ皆!」
「おうっ!」
魔法使いは炎を操り勇者の剣に炎をまとわせ、
僧侶は星に祈り、流星の力を盗賊にまとわせ、
勇者と盗賊のふたりのコンビネーションアタックが、
猛進するブレイバルに追いつき、これを切りぬいた!
「ごっごふぁあー!! こんなことがああ!!」
勇者の燃える剣がブレイバルを切りつけると、
たちまち傷口から炎が溢れかえり、
盗賊の素早い身のこなしがぐるぐるとブレイバルをきりつければ、
溢れかえった炎は地獄の業火に変わり、
ブレイバルを焼き尽くす!
「ま、魔王様―!!!このブレイバルが何を―!!!ゴフッ!」
ブレイバル将軍は炎の中息絶えた。
「結構、これで殺されたものたちも浮かばれることでしょう」
来賓たちは呆気にとられていたが、
やがてざわざわと声を上げ始めた。
スライムはただ震えていた。
来賓達は知る、その時、
魔王領のそして魔族の法が、
変わりつつあることを。




