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夜明けの女神  作者: riko
第一章
2/4

幸せな朝と憂鬱な今日



朗らかな風が心地よい。

ここは、私と貴方だけの秘密のお花畑。


「ーーーーーーー・・・。ーーー・・・ーラ・・・。」

「なぁに?ーーース。」


おそらく名前である部分は今日も聞き取れない。



「花冠を作ったんだ。君に似合うと思って。」

「まあ!ありがとう! ・・・載せてくださる?」

「勿論。」


ウキウキとした声音で私の頭に花冠を戴く彼の表情はモヤがかかった様で、よく見えない。

けれど知っている。この笑顔はきっと私が心から愛していたものだ。




「ーーーー・・・お嬢様、朝で御座います。」




ーーーどうかもう少しこのまま。

貴方の温もりをまた忘れてしまいたくない。



「エリーザベトお嬢様!朝で御座います!!!」



「はぅ!」




突然の大声に閉じていた瞳を二、三度瞬く。

未だ霞む思考がゆるゆると覚醒し、それに比例して先程までの夢が霞み徐々に朧気になっていく。



嗚呼、だが幸せな夢だった。きっと、おそらく。



「今日の夢は如何でしたか?」


声のした方に目を向けるとメイドのアザレアがコテン、と首を傾げていた。


「おはよう、起こしてくれてありがとう。

今日も駄目だったわ。やっぱり曖昧になってしまうの。


ーーーでも、そうね。とても幸せな気持ちだったわ。」



そう言うとアザレアはニッコリと微笑んで、

「それはようございました。それではお召し替え致しましょう。」と私をせっつく。



「そ、そんなに慌てないで頂戴。急ぐことなんて…」

「大ありですよ!!!」

「え?」


突然大声をあげるアザレアに今度は私がコテン、と首を傾げる番だ。


その様子を見てアザレアの顔はみるみる青ざめ、と思いきや赤くなり憤慨した。


「お寝惚けも大概になさって下さい!本日は王宮に参上する日で御座いますよ!!!!」



「あっ」



咄嗟に漏れた声を耳ざとく聞いたアザレアは「お嬢様・・・?」と怒りにふるふる震えている。



「あっ、ご、ごめんなさい。昨日寝る時までは忘れていなかったのよ。ただ夢があんまりにも幸せ・・・なはずだった?から、つい惚けてしまって・・・ーーー」

「言い訳は結構で御座います!さあ着替えますよ!ほら早く立って!!!!」


言い訳無用、とアザレアは執拗に私をせっつく。




本当に忘れていなかったのよ?昨日寝るまでは・・・。

でも忘れたくもなるわよね・・・ーーー


私、エリーザベト・ディセントラ・フォン・カサブランカ公爵令嬢。御歳12歳。


目下の悩みどころは「夢の内容が曖昧になる事」

そして、「シュナイゼル殿下とお会いする事」



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