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具現化ヒロイン。  作者: 橘コウヘイ
第一章  出会いと出逢いを
7/23

爆裂展開

黙々と手を動かす一人と作業に詰まりを感じる三人。 



カチッ っとエンターキー独特の少し高い音が鳴らし、直後にはため息を吐きながら伸びをする。

 それに気付いた残りの三人は達成感のため息ではなく疲労からくるため息を溢す。



「にしても中学の時からお前は実技得意だな」



「まぁまぁかな。そもそも機械類をいじるのが趣味だったからね」



「それで悠ちゃんは何を作ったの?」



 そもそも今、製作しているのはまだいまいち理解できていない過去に作られた神々の討伐のための武器。まぁ俺もその内の一人なのだが。



「二年前に魔法科学構成式論文が発表されただろ? それを軽く参考にして作成したんだ。見た目はこんな感じだよ」



そして、今完成したばかりのオリジナル武器を高機能型3Dプリンターから取り出す。



「銃....?」



 先の方が持ち手よりとびたしているライフルに似たような形状をしていた。



「そう。一見、銃に見えるのがポイントだよ。これは銃ではなく、性能的にいえば刀に近い。」



「それはどういうことなのか 説明しなさい」



 問題文かよ....と思ったが置いといて、もちろんこんな感じの反応を他の二人も見せる。 それから俺は、



「いいか、不知火。俺を信じて絶対に動くな。それと恵と東郷は絶対に目を開けるな。感動が薄れる」



 そう言ってから不知火の前から少し後退りする。



「何を言ってるの? 大体ねあなたに指図されるおぼえ」



 は無いだろうと言うつもりだろう。普段の毒舌と親しみに感謝していけっ!



 バンッと銃声音が部屋中に響き渡り悠一以外の者が耳を塞ぐ。この距離での銃声音であっても動かないでくれた不知火に敬いを覚える。



「もう皆目を開けて大丈夫だぞ」



「本当に刀じゃないの」



 先程までの銃の形状から百八十度回転しまるで武士の刀のようであった。しかし武士の刀と異なる点はメタリックな見た目にかなりの太さ。



「それでどういう能力なんだそりゃ」



「まず、魔法の観点から言うと俺が使うのは放出系爆裂魔法だ」



三人はポカーンと清んだ空を見上げるかのよう悠一を見つめていた。そして、



「あーっと勘違いだったらすまねぇ。そのさっき言ってた魔法何とか理論ってのは公表されたものか?」



 それに加えるように残りの二人も、



「二年前に発表されたなら私たちの学校でもとっくに実践されてるはずだわ」



「浅はかなり」



 ここで消えていた記憶のパーツが埋まるように思い出される。なんでこんなにも重要な事を忘れていたのか自分では分からない。



「やべぇ。このこと内緒な」



「は?」



 仲良しに声を揃えて顔に近付いてくる。本当にまずい。



「いやぁそのこの魔法科学構成式理論はさっきの人が考えたものなんだよ。だから本当は国家機密レベルなんだ....まぁいっか」



「いやよくねぇーよ! 俺らがよくねぇーよ! まぁ、言われた後に何言おうが仕方ないから続けろ」



 残りの女子の追撃を避けるルートを作ってくれたらしい。ホントにありがたい。あの二人はキツイからイヤなんだよ。もう喋る内容には気を付けよ。



「それで放出系爆裂魔法は銃の時の場合。刀の場合はこの武器には元から大量の水素イオンが入っている。それで銃で爆裂魔法を撃った時の火力に水素爆発の威力を上乗せする。その破壊力をもったエネルギーをこの刀に収用して、相手を切る際にばかでかいダメージを与えるものだよ。刀のイメージは瞬時的重力系爆裂魔法ってとこだよ。でも間違えちゃいけないポイントは刀の攻撃は魔法じゃないってこと。あくまでも化学反応だからね。って....分かった?」



「何となくはな。そんな知識をこの短期間でぶっ込めたよな」




 何もすることが無かったから魔法について日々研究していたに過ぎないのだがそういうことにしておこう。




「ありがとう。それで君達の武器は何にするの?」




「悠ちゃん見たいにすぐイメージが沸けばねぇ......」



 言ってからこちらを見るということはあれだろう。



 作ってほしいのだろう。



「わーったよ。それでほんわかしたイメージでもいい。どんなのが好みだ? 例えば実技の得意な種目とか」



「俺は刀一筋で頼む。家系がそっちのほうでな」



 中学の時一緒に居たときには言っていなかった。いや、言えなかったのかもしれない。そこについての追求はやめ、対象を移し替える。



「それで恵はどーすんの? 戦闘......には向いてないよな......んーー援護射撃とか? 」



「私それがいいかも。戦うのはちょっとね」



「私は二刀流で頼めるかしら」



 恵との会話の途中を車が過るように入ってくる。



「全員の希望は分かった。十分位で完成するから支度を頼む」



 ここである問題が発生する。不知火の疑問によって。



「それでその神様とやらは何処に居るの? まさか聞いてないとか無いわよね? 」



 ご名答だ。何も考えてなかった、ただただ倒せばいいと、それでテムリンが帰ってくるならばと。



「あの......そのわかんない。今すぐ終わらして聞いてくる! 」



「アホね」





***********************





「おいなんでこうなるんだよ!説明してくれよ悠一!」



「俺に分かるわけないだろ。普通誘拐なんて国内で済むもんだろ?」



「悠ちゃんのお仲間なら国内かと思ってたのに」



「いや別に覚えてないんだがな」



 正直な所、全くもって信じられない。おそらく人間であるかぎり、そして宗教的な何かであったとしても信憑性の部分では大分低いと思う。それに加えてお前は神だと宣告されるのであるから尚更である。



「杉田くん。やっぱりアホね」



 しつけーよ。もう分かったよ。



 あえて何も反応せずにいるなか突然としてアナウンスが流れ出す。



ーーー“本日は新日本航空をご利用いただき誠に有り難うございます。この便はB-64573pです。機長は......ーーー



などと機長の紹介などどうでもいいと思ってしまう悠一は先刻の事を思い出す。



ーーーーー時は遡ること1時間弱前。




 今若干アホねと言われた気がしたが悠一は気にせずに走り出した。細かく荒い呼吸を繰り返し前髪が右へ左へまた右へと揺れる。誘拐の情報が無い中、何をこんなにも優雅にゆっくりと武器の調達をしていたのか、アホらしく思えてきた。そして自分への苛立ちもあるのか走っている最中に髪を掻き乱す。

 


 というのも誘拐犯というべきなのか神様だと言えばいいのか分からないので誘拐犯にするが、そこ誘拐犯をぶったぎることしか考えてなかった俺達は、場所を聞くのを忘れていた。俺以外は聞く気はあったらしいのだけれども......



「ついた!急がなきゃな......って鳥谷部三等?」



急いで向かってきたのは秋葉原にある研究所。すぐに認証しようとしたが悠一が入ってきた道とは真逆の方向から施設内の人が一人。



「悠一さん! お久し振りです! 大きくなられましたね! 私が最初に会ったのはあんなにも小さい時......」



「あの、すみません。時間が無いんです、今度またゆっくり話しましょう。それで旗佐浜さんは?」



 事情が事情だけに気持ち的にも表面的にも急いでいるのが出てしまっていたのか三等は何かを察し話をやめ真剣な顔つきに戻す。



「それが元帥様から伝言が届いております。これを」



三等の伸びてきた手に会ったのは一つの封筒。

その中に手を突っ込み一枚の紙を取り出す。



「手紙......?」



「はい。一時間程前に “誰も見ることの無いように監視をしておぼっちゃまに渡せ。これは命令じゃ。” などと言って何処かに......」


 そしてその中身を心の中で読み始める。



(先程は驚かせて申し訳なかった。しかしこれは紛れもない事実でありこれからやり遂げなければいけないミッションでもある。というのもこの十二神は長く放置しておくと闇落ちして邪神となる。お前はその為に造り出された全知全能神 ゼウスなのだから。詳細はこの下に書いておく。頼んだぞ。



·ターゲット

伝令神 ヘルメス


·場所 

ニューメキシコ州


追加ミッション

人名救助        



                   

                頑張りたまえ)




「ニューメキシコ州!?ちょっと鳥谷部三等車出せます?」



「おやすい御用ですよ!どこまで?」



「俺の家経由で新羽田国際空港まで」



「分かりました。家までは口頭でお願いします」



 細い路地を抜けた先にすぐ止めてあった車に飛び乗る。と、同時にエンジンをかけて急発進。



「鳥谷部三等。家逆方向です」



 とまぁそれからかれこれあって無事家に着き、新羽田空港まで快調に飛ばし再び舞台は機内へ。



 そしてこれから始まる舞台の演目はニューメキシコ州へと託された。






ミッション


伝令神 ヘルメス撃破&人名救助



ホントに更新遅くてすみません。今回も分かりにくい感情表現、乱れなど多くあると思いますがいつも読んでいるかた本当に有り難うございます!活力源となっておりますので引き続き読んで貰えれば嬉しいです!

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