秋葉原会談
今回、少し短めに書いております。最後まで楽しんでください。もっと後に書く予定の展開に大きく関係してるのでそこら辺も意識しながら読んでみてください!
時は遡ること西暦2056年。
日本国内では二つの勢力に分断し、戦争が始まる。この戦争が始まってしまったのは新日本政府軍に不満を抱いた旧日本政府軍の一方的な攻撃からであった。
そして戦いは多くの市民犠牲者を出しながらも襲撃から五年という長くて感情が追い付かないまでの早い月日が流れようとしていた。
被害者の家族は強い哀しみと強いを怒りを覚え、そんなことも気にせず戦う愚かな独裁者たち。国民第一などと謳っておきながらこの様だ。
さらに、戦いは終わらず犠牲者を増やし続け半年が流れようとしていた時。突然として、戦争は終わりを迎える。
負けたのは新日本政府軍、圧倒的なまでの武器の充実さと兵士の育成に力を入れていたにも関わらず、旧式の武装を施しただけの即席で出来た旧日本政府軍に負けたのである。
というのが学校で習う歴史の内容。
だが決してどちらの勝ちでもない、両軍の敗北。つまり、二つの勢力以外に誕生した第三勢力。
二つの勢力は数では圧倒的に上回っていた。新日本政府軍は五万五千人の兵士と一万三千人の医療援護班。旧日本政府軍はその半分程であったであろうか。両軍共に負ける気など皆無であったし、自軍に多大な損害を受ける気も当然無かった
両軍にとって史上最凶最悪の悪夢の日までは。
大勢の組織を一週間で皆殺しにした
優しい心の持ち主で
どんな発明をも可能とする
恋に溺れて
儚く散って
哀しみと怒りを背負いながら
孤独に戦った一人の男を
まだ知るものはいない。
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俺は最初何を言っているのか理解不能だった。中学の記憶とか内容とか、そりゃ今は不登校だけどもいくらなんでも旗佐浜おじいさまがそんなこと言い出すなんて......
「どういう....意味ですか?」
ストレートに聞く。すると笑いながら
「ハッハッハッ。冗談じゃよ。気にするでない。まぁ中に入りなさい」
尚更、理解に行き詰まる。気にしても無駄なだけだなと考えた方が簡単だった。
「あ、はい。」
そして中に入る。到底、表の秋葉原からは想像できないメカニックな施設内の廊下と静けさ。その静けさ故に歩く音だけが廊下中に響きわたる。そして三十秒程進んだところで手を機械にかざして扉の開く音がする。
「今帰った。お前らあの準備はできておるだろうな?」
「はい。できております。いつでも発動可能です」
一人の中年が落ち着いた口調で報告。
「よろしい。では、そのまま待機のままで頼む。ワシはこれから悠一おぼっちゃまと今回の企画について話をしてくる。さぁ行きましょう」
労働員に役割を伝え、再び廊下に体を戻し二人は歩き出す。
「さぁここにどうぞ。おぼっちゃま」
招かれたのは会議室のようなところだった。
それからどちらも腰をかけて話を始める。
「ではおぼっちゃま、始めましょうか。そちらから来るということはえげつない作品か悪趣味なことでしょう? 」
「はい、今回は正直なところを言うとヤバイです。悪趣味すぎてえげつないの方が正しいです。」
「そうでしたか。それでどのような物なのか見せてはもらえませんかのぉ?」
あいにく、我が家の天使は置いてきた。
それよりも気になることがあった。
「おじいさま、アニメは見られますか?」
見た目六十代のおじいさま世代はアニメに興味があるのか?というのが率直な疑問である。
「見るぞ。それがどうかしたのか?」
見てた....ってこの人だけじゃないのか?普通に考えて見るのか?まぁいいや。
「そうでしたか。興味本意なのであまり気になさらずに。でも参考だけに何のアニメを....」
興味本意は理由にはならないなと言ってから感じる。
だが、そんなことは気にせず気さくに答えるおじいさま。
「そうじゃのう。最近見たのだとあれじゃなあれ....なんだったかのう....あぁ!そうじゃ確か “単位制普通科高校の優等生は絶対に死なない” だったな!あれは良かったぞ。最後主人公が....」
「死んだんですね」
「お前も見ておったか!」
テンション上がりすぎだと誰が見ても分かる。
「見てませんよ。そんなん誰でも見なくても分かりますよ。そんな死亡フラグびんびんの主人公なんか見たくもありませんよ」
そんなテンションの急激的な加速を見事に抑えて表情を取り戻す。
「おぼっちゃま。酷い言い様ですね。この議題は後でみっちり話しましょう。では、本題に戻してですね今回の内容を教えてくれると助かります」
後で話すのか....とまぁ話の軸も戻ったし説明するか。
「今回の内容は全国で発売することを前提条件に話を進めてもらいます」
「といいますと?」
「俺の欲とそちらの提案に合ったものを満たす為だけのプランです。それとこの秋葉原の地に居座るニートとオタクに夢と希望を与える為のものです」
オタク代表と言われても良いぐらいの数のアニメとライトノベルを今までに見てきた。そんな俺だから分かる気持ちがある。
「そうじゃったか。それで何なのかをまだ言っておらんぞ」
「すみません。今回俺の持ってきた案は....」
背負ってきたリックサックから企画案とデータの入ったマイクロチップと企画書を机の上にバンっと置いて立ち上がる。
「その名も......」
少し間をあけ
「具現化ヒロイン計画だっ!」
と会議室中に言い聞かせた。
ありがとうございました!コメントの方をくれると嬉しいです!




