掴め機密情報!~邪魔するやつは死ね!~
カーナビーは、戦いを終えたマッスルと別れ、転生者ギルドの情報を得るため、とある協力者が待つビレッジ村に向かっていたが、いろいろあって(想像の余地)【呪われし左腕】†KILITO†とクロードと合流したのだった!
☆★☆ここまであらすじ★☆★
「なんだおまえらは!」
ビレッジ村に入ろうとした三人を、マントをまとった男が呼び止める!
「わたしはクロード!赤ヘル一味のリーダだぜ!!」
「そこをどけ...俺の右う...左腕がっ!また人を殺めてしまう前に!」
「は?」
呆然とするマントの男。
「あー!いやいや、ちょっと知り合いに会いに来たのよ!こいつらはちょっと...アレがアレで!」
慌てて取り繕うとするカーナビー。
「ああ、俺の左腕は呪われているんだ...混沌の闇【カオス・オブ・ダークネス】に負ければ、俺はこの左腕【レフトハンド】に宿る混沌の闇【カオス・オブ・ダークネス】に全身を蝕まれ、暗黒大魔王【ヘルインフェルノバーニング】となって降臨【サードインパクト】してしまう!」
「うるせぇ!黙ってろ!いずれこの世界の覇者となり君臨する、このクロード様の命令だぜ!」
「ご愁傷様だな。いっていいぞ。ついでに医者に診てもらうといい
」
マントの男は哀れむような視線をカーナビーに向けながら、道を開けた。
☆★☆★☆★
「おいっ!あんたの知り合い全然来ないぜ!」
三人は待ち合わせ場所であるファミレスにいた。
「俺の右...右?あっ、左目がっ!開眼【オープン・ザ・プライス】するっ!」
「うるさい!黙るんだぜ!」
「我が、邪悪なる心【ダークネスマインド】!」
「右と左もわからないようなやつが、わたしにはむかってんじゃねぇぜ!」
「はぁ...」
カーナビーは、ため息をついた。
「や、やめてください!」
店員の悲鳴!
「あぁ?払えないっていうのかぁ?」
スキンヘッドの男が店員に掴みかかる!
「お、お、おれは、バイトだから知りません!」
「じゃあ、店長呼べ、ゴラァ!」
スキンヘッドはバイト店員を掴んでいた手を乱暴に放した!よろめき壁に激突するバイト店員!
騒ぎを聞いて、慌てて店長が出てくる。
「あ、あなたは、ロワーナ様の!」
「そうだ!ロワーナ様はこの村に用心棒として雇われている勇者で、村民は収入の80%を勇者税として毎月第二月曜日に支払うという決まりになっていることを忘れた訳じゃないよな?もし、お金が払えなければ、違約金として100000000円の支払いと肩たたき券約5年分を要求したうえで、村にそこそこ強い刺客を送り、半ば違法的にこの村を滅ぼすという約束を去年の夏にしたはずだ!」
「ひ、ひぃー!」
店長は慌てて店の奥へ行こうとする!
「逃げるんじゃねぇ!」
「違う!お金は店の奥の金庫にしまってあるんだ!」
「そういって、裏口から逃げるつもりだろ?全部お見通しだぜ!」
「違う!お金は店の奥の金庫にしまってあるんだ!」
「口答えするな!死ねっ!」
「ひ、ひぃー!」
ダダダダダダダダダダダダダ!
「ぐわぁ!!蜂の巣!」
悲鳴をあげて倒れるスキンヘッド!
「おい、おっさん!もう大丈夫だぜ!」
外套のなかから大量のガトリングマシンガンを展開したクロード!!
「な、何てことをしてくれたんだ!」
狼狽える店長。
「俺のこの左腕に宿る力【レフトハンド・パワー】に感謝するんだな」
「死ね」
カーナビーが無慈悲に言いはなつ!
「ああ!おしまいだぁ!ロワーナ様に喧嘩を売ったからには、村はそこそこ強い刺客によって滅ぼされてしまう!ロワーナ様はおまえたちがかなう相手ではない!」
「やつは転生者に違いないわ!」
「今すぐいってギルドに献上するしかない!俺の運命【デスティニー】が叫んで【シャウト】いる!」
「いい度胸だ!よくも我々の集金を邪魔してくれたな!」
突如現れたのはサイバーサングラスの男!!
「あああああ!!!おしまいだぁああああ!ヒーンッ!」
店長は、ショックで気絶!!
「俺はそこそこ強い刺客、峰打ちのサブロー!ここではロワーナ様の村が壊れてしまう!外で戦うぞ!」
峰打ちのサブローが、外へ出ようと背を向ける!
「うるせぇ!ここで死ね!!」
ダダダダダダダダダダダダダ!
サブローに全弾命中!
ダダダダダダダダダダダダダ!
あわれ!ファミレスは蜂の巣!!
客は悲鳴をあげて逃げ惑う!
「やめろ、クロード!罪なき市民が死んで【die】しまうぞ!」
「うるせぇ!おまえも死ね!」
ダダダダダダダダダダダダダ!
壁を突き抜けて外へと吹き飛ぶ【呪われし左腕】†KILITO†!!
だが、右腕のギプスで全弾受けたため無傷!
だが!
「ぐはぁっ!?」
次の瞬間【呪われし左腕】†KILITO†はぶっ飛ばされていた!
「ハッ!雑魚が!」
さっきまで【呪われし左腕】†KILITO†が立っていた場所にいるのは、峰打ちのサブロー!その手には逆手に刀が握られている!
「おまえの銃撃など、すべて弾き返してやったわ!」
「な、なんだと!?」
狼狽えるクロード。
「俺の峰打ちは、確実に攻撃相手を死に至らせる超威力だ!銃弾ごとき驚異ではない!」
「ならばこいつを食らいな!」
ガシャンッ!
クロードの外套から巨大な大砲が展開される!
「ま、まて!それは──」
「ファイヤー!!」
ズドォオオオオン!!
峰打ちのサブローは、木っ端微塵に消し飛ん──否!クロードの攻撃は、黒い壁に阻まれた!
「フフフ...」
黒い壁が地面に溶けるようにして消えると、そこに立っていたのは転生者ギルド四天王の一人、シャドーウィドー!
「シャドーウィドー...なぜここに?」
【呪われし左腕】†KILITO†が、シャドーウィドーに歩み寄る。
「それはワタシのセリフだわ...まぁ、いい」
そういうと、峰打ちのサブローを振り返る。
「ワタシは、あんたに用があるんだよ」
「へへっ...助かったぜ!あんたは命の恩人だ!何でもするよ!」
「ロワーナとやらの居場所を吐け」
「そ、それは...」
峰打ちのサブローは、あからさまに戸惑った様子を見せる。
「どうしたの?何でもするんじゃないのかしら?」
空中に影のナイフが現れる。その刃先は峰打ちのサブローの喉元に向いている。
「わ、わかった!話すよ!ロワーナ様がいるのは、役場の地下だ!」
「ご協力ありがとう」
「へへっ...じゃ、じゃあ、俺はこれ──っ!?」
峰打ちのサブローの喉を影のナイフが貫いた。
「フフフ...あなたには、もう用はないわ」
「そ、そんな...だはっ!」
シャドーウィドーが影の壁に覆われたかとおもうと、次の瞬間、その姿はなくなっていた。
あとに残されたのは、無惨なサブローの死体だけだった。
☆★☆★☆★
「どうしました?」
役場の受け付け嬢。
「ロワーナをぶっ殺したいので、地下に案内してもらえますか?」
「地下ですね。ついてきてください」
三人は受け付け嬢のあとにつづき、奥の部屋へと入る。
キー...ッダン!
三人の後ろで突然扉が閉まる!
弱々しい豆電球以外の光源がない部屋のなかは薄暗い。
「開かないぜ!?」
クロードが扉をガチャガチャ鳴らすが、開く気配はない。
「くっ!貴様、謀ったな!」
【呪われし左腕】†KILIKO†は、構えた!本人はかっこいいと思ってるかもしれないがダサいタイプの構えだ!
「今頃気付いても、もう遅い!私は、受け付け嬢型護衛戦士U-K-T-K!ロワーナ様のところへはいかせないよ!!」
U-K-T-Kが、腕を上げ、降り下ろす!
ジュァキン!
その腕から巨大な刃が展開する!!
「我が、ハサミ拳!食らうがいい!!」
U-K-T-Kは、腕を交差させる!
その構えはまるで巨大なハサミだ!強そう!
「シャッー!」
パリン!
巨大なハサミが振り回され、天井の豆電球が叩き割られる!
辺りは完全な闇に包まれた!
「まずいわ!敵が見えない!」
「シャッー!」
ジュァキン!
「だはっぁ!?」
【呪われし左腕】†KILIKO†の悲鳴!
「シャッー!」
ジュァキン!
「だはっぁ!?」
【呪われし左腕】†KILIKO†の悲鳴!
「シャッー!」
ジュァキン!
「だはっぁ!?」
【呪われし左腕】†KILIKO†の悲鳴!
「シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!」
ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!ジュァキン!
「ぐぅはっああああああ!!!」
【呪われし左腕】†KILIKO†が死んだ!
「くっそぉおおお!!カーナビー!伏せろぉおお!!」
クロードが叫ぶ!
「わ、わかったわ!」
カーナビは、素早い動作で地面に伏せる!
「てめぇがどこにいようと関係ねぇ!!死ぬんだぜ!!ファイヤー!!」
ダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダタダダダダダダダダダダタ!!
激しいマズルフラッシュが部屋を照らし出す!
部屋の中心に立ったクロードは、外套からマシンガンを花びらのように展開させ、全方位一斉射撃!!
カンカン!
ハサミで銃撃ガード!
カンカン!
ハサミで銃撃ガード!
カンカン!
ハサミで銃撃ガード!
カンカン!
ハサミで銃撃ガード!
カンカン!
ハサミで銃撃ガード!
カンガッシャァアアン!!
ハサミが木っ端微塵に砕け散る!
ダダダダダダダダダダタ!
「ひぎゃあああ!」
U-K-T-Kは死んだ!
そして、なんらかのメカニック機構が作動し、部屋のロックが解除される!
「あ、あれは!」
カーナビーが指差した先──部屋の奥──には、地下へと続く階段だ!
☆★☆★☆★
「ほう?おまえらの手下になれというのか?」
マントの男は言った。
「手下、という言い方は違うかしら。仲間よ。能力が認められれば、すぐにでも幹部になれるわ」
答えたのはシャドーウィドー。彼女はすでにロワーナ──マントの男──と接触し、転生者ギルドへの勧誘を行っていたのだ。
「幹部ねぇ?まぁ、おまえらのボスに会うくらいならいいぜ。答えはそれから決める」
「ギルドマスターに直接会うことはできないわ。私たち四天王ですら会ったことはないの。ミスターXがいつも仲介しているのよ」
「ならば、そのミスターXに会わせてもらおう」
「わかったわ。なら、一刻もはやくギルドに──」
ガッシャァアアン!!
ダダダダダダダダダダタ!!
「死ねぇ!!ロワーナ!!」
扉を爆発させ、乱入してきたのはクロード!
「ファイヤー!!」
ロワーナに全弾命中!
「おのれ!邪魔をするな!」
シャドーウィドーは、影の壁に包まれる!完全防御!
「ハハハハ!」
な、なんと!あれだけの銃撃を受けていながらロワーナは無傷!ズタボロになったマントを投げ捨てる!ミイラ男の包帯のように、全身に縄が巻かれた異様な姿が露になる!
「誰かと思えば、あのときの旅人!」
「君は村の入り口にいた!」
カーナビーは、村に来たときのことを思い出していた。
「なにしに来たかは知らねぇが、邪魔だ死ねぇ!!」
体に巻かれた縄がほどけ、ヒュンヒュンと音をたてながら鞭のように空を切る!なんらかのテレパシー機構によって本人は微動だにしない!
「ファイヤー!」
ダダダダダダダダダダタ!
クロードの銃撃!だが、すべて縄で叩き落とされる!
「ハハハ!効かぬわ!死ね!!」
ヒュンッバシッ!
クロードが吹き飛ぶ!
ヒュンッバシッ!
カーナビーが吹き飛ぶ!
ヒュンッバシッ!
マッスルは吹き飛ばない!縄をがっしりとつかんで、放さない!
「な、なんだおまえは!」
「俺はマッスル。お前を殺す。フンッ!」
マッスルはつかんだ縄を勢いよく引っ張る!
「どはっ!?」
よろめき、倒れるロワーナ!
シュルシュルシュル!!
コマのように高速回転しながら縄がほどけていく!
「や、やめろ!!うわぁあああああ!!」
いまや、ロワーナは全裸!
だが、ほどけた縄の中からなにかが出てくる!
「ニョイ・スティック!!」
ロワーナの手に握られているのは、長さ50センチほどの棒!
「伸びろ!!ニョイ・スティック!!」
その棒は100センチに伸びる!!
「ハハハ!」
振り回す!!凄まじい風圧!!棒はどんどんしなる!!
そして!
「死ねぇ!!」
すごくしなった棒をマッスル目掛け叩きつける!!
ガゥワッシィャアアアアアアアン!!
しなりの反動によって、地面が爆発!役場は木っ端微塵に消し飛び、更地と化す!!
だが!
「無駄だ」
無慈悲に言いはなったマッスルは無傷!
「伸びろ!!ニョイ・スティック!!」
その棒は500センチに伸びる!!
「ハハハ!」
振り回す!!凄まじい風圧!!棒はどんどんしなる!!
そして!
「俺のニョイ・スティックは、五倍の長さで威力が五倍!さらにしなりが五倍になって、五十倍の破壊力だ!死ねぇ!!」
すごくしなった棒をマッスル目掛け叩きつける!!
ガゥワッシィャアアアアアアアン!!
マッスルに直撃!!マッスルを中心に巨大なクレーターが出現!村は、ほぼ壊滅!!
「ハハハ!弱敵よ!やはり俺は無敵だ!!転生者ギルドとかいうよくわからん組織に入るまでもなく、ランドスライド王国を我が手に納めることなど容易なことよ!!ハハハ!」
「そうはさせるか!」
「誰だ!」
「俺は転生者ギルド四天王、【呪われし左腕】†KILITO†だ!」
「霧斗!?死んだはず!」
カーナビーは、驚きに目を見開く!
「死んだのは俺の影武者【呪われし左腕】†KILI"K"O†だ!俺は死なない!この使命【デスティニー】があるかぎり!」
ロワーナに飛びかかる【呪われし左腕】†KILITO†!
だが!
「ぐぅはっああああああ!!!」
ロワーナに蹴られダウン!
万 事 休 す !
「俺の天下だ!ハハハハハハハハ!!」
ロワーナはクレーターの中止で笑い声を上げた!
「モゴモゴモゴモゴ」
くぐもった声!
「ああ?なんだ?どこだ?誰だ?」
「モゴモゴ!モゴモゴモゴモゴ!モゴゴゴ!!」
ガシッ!
「な、なに!?」
地中から生えた腕が、ロワーナの脚をつかむ!!
「モゴ...モゴモゴゴ...」
「なに言ってるかわからねぇんだよぉおおおお!!!」
叫ぶロワーナ!
「モゴオオオオオオ!!」
ズガガガガガァアアアアアンッ!!
地中に引きずり込まれるロワーナ!!
「や、やめろぉおおお!!」
そして、ロワーナと入れ違いになるように土のなかから現れたのはマッスルだ!!
「ッはぁあ!!死ね」
地面に肩まで埋ったロワーナに無慈悲に言いはなつ!
「や、やめろ!やめてくれ!!俺は死にたくねぇ!!」
「監獄で自殺して転生したクセになにを言っている。おまえはここで死ぬ。キックオフだ」
脚を後ろに振り上げるマッスル!
「やめろぉおおおおおおおおお!!」
シュート!!ロワーナの首はサッカーボール的に蹴り飛ばされる!!体とバイバイだ!!当然死ぬ。
「よくも、転生者ギルド増員の邪魔をしてくれたな!」
マッスルに襲いかかったのはシャドーウィドー!
だが!
ダダダダダダダダダダタ!!
銃撃が行く手を阻む!やむを得ず影の盾で身を守るシャドーウィドー!
「今度はなんだ!?」
「いましたよ。転生者ギルドの四天王です」
「いまのうちやで!早く居場所を聞くんや!」
現れたのは三人組!
「おまえら!!」
「「クロード様!!」」
「よく迎えに来てくれたぜ、ボージ、ロバー!」
「いえ、迎えに来たわけではありません」
「それに、もうクロード様の子分じゃないんやで!」
「な、なんだと?」
「二人はわたくしのために、協力してくださってますのよ?愚民は黙っていなさい」
ヴァイアだ!
「いまは、ヴァイアお嬢様が、わてらのリーダーや!」
「クロード様には、用はないのです」
「小娘がぁ!!ファイヤー!」
ダダダダダダダダダダタ!!
クロードの銃撃!
だが、
ダダダダダダダダダダタ!!
ダダダダダダダダダダタ!!
ボージとロバーの銃撃によって相殺される!
「ここは、わてらに任せとき!」
「ヴァイアお嬢様は、いまのうちに四天王を!」
「ありがとう、ボージ、ロバー」
ヴァイアが、シャドーウィドーに飛びかかる!!
「無駄よ!ワタシの絶対防御は破れない!」
影の盾でガード!
だが!
「なに!?」
影の盾は布を裂くかのように呆気なく両断される!!
ヴァイアの手の甲から、光輝く刃が四本延びている!
「その程度で防げると思って、愚民?」
「ふざけやがって!!」
影のナイフがヴァイアの後ろに出現!
だが!
「聴こえなかったかしら?無駄だと言たはずですわ」
ヴァイアは、振り返ろうともせずに、光の刃で影のナイフを切り裂いた!
「くっ...!」
シャドーウィドーは、恐怖に後ずさる。
「わたくしは、あなたに用があるの」
「な、何でもするわ!」
「ラキュラの居場所を教えてくださる?」
「そ、それは...」
シャドーウィドーは、あからさまに戸惑った様子を見せる。
「どうしたの?何でもするんじゃないのかしら?」
光の刃を構える。その刃先はシャドーウィドーの喉元に向いている。
「わ、わかった!話すわ!ラキュラがいるのは、城下町にある転生者ギルドの本部よ!いまは、四天王をやっているの!」
「ご協力ありがとう」
「じゃ、じゃあ、ワタシはこれ──っ!?」
シャドーウィドーの喉を光の刃が貫いた。
「愚民には、もう用はなくってよ」
「そ、そんな...だはっ!」
ヴァイアは、立ち上がると、外へ向かって歩き出した。
「ボージ、ロバー!もうここに用はないですわ」
「「ラジャー!」」
三人は立ち去った。
あとに残されたのは、無惨なシャドーウィドーの死体だけだった。
☆★☆★☆★
「転生者ギルドのことですね?調べてきましたよ!」
カーナビーとマッスルは、ようやく待ち合わせの協力者と合流した。
「ああ、だか、やつらの居場所はわかった」
マッスルが言うと、協力者は驚いた表情をした。
「ランドスライド城の城下町...。あそこは警備が厳重ですからね」
協力者──サムライシャーク──は、言った。
「あの二人を任せるわ」
あの二人とは、クロードと【呪われし左腕】†KILITO†のことだ。戦闘により傷を負った二人は、安全な場所で休ませてある。
「あの怪我人は、殺さなくていいのですか?」
「ああ。やつはギルドの人間だ。利用できるだろう。それに、その気になればいつでも殺せる」
マッスルは答えた。
「じゃあ、私たちは行くわね」
「あ、そうそう、最後に一つ...ランドスライド城といえば、いま、大変な騒ぎなんですよ」
「騒ぎ?」
カーナビーは聞き返す。
「そう、どうやら姫が行方不明らしい。これがまた手間のかかる娘で、家出したまま帰ってないらしいのです。この話は城の人間以外には秘密で、兵士が市民に紛れて調査してるとか...。なので城は、いま、とてもピリピリしているのです。どうか、お気をつけて」
二人は、サムライシャークを残して立ち去った。
目指すはランドスライド城。
ロワーナが暴れたことでビレッジ村は滅びた。
この世界から転生者の手によってまた一つ村が消えたのだった。
マッスルの心に静かな怒りの炎が燃えていた。