プロローグ
【やあやあ、ようこそ無限の世界へ】
【僕は神】
【面倒なことに君の担当になっちゃったのさ】
【だから、君の次の世界を決めるよ?】
無限の世界。
白と黒が混じり合い、重力も狂い、それどころか、上下すら理解不能。
まるで無重力空間のような場所に僕はいた。
そしてどこからか自称神の声が聞こえる。
試しに適当に話しかけ、
「それで、これはどういうことだ? 自称神さま」
身の周りを隈なく見渡した。
だが、自分以外は何も見えない。
【君の終わりを告げたってことさ】
だが返事は聞こえた。
もう一度見はりつつ、用心深く聞く。
「どういう意味だ?」
【この世には君の未来は無い、つまりは人生が終了したってことさ】
と、どうやら僕の人生は終わったそうです。
だけど、何がどうなってああなってこうなったのかわからない。
それこそ、意味不明だ。
辛うじて覚えているのは、飛行機に乗っていたということくらいだ。
というのも、一人旅行に東京のテーマパークに行こうとしていたからだ。
だが、それがどうしてこうなったのかわからない。
「僕に説明してくれ、何がどうなった?」
【君は死んだのさ。飛行機事故でね。だから次の世界に転生させるってこと。嫌なら、魂を粉々にして星々の材料にでもするけどね】
「はっ? ……しんだ? この僕が?」
【うん、君は死んだ】
どういうことだ?
実体はある……はずだ。
現に右手で頬を抓ると痛い。
夢ではないみたいだ……?
「よくわからない……それにここはどこだ?」
【神世界さ、そして私は哀れな子たちの次の就職先を見つけるためのアドバイザーとでも言うべきか。それで、君はどの世界にいきたい?】
次から次へと疑問が増えていく一方だ。
神世界?
それはなんだ?
次の就職先?
俺は、まだ大学1年だぞ?
就活は早くね?
そして最後。
どの世界にいきたい?
世界なんて一つしかないはずだ。
僕ら人々が住む地球だけのはず……。
「正直わからない。でも、地球で頼む」
【うん、それは無理】
「はぁあああ?!」
無理?
無理とは何だ?
正直に答えたのになんか断られた。
【一度住んだ世界には住めないんだ。だから、別の世界で頼むよ。別になんでもいいんだぜ。空間には様々な世界がある。それこそ、パラレルワールド理論だから、この空間から行けない世界なんてないのさ】
未だによくわからない。
いや、脳が理解するのを諦めたとでも言うべきか。
だから、もういい。
「おまかせで……」
【了解さ、じゃあ、この世界でいいかな。それじゃあ、バイバイ。次の世界は頑張ってね】
「なにをいっている……んだ……」
意識が遠のく。
眠気が凄まじい。
「――……」
【ああ。記憶消すのを忘れていた。……まぁ、いいか】
【それと、忠告さ、いやアドバイスかな】
【君は一人で】
【君は異常だ】
【まあ商売なんていいかもね】
どういうことだ……?
眠すぎて何を言っているのかわからない。
一人? 異常? 商売?
わからない……わから――。
……、―――。
――――――
―――
……。
土の上。
冷たいそよ風が吹き少し肌寒い。
辺りを見回すと巨大な木が遮るかのように伸びつくし。
空は枝が邪魔で見えづらい。
遠くを見ると、開けた地が広がっていた。
そして、驚くべきことに子供の姿となっていた。
まるで、別人だ。
身長は140㎝くらい、体重も少ない気がする。
これでも平均身長はあったはずなのに今や見る影もなしだ。
それに、試しに声を出すも少年の声だった。
「……」
そして視界の右上に何か浮いている。
《レント・トラウス》
これは名前だろうか?
右手を伸ばし、近づけても消えない。
触れてみると、情報がさらに広がった。
《レント・トラウス
・総level.0
《スキル一覧
・探索level.0
・冒険level.0
《各能力値
・筋力 0
・魔力 0
・幸運 100
・俊敏 0
・頑丈 0
・防御 0
《魔法一覧
・なし
―――……。
どうやら僕は異世界に転生したようです。
それもゲームの世界へと。




