いち
人は誰かを愛するために生まれたのだろうか、それとも、誰かに愛されるために生まれたのだろうか・・・
恵梨香は悩んでいた。
一人のベッドの上で、一人の部屋の中で。
答えがでていることは十分にわかっていた。
叶うはずもないのだ・・・
決して・・・ そう、決して・・・
高校の2年のことである。
高校の生活にもなれ、夏の眩しい太陽が
自分を照らしていることに気付いたのは。
暑い!
それが率直な感想だった
休み時間に学校を抜け出し、アイスを買いに行く・・・
これがこの学校の日常なのである。しかし私は違っていてどんなに暑くても我慢した。
私は世間一般で言う『いいこちゃん』なのである。
そんなことを考えながら廊下を歩いていた。
「恵梨香さん!」
背後から声がした。
この学校で唯一の真面目君の杉山だ。
「先生がよんでいたよ」
全く困ったもんだ。
どうせまたあそこへ行かせるんだろう。
ー引きこもりの山野の家ー
愛想よく返事して職員室へ向かった。
それにしても本当に嫌だ!
山野のことではない。
杉山である!!
2、3度会ってすぐわかった。
奴は完全に私のことが好きなのだ。
ルックスはいいんだけど
なんか息苦しい、真面目過ぎる!!!
職員室に着いた
「おじゃましまーす」
すると先生が手で招いた
そこまではいつも通り
本当にいつも通りだった
「今日からこの学校に通う鷹野だ」
もしや転校生!?
「浜都高校から来ました。鷹野です。よろしく」
手を差し伸べられた。
「こちらこそ」
と握った。
それが始まり