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現状確認

取り合えず、2話が出来たので投稿しました。


駄文ですが読んでいただけると幸いです。







「ん…………」


 

 俺が目を覚ましてまわりを見渡してみると、そこは、俺も知らないどこか深い深い森の中だった。


 

 頭が痛い……。


 ここは…?


 俺はいったい何を…?




 そんなことを断片的に考えながら、俺がどうにかして混乱している頭を働かせようとしていると、少しずつだがこれまでのことをぼんやり思い出してきた。


 今まで俺がデスゲームに閉じ込められてたこと、ラスボスを倒してゲームをクリアしたこと、そして仲間がみんな死んでそれを生き返らすためにゲームのボーナスを使って、このゲームに残ったこと…。


 そこまで考えが至ったところで、俺はふと思ったことがあった。


 あのボーナスの説明には確か、俺が『ホープ・ロード・オンライン』の世界に残る、という説明だったはずだ。だが、この世界に来る直前俺の頭の中に響いてきた声は俺に、『ホープ・ロード・オンライン』

と同じ仕様の異世界に行って下さい、と言っていた。という事は俺はゲームの中ではなく、別世界に来てしまったという事なのではないだろうか?


 そう思った俺はとりあえず起き上がり、周りの状況確認をしてみることにした。


 とりあえず、そこら辺にあった木に触れてみる。すると、今まで『ホープ・ロード・オンライン』内にいた時は、仮に触れたとしてもオブジェクト扱いとなっているため、赤いエフェクトが発生して「このオブジェクトは破壊できません」という警告が出るだけだった。しかし、今触れたときには警告文は出ず、3年前から体験していなかったゴツゴツとした木の感触俺の手で、肌で感じることができていた。


 「マジか…、本当にここは、ゲームの中じゃない……のか?」


 久しぶりに感じたリアルでの感触に嬉しくなりつつも、本当にここはゲームの中ではないんだという事に対して、頭では理解していても気持ちは付いていかず、つい呆けた声を出してしまった。

 だけど、俺がどこかの世界に来ているということは、あいつ等もきっと生き返っているんだろうということに気づき、俺は心の底から安心した。


 まあ、ひとまずここはどこか別の世界だということで納得するとして、


 「とりあえず…これからどうしようか?

 ここがゲームの中じゃなくて、本当に地球と同じような現実の世界だっていうなら、生きていくためには食料や住むところ、それに金も必要だよな…」


 そんなことを一人でうんうん言いながら考えていると、不意に後ろの茂みから「ジャリ…」という音が鳴った。

 なんだ、ここには俺しかいないはずだよな?そう思いながら音源のほうに首を向けてみるとそこにいたのは……


 「ケルベロス…」


 そう、そこにいたのは『ホープ・ロード・オンライン』で幾度となく戦ってきたモンスターの一種、

「ヘイター・ケルベロス」だった。

 三つ首、そして獰猛な牙と強靭な脚力を持っていて体長約4mという外見であり、ゲーム内でもランクAに位置付けられている強力なモンスターだ。


 そのモンスターが今、俺の目の前にいた。


 普通に考えたら絶体絶命の状況、ましてや元の世界にいた俺たち日本人の感性からすればこんな状況に陥れば、パ二ックになり恐怖で体が竦んで動かなくなってしまったに違いない。


 俺もきっとそうなっていただろう。



 3年前の俺ならば…………な。



 獲物の姿を捉えたケルベロスが俺に襲いかかって来る。時速50Kmに及ぶ速度での突進で。


 だが、俺はその攻撃を避けた。予備動作も何もなしに右に30m程移動していた。



 「ギャイン、ギャイン!?」


 ケルベロスは何が起こったのか分からないようで、悲鳴と困惑の混じったような声を上げた。

 そりゃあ驚くだろう。


 そのタネは、A級スキル〖瞬身〗 


 直径30m以内ならスキルを使用するだけで、即座に転移できる優れものだ。最も、その後2秒間程の硬直時間が発生するので、実力が拮抗した者同士の戦いではあまり使用することはできないのだが。


 俺はそのスキルを使用して、右に移動してケルベロスの攻撃を避けたっていうことだ。


 だが、そんなことがケルベロスに理解できるはずもなく、今も突然消えた獲物である俺を困惑しながらも探している。俺は、その隙を見逃さず相手を殺すため、新たなスキルを発動させる。


 S級スキル〖一殺〗


 放った攻撃は全て急所を必ず突き、相手の体にかすればそれだけで致死量のダメージを与えられるゲーム内でも殺傷力1,2を争うスキルだ。

 ただしこれにも制約があり、ボス級のモンスター、もしくは人間相手には使用できず、使用すれば自分のHPの10分の1を削る、というデメリットもある。それでも強力無比なスキルであることには変わりはないのだが。


 それを、目の前にいる困惑していてその場でおろおろしているケルベロスの死角から、初期魔法「ファイヤーボール」にこのスキルを付与させて放ち、大爆発が森の中で起こった。


「…………グェ」


 そして、声も出ない様子のケルベロスは、そのままなにも出来ずにふらふらと地面に倒れ、即死した。


「ふう…」


 何も 感じなかった。


 俺は、おそらく今の現代日本人の感性からすればおかしいのだろうが、初めて生き物を殺したのにもかかわらず、特に何の感情も生まれてこなかった。きっと普通の人間ならばここで吐いたり、罪悪感で一杯になるだろうが、あいにくと俺は普通じゃない。


 『ホープ・ロード・オンライン』内で俺が過ごしていたとき、何百体いや何千体、何万体と命のやり取りをこいつらモンスターと行い、時には犯罪を起こしたプレイヤーを止めるため、そのプレイヤーと殺し合いをしたりもした。


 そんな俺にしてみれば、この程度の事で罪悪感など発生するはずがない。

 だからこそ、俺は躊躇することなくケルベロスを殺すことができた。


 最も、この世界でスキルが発生するかは分からずぶっつけ本番で正直胆が冷えたが、ちゃんと発動してくれて俺は安堵した。


 そして、地面に倒れているケルベロスに最後に一度視線を向けたあと、手についたケルべロスの帰り血を洗うため、近くにあった川に行き、これからどうするかをもう一度考える。


 結果として、俺が下した判断はこの世界に対する情報が少なすぎるため、まず自分の今の現状を確認することだった。


 メニュー画面を開き、そこにある《アイテム》、《装備》、《ステータス》、《スキル》、の4つの欄が現れる。その中でまずは自分のアイテム欄、装備欄を開いてみると、アイテム欄には新たにクルーエルを倒した時のドロップアイテムが加わっている位で、他に変化はなく、装備は今まで使っていた

装備が全部しまわれていて、なくなっていないことに気づいて安心したが、代わりにゲームを始めたときに手に入る初期装備に俺の服装は変化していた。


 次にスキルを見てみると、おまけとしてスキルの画面の片隅にある称号にはアナウンスで流れた通り「魔王を打ち倒し者」が追加されていたが、それ以外には特に変化はなかった。


 そして、最後に何かラスボスを倒したことで変化があるかな~と思いながらステータスの欄をのぞいてみると、そこにははっきりいって呆れるしかないような馬鹿げた数字が並んでいた。


 名前.キョウスケ

 LV.500(最大値)

 種族.ハイエルフ

 職業.賢者


 HP.125000(25000)

 MP.175000(35000)

 ATK.4860(972)

 VIT.6375(1315)

 INT.15805(3161)

 DEX.8670(1734)

 AGI.7700(1540)


 「…………………は?」


 「いや、ちょっと待て待て待て、おかしいだろ!!!!!」


 どのステータスも元の5倍程のステータスとなっていた。

 元々、『ホープ・ロード・オンライン』内では最強のプレイヤーだっただけに俺のステータスは他のプレイヤーよりはるかに高かった。はっきりいって元のステータスでも同じ攻略組プレイヤー10人を同時い相手にできる位にはすごかった。


 だが、このステータスだったら10人どころか1000人ぐらい相手にできるだろうし、あの苦戦したラスボスにだって、余裕でソロ攻略できるぐらいのチート性能である。


 そんな状況を見て、恭介は一言


「ボーナス……チートすぎるだろ……良いのか、これで?」


 あまりにも行きすぎなボーナス特典に喜びを通り越して頭が痛くなったキョウスケだった。

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