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動揺—冷静—傍観

へたくそな文章な上に誤字脱字も少なくありません。もし見つけなさった場合は指摘をしてもらえればすぐに修正いたします。・・・あと感想やアドバイスなんかもくれたら嬉しいです


○○●



「おい鶴来!!一体何が起きたってんだよ!!」


訳の分からなさすぎる状況に、思わず大きな声で怒鳴ってしまう


ったく俺らしくねえぜ


いつもだったらクールで冷静な対応を見せつけて、見事に事件解決!!キャッホウオレカッくいい〜☆


みたいな感じで華麗に受け流してやるものなのだが・・・


流石に今回は無理っぽい


だっておかしいだろ、どう考えても


なんたって今俺の目の前で人が死んでんだぞ、しかも何人も!!


こんな状況でクールで冷静になんて出来るヤツいる分けねえぞ常識的に考えて


仮にいたとしてらソイツ今までの人生でどんだけ沢山の修羅場くぐり抜けて来たんだよ面白そうだから少し語ってけよコノヤロー、と小1時間くらい話を聞いてやりたいもんだぜ


まったく・・・


こんな状況で冷静にいられるヤツなんていない


そう思っていた


そう思っていたのだが・・・


そう思っていた矢先


・・・いた


こんな常識的に考えてあり得ない状況の中で何故か唯一冷静でいられるヤツがそこにいた


意外と近くにいた


と言うかソイツは俺の小学校の時からの知り合いで今現在も同じ中学に通う友


「鶴来 行」なのであった




○●●





「・・・爆発?」


この広い体育館の中にいる大量の中学生達の中で


たった今起きた出来事を理解する事が出来た人間はただ1人、鶴来 行のみであった


「爆発?どういう事だ?」


皆が焦りを隠せずにただただ呆然と立ち尽くすしかない中で


ただ1人冷静に状況を分析している友に驚きを見せながら池神章は質問をした


「だから爆発が起きたんだよ、この体育館の天井が爆発したんだ、揺れはその衝撃で起きたんだろうな・・・見てなかったからよく分からんが」


「爆・・・発?なんでだ?」


「知らねえよそんな事・・・こっちが聞きたいくらいだ」


「この体育館の中にいる誰かが天井に爆弾か何かを仕掛けて爆発を起こしたって事か?どうして・・・」


「だから知らねえって言ってるだろ」


「知らねえ、か・・・だよな」


はあ・・・とため息をつきながらも話しているうちに段々と冷静さを取り戻して来た章は体育館の天井を見上げた


そこには直径にしておよそ15mくらいの歪な円形の巨大な穴がぽっかりと開いていた


ほんの1分前までそこは普通の体育館の天井で


こんな不気味な穴は開いてなんかいなかった


天井に開いた穴の丁度真下に目線を変える


そこには突然爆発を起こした体育館の天井から降って来た瓦礫によって下敷きにされた数人の中学生の姿・・・なんて見えない


下敷きになった中学生・・・だったものっぽいものは見えるのだが


瓦礫に酔って押しつぶされてしまった『ソレ』はもはや人間としての原型なんてとどめていなかった


「酷いな・・・」


思わず声が出てしまう


周りには気絶する生徒も何人かいた


「悪い夢ならさっさと覚めてもらいたいもんだぜ・・・最悪な気分で朝の目覚めを味わう事になりそうだがこんな現実を受け止めるくらいなら一億倍マシだぜ・・・」


「だな、それにしてもこんな状況でずいぶんと舌が回るな鶴来・・・犯人おまえじゃねーだろうな?」


「んな事あるかボケ」


「そうか、なら安心したぜ・・・さっきから妙にお前が冷静なせいで少し思考が止まっちまってたぜ前にも似た様な経験した事でもあるのかよお前?」


「あーうーん・・・まあな、後で時間があったら話すよ・・・てか俺のせいかよお」


「ああお前のせいだ鶴来でも感謝するぜお前のおかげで俺も少し落ち着いて来たぜ・・・てかこれに似た様な体験って・・・」


「大した事じゃねーさ、それより」


「今からどうするか・・・だろ?」


「ああ」


落ち着きと冷静さを取り戻した章の適応力の早さに今度は逆に驚かされる


なんてこった流石優等生の池神様だぜまったく


「とりあえず外の様子を見てみよう、何か起きてるかも知れないし」


「そうだな・・・でも一瞬とはいえ爆発が起きたんだ、しかも学校の体育館の一部か崩壊するレベルのだ・・とりあえずここで黙って待機していれば助けとかが来るんじゃないのか?うかつに行動をするよりもいいと思うんだが」


「だな・・・でもまた爆発が起きるかも知れないし・・・のんびり救助なんか待つよりさっさと逃げちまった方が全然いいぜ」


確かに章のいい分にも一理ある


だがしかし


どうせ抜け出すのならやらなきゃならない事が1つあるではないか?


ただでさえこんな状況なんだし




●●●




体育館の中には沢山の中学生達がいた


突然の出来事に泣き叫びだす者達もいれば


目の前の光景を目にし耐えきれなくなり嘔吐する者もいた


どうすればいいのか分からずにとにかく走って体育館の中から外に逃げ出して行く者も少なくない


200人ほどの中学生達が静かに体育座りをしながらスピーチを聞いていた空間は、たった一瞬の出来事により混沌の空間へと変化していたのであった


そんな中でたった二人冷静さを失わないで取り乱さずに今の状況を理解しようと試行錯誤を重ねる少年達と、その二人の姿を見つめる1人の少年の姿がそこにはあった







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