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ー7ー

「本当にN市に似ているな。……間違ってるわけじゃないんだが」


 見覚えがある景色が続き、N市だと確信が持てるようになるが、違和感も出てくる。


 現在のN市ではなく、少し前のN市。


 師匠と俺がまだ一緒にいた時ぐらいだ。


 荒廃した未来だとしても、反映されているのが今の姿じゃない。建てられている店に若干のズレがある。


【ロストワールド】がリメイクされたわけではなく、初期状態のままなのかもしれない。


 だが、アレだけが現実と同じ高さがある。


 それにボダさんの情報通り、人の気配はなし。


 閉鎖されているのだからプレイヤーがいないのは当然なのかもしれないが、この世界の住人……NPC。


 仮想世界はプレイヤーだけではなく、管理者に生み出された住人。人間であれば、魔物、ロボットの時もある。ファンタジーであれば、敵もそれに含まれるだろう。


「……着いた」


 何事もなくムーンライトタワー前に到着。


 いや……タワーに近付くために肌寒く、月の光が強くなった。その光も白や黄色ではなく、今は紅に染まっている。


 月が紅色に変化しているからだ。


 ムーンライトタワーも窓が割れていたり、所々が崩れていて、今ある最上階も天井部分がないような感じがある。


 そこから月の光を受け、タワー内も紅色に染まってるように見えてしまう。


「……RPGなら、BOSSでも登場しそうな演出だな」


 俺はムーンライトタワーに足を踏み入れた。


「ようこそ、探屋真実。本当に来てくれるとは……叶かなえから色々と聞いている。最上階で待っているから」


「……蝙蝠? そんな事より!!」


 俺がタワーに入るなり、蝙蝠の姿が見えた。


 その蝙蝠が年若い女性の声で話し掛けてきた。


【ロストワールド】に来て、初めての生物……NPC。それは俺に言葉を伝えるなり、崩れた天井の隙間から上へ。


 それも驚きだが、一番なのは俺と師匠の名前を口にした。


 それも『色々と聞いている』という事は、師匠の知り合いで間違いない。しかも、下の名前で呼ぶだけじゃなく、俺の話までしている仲だと予想出来る。


「エレベーターは……使えない。動かないエスカレーターで上へ行く……非常階段か」


 エレベーターとエスカレーターは動いていない。サンダーボルトのようにスマホを差し込んで起動させる物でもなかった。


 エスカレーターは階段のように上へ行く事も可能だが、瓦礫により道が塞がれてる箇所も見える。


 入口側にある非常階段を確認すると二階には行かせそうだ。


 その階段も一カ所だけではないはずであり、上へ進める方法を調べていくしかない。


「迷路と呼ぶぐらいに入り組んでないだけ、ましだが……」


 ムーンライトタワーの内部は公開されていない。商業施設や高層マンションとして建てられるわけじゃない。


 日本がエルドラド国と共にVRの強化するため。


 仮想世界に関して、一番力を持っているのはエルドラド国であり、それに次ぐのが日本。


 競争するのではなく、エルドラド国が日本に協力するのは不明。


 想像力の凄さに関しては、日本が上回っているからと噂されたりしている。

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